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第四章 ~〝祖の国〟エンピス~

日も上りきらぬ夜明け前。

頑丈さと防音性に特化した軍議の間は、重苦しく固い空気に支配されていた。

数刻前、各人に届けられた報せがあった。


──エンピス国境の砦が陥落。


宣戦布告もない、事前の挙動も見られない、寝耳に水の一方的な侵攻。

だが、この場が重く沈んでいるのはそれだけではない。

伝令によってもたらされたもう一つの報せ、それが大きな要因であった。

誰かが重苦しい溜め息をつく。それを諌める声はない。なぜなら誰もが同じ心境だからだ。

暗く沈む軍議の間。

そこにようやく、危急の報せを受けた国の主が姿を現した。

「状況を報告しろ」

部屋に入るなりそう命令し、一番奥にある椅子に腰掛けた。

「日が変わる頃、国境の砦が奇襲を受けました。二刻足らずで制圧され、現在はその砦を拠点にすべく資材が運び込まれているようです。斥候によると、旗印は間違いなくエンピス王家。周辺の我が陣営の部隊は周辺住民の避難誘導、敵軍の牽制に動いています」

隣に座るリィンが全員に聞かせるように報告する。侵攻元に驚きはないが、その制圧にかかった時間に眉を歪める。

「二刻……。速いな。やはりあの報せは虚偽や見間違いなどではなかったということ、か」

「恐らくは」

二刻──約一時間──で国境砦を一つ奪われた。

それは深夜の奇襲程度ではあり得ないことだ。こちらはセリスの滞在を容認したあと、エンピス側への監視の目を増やし、国境の守りも硬めてあった。侵攻を予測し、警戒を強めていた砦を落とすのは容易いことではない。

それでも陥落したということは、それだけ絶対的な何かがあったということ。

「〝勇者〟か」

アールマンの呟きに、暗く沈んでいた軍議の間の空気が更に固くなる。

そうなのだろうと事前に聞いてはいたが、魔王がそれを認めると更に現実味を帯びてくる。

彼らの胸中を思えば、このような意見が出るのも致し方ないことだろう。

「お、お待ちください陛下。まだ〝勇者〟と決まったわけではありません。はっきりとそうであると報告した者はありませんし、第一、次の〝勇者〟が現れたにしては時期が合いません!」

「では聞くが、我が国の兵は砦に寄る影にも気付かず、短時間で惨敗する無能者揃いだとでもいうのか?」

「そ、それは……」

「既にあり得ないことが起きているんだ。お前たちの気持ちも分からないではないが、俺たちには国を生かす責務がある。〝勇者〟は〝いる〟と考えろ」

アールマンの言葉に、異論を唱えていた魔族が消沈したように肩を落とす。

彼らに陰を落としている〝勇者〟とは、エンピスに古くから伝わる聖剣を自在に振るうことのできる、選ばれた者の称号だ。

遥か昔、現代において〝名も無き神〟と呼ばれる神が、大陸に存在する八つの国に己の力を宿した御物を授け眠りについた。エンピスに授けられた御物である聖剣は、自らが選んだ使い手に無尽蔵の魔力を与えるといわれている。選ばれる対象は人間族のみであり、選ばれた〝勇者〟は人間族でありながら強力な魔術を扱えるようになるという。

聖剣を振るう〝勇者〟に魔術は通じず、その一振りは鉄をも切り裂く。突出した力を持たない人間族を一騎無双の英傑に仕立てあげる聖剣は、現代まで人間族を存続させてきた最大の要因にして、他種族に対抗しうる最強の兵器だ。

最悪なことに、その切っ先が今イーヴィスに向けられている。

「ですがやはり、いくらなんでも早すぎますな。先代の〝勇者〟が倒れてまだ半年です。聖剣の適格者が現れるにはこれまでの統計上、少なくともあと一、二年の猶予がありました。皆が不安に思うのも無理はないかと」

ファルン卿の言葉に、アールマンは「今はそんなことは関係ない」と頭を振る。

「脅威は現実として、この国に剣を突き立てに掛かっている。こちらは既に後手に回っているんだ。今は最悪を想定して事に当たる必要がある。違うか?」

「……その通りですな」

アールマンは他に意見がないかを視線で確認し、軍部の最高司令官であるリィンに指示を任せる。

「国境付近の部隊をカンド砦まで下がらせます。それと平行して城に詰めている将兵を五百人カンド砦に送り、防衛に徹させます」

「五百で足りるでしょうか。焼け石に水では?」

「エンピス軍の一番の武器は数です。どれだけ援軍送ったとしても戦力差が大きく埋まることはありません。今は少数精鋭を送り込み、籠城にて敵軍を足止めしつつ時間を稼ぐことが必要です」

エンピスがどの程度の戦力を投入してくるか判らないが、奪った砦を拠点にして陣容を整えようとするくらいだ。並の兵力ではあるまい。こちらも相応の用意をもって迎え撃つ必要がある。

その準備のため、アールマンも指示を出す。

「プーシは各領に伝達を。戦地周辺からの避難民を受け入れる体制を整え、混乱に備えること。自治に必要な数のみを残し、兵を率いてエルデ平原に集まることの二点だ。文面は任せる」

「かしこまりました。……グラン公国への援軍要請は如何なさいますか?」

グラン公国はイーヴィスの同盟国だ。要請すれば援軍を寄越してくれるだろう。しかし、それには必要なものが足りていない。

「必要無い。今から出すには遅すぎる」

文章の作成から使者の手配、グラン公国への道程、謁見、援軍の編成、戦地への道程。最短で計算しても間に合う可能性は相当低い。間に合ったとしても、それは既に体勢が決した後だろう。友国を負け戦に巻き込むほど腐ってはいない。

「分かりました。それでは急ぎ手配致します」

プーシ卿退席した後、リィンが兵糧や武具の手配の指示を出し、各員が慌ただしく動き始める中、ファルン卿がアールマンに歩み寄って耳打ちする。

「セリス嬢は如何しますか?」

「……もう少し自由にさせるつもりだったんだが、こうなっては仕方ないな。連れてこい」

「承知しました」


同刻──慌ただしく動き出したイーヴィス王城の一角の、豪奢な客室が並ぶ中の一室。

珍しくも、自発的に早起きをするという偉業を成し遂げた少女がいた。

エンピス王国王女、セリス・エンピスである。

この城に住み込むようになった当初は重々しい監視体制が敷かれていたものの、最近ではセリスへの信頼か、はたまた取るに足らない相手と断じられたのか、顔馴染みの侍女が部屋の近くに付けられただけで、監視はほぼ解かれたと言ってよいほど杜撰なものへと変わり果てていた。

元々は自国の救済という大任を自身に課していた彼女だが、今現在寝台から起き上がって『今日は何しようかなー』と場当たり的な計画を練っているその姿に、大任に対する責任感やら義務感のようなものは微塵も感じられない。

そもそもを忘れているのか、長期戦を覚悟して腰を据えているのかは本人以外預かり知らぬところではあるが、セリス以外の者からは確実に前者だろうと見定められている。

「あ、そうだ」

身だしなみを整えようと鏡台に向かっていた足先をくるりと半回転。そわそわと辺りを見回しながら、数人分の茶器が収められた棚へと手を伸ばす。

硝子張りの戸を開き、音を立てないようにそうっと茶器を押しのけて、奥から目的の品を取り出した。

とてとてと寝台に逆戻りし、腰を下ろして取り出してきた真鍮性の小箱を膝の上に置く。満面の笑みで蓋を取ると、中から香ばしい匂いが漂ってくる。

それは紛れもなく、リィンやユウリとのお茶会でよく出てくる焼き菓子と同じものだった。

何を隠そう、セリスはこの手の菓子が大好物であり、許されるのであれば満腹になっても尽きない菓子の山に挑みたいほど。だが、年頃の乙女的な事情によって夢は叶わぬまま夢のままで留まっている。……王女であってもお腹のぷにぷには恐ろしい。

と、そんな乙女事情は別として、いつでも好きなものを食べたいと思い願うのは万人共通の願望である。

故に、セリスは一つの事案を己に提案した。

──良いことをしたらお菓子を食べてもいい。

例えば今朝のように早起きをしたり、侍女に扮してお城の手伝いをしたり、リィンの仕事中に話し相手になってあげたり──リィンにとっては迷惑極まりない──と、そんな感じ。

当然のように立案、即可決となったわけだが、セリスにも恥じらいというものはある。労働の後の間食ならばまだしも、朝の起き抜けに菓子を頬張るのは少々意地汚いのでは、と考えた。

だがしかし、その異論は『誰かに見られなければいいんじゃない?』という悪魔の囁きによって却下された。

子供の浅知恵のようではあるが、本人は真剣である。糾弾できる他人がいない以上、彼女を止めることは何人たりとも出来はしない。

最後の確認にと出口、窓、天井と床を順番に見回して、人の気配がないことを確認して焼き菓子に手を伸ばす。

簡素な飾り気のない楕円状の小麦色。ザラザラとした独特の感触。

大小の違いはあれ、罪の味は実に甘露という。お腹の奥のぞわぞわ来る感覚を抑えつつ、セリスは焼き菓子を口の中に放り込んだ。

「〜〜〜〜〜〜」

悶える姿はまさに年相応。ほのかに頬を紅潮させながら、二つ目の焼き菓子に手を伸ばした。──のだが。

「セリス嬢、起きておられますかな?」

部屋の外から自分を呼ぶ声。

悲鳴を上げそうになった口を押さえてあたふた。

──ガシャッ。

床に散らばる真鍮の箱と数個の小麦色。少女の密やかな罪の味は無惨にも、大地を目指す流れ星のごとく粉々に散ってしまった。

「あ、あう、あぁ……」

「む、何事ですかな?セリス嬢?」

来客の声に、落ち込んだ心根に渇をいれる。証拠隠滅をと真鍮の箱を毛布の中に、散らばった焼き菓子の欠片を纏めて寝台の下の隙間に押し込んだ。

そうしてなんとか体裁を取り繕い、改めて寝台に腰かけて、セリスは愛想笑いで来客を招き入れた。


──これが蝶よ花よと育てられてきた少女の味わった、つかの間の平穏の一部始終。

この後、少女は現実の残酷さを知ることになる。


「セリス嬢をお連れしました」

ファルン卿に連れられて軍議の間に足を踏み入れたセリスは、やけに忙しそうにしている魔族たちを不思議そうな目で眺めている。

「ご苦労。話している間、代わりに報告を受けてくれ」

「かしこまりました」

労いの言葉をかけてファルン卿を下がらせたアールマンは、セリスを座らせて自身も椅子を動かして向かい合うように座った。

「あの、お話ってなんでしょう?」

鈍い鈍いと言われるセリスでも周囲の緊迫した空気に気圧されたのか、不安そうに顔を俯かせて尋ねる。

「遠回しに言っても意味が無いから簡潔に言うぞ。エンピスが戦争を仕掛けてきた。宣戦布告も無い完全な騙し討ちだ」

「…………はい?」

「深夜にエンピス側の国境に隣接した砦が落とされた。情報を纏めるとエンピスの正規軍で間違いない」

「ちょ、ちょっと待ってください! 正規軍って、お父様がそんなことするはずが……、何かの間違いです!」

この楽天的な少女には珍しい、怒りの感情の発露に、アールマンはため息を吐きつつ首を振った。事ここに至った以上、もはや本音を隠す意味も無い。

「軟禁に近い状態で育てられたと聞いてはいたが、腐っても王か。身内に対しての面の皮の厚さも人一倍らしいな。上手く隠し通したわけか」

「……どういう意味ですか」

「お前は阿呆でエンピス王は卑劣だと言ったんだが?」

「なっ!?」

未だ慌ただしさの残る軍議の間に、一陣の冷気が舞い上がる。

「よろしいでしょうか」

「なんだ」

二人の間に飛び交う火花を払うかのように、セリスの隣に立ったファルン卿がこほんと咳払いをして、今しがた手元にやって来た報告書を読み上げる。

「現在エンピス軍は落とした砦に陣を張り、自国からの兵を集めているようです。細作からの報せによると、既に首都から三万五千の兵が送り出され、国王自らも出立したそうです。その軍にはルーフェの魔術師の姿もあるとのこと。良い報告と言えば、〝剣〟の将軍が王子と共に首都に居残ったくらいでしょうか」

「耳長め。森に引きこもっていればいいものを、出稼ぎでもする気か?しかも〝剣〟が居残るということは〝盾〟は出てくるのか。面倒だな」

膝の上で組んだ手を額を当てて渋面を作る。

エンピスの〝剣〟と〝盾〟の名を冠する、二枚看板とも言うべき二つの将軍位。彼らは〝勇者〟の居ない期間、特筆すべき力を持たないエンピスを守護してきた事実上の最高戦力である。特に今回エンピス王と共に出兵する今代の〝盾〟の将軍は、老齢ながらも苛烈な猛将として有名であり、彼の部下も精鋭揃いと噂されている。

その一軍だけでも厄介だというのに、更に北の大国〝ルーフェ〟が絡んでいるという。〝森の国〟と呼ばれる由縁でもある大森林に棲む緑色の髪をした耳長族は多くの固有魔術を有し、単身での魔術戦で並ぶ種族はないと称される。

彼らが関わってきたとなると、魔族側の魔術という優位性は無くなったも同然だろう。

──数のエンピスに魔術のルーフェ。まったく、厄介者と厄介者が手を組んだようなこの絵図面。一体何を遊んでいたんだ。もう少しまともな構図にならなかったのか。

ここには居ない相手に心中で毒づく。同じく報告を聞いていたセリスは、アールマンのように渋面を作るでもなく、ファルン卿のように黙考するでもなく、ただ呆然としていた。

確かに、自分は父の〝国王〟としての姿を見たことはない。でも、あの優しい父が戦争なんて、大勢の人が傷付くことをするはずが──。

「何を呆けている。騙し討ちであろうとも、向こうには大義名分がある。それを与えているのはお前だぞ。釈明の一つくらい考えたらどうだ?」

「え?」

「分かりやすく言えば、王女が居なくなった。今は魔王の城に居るらしい。よし、取り返す為にも攻めようって流れだな。普通は使者を出して返還を訴えるものだが、それすら無かったことは流石に予想外だったな。いや、向こうでは出したことになっているのかもな」

言葉を失う。それでは自分のせいで戦争が起こっているようなものではないか。

「い、今から戻って、お父様を説得して……」

「無駄だ。お前は知らないだろうが、エンピス王はずっとイーヴィスを攻める機会を窺っていたんだ。お前が言葉を尽くしたところで『魔族に洗脳されたのだろう』の一言でおしまいだ。下手をすると殺されるぞ。仇討ちの方が対魔族の士気が上がるからな」

「そんな……そんなこと!」

「第一、お前の命が大事なら抗議するなり使者を立てるなり、交渉から入るのが普通なんだ。それすらもなくいきなり攻めてきたってことは、報復でお前が死のうとも構わないということなんだろう」

「そん……な」

「この際だ。ついでに一つ、お前の勘違いを訂正してやろう。お前がここにやって来た動機──エンピスに掛けている飢饉の呪いを解いてもらうためだったか」

「そ、そうです……」

目眩がして椅子から崩れ落ちそうになる体に渇を入れる。この話の最中に倒れるわけにはいかない。

「そもそも、呪いなんていうのは、お前が思っているほど簡単なものじゃないんだよ。人を呪わば穴二つと言ってな。呪いというのは呪う側も同様の呪いを受ける覚悟が必要になる。エンピスを丸ごと襲うような飢饉?そんな欠片ほどの益にもならないことをして、イーヴィスに何の得がある」

でも、とセリスは反論する。

「お父様が言ってたんです! 『エンピスは魔族に呪いを掛けられている。だから毎年国が荒れるんだ』って!」

「単純に政府の無能が故だ。聞いた限りではエンピス王が内政よりも軍備に重きを置いているからか、付き従う官吏共も内政を蔑ろにしている節がある。悪いことがあればなんでも魔族の仕業と喧伝して、民の敵愾心を煽ってるんだよ」

「う、嘘です!」

「好きに疑えばいい。ああ、あともう一つ、これは噂話なんだが、エンピスの王は『お人形遊び』が趣味らしいぞ。だが最近、お気に入りの『人形』が逃げ出したそうで、大層機嫌が悪いんだとか。噂の出処を聞きたいか?」

「──────」

近くでドサッと音がした。いつの間にか、すぐ側に床がある。

動悸が激しい。視界が歪む。

話の流れから、アールマンの言っている『人形』が比喩なのだと判った。その対象が自分なのだろうことも。

「あ、あ──あぁぁぁあぁあ!」

もう何がなんだかわからない。今まで信じてきたものが信じられなくなっている。体は床の上にあるのに、自分がどこにいるのか分からなくなりそうな気持ちの悪い浮遊感がセリスを襲った。

床に転がったまま頭を抱えて泣き出したセリスを、ファルン卿は同情するような、アールマンは哀れむような目で見ていた。


憔悴したセリスを侍女に預け、アールマンは報告書に目を通しながらファルン卿に指示を出す。

「不在の間は兵を十人、侍女を三人増やして見張らせろ。絶対に目を離すな。妙なことを考える者が出るかもしれない。あいつに関しても、万が一にも早まった真似をしようとしたなら手足を縛って拘束しておけ。死なれては困る」

「手配しておきます」

ファルン卿の頭が縦に動くのを確認し、アールマンは大きく息を吸い込み、一気に吐き出した。

「はぁぁあ」

「お疲れさまです」

「まったくだ。もっと時間をかけて箱庭と現実との齟齬を埋め合わせるつもりだったのに。あれじゃまるで悪役だ。割に合わん」

アールマンの言葉に、眼鏡の縁を押さえながらファルン卿が首を傾げる。

「今更ではありませんか?」

どことなく愛嬌を感じさせるその仕草に苦笑しつつ、アールマンは椅子に深く腰かける。

「本来なら買う必要のなかった恨みを買うのが嫌なんだよ」

「……陛下、時間は生き物です。思い通りにならぬことが当然なのです。選り好みするよりも覚悟をお決めください。貴方様の歩む道は平坦ではないのですから」

「覚悟なら既に固まっているとも。今更の説教は勘弁してくれ」

一時期は自分の教育係も務めていた部下から目を逸らす。

「説教などと大それたことは致しません。ですが、お心に留め置いてください。愚痴を吐くのは結構ですが、先頭を行く陛下が迷われては後に続く我ら家臣、ひいては国民が迷います」

「ああ、肝に命じておこう。既に賽は投げられた。ファルン、留守は任せる。そのつもりで準備しろ」

「御意のままに」

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