第2話 犯人発覚
皆が落ち着いてきたところで、先生が重い口を開けた。
西田は、交通事故で死んだらしい。
居眠りトラックが突っ込んできて・・・・・・・・打ち所が悪かったらしく即死。
現在、犯人は自首してくれて刑務所の中にいるらしい。
先生が話してくれたのは、そこまでだった。
私は、ふと斜め前の席に座っている伊南川の方を見た。
《笑ってる・・・?》
伊南川は西田を怨んでいた。
さっきだって、伊南川は歌ってなかったのだ。
《もしかして・・・》
私は、逸る気持ちを抑えて伊南川に聞いた。
「・・・なんで笑えるの?学年の仲間が・・・西田が死んだのよ?」
そう聞くと、伊南川はこっちをチラッと見た後・・・
「アイツなんて死んで当然なんだよ!!」
その言葉が返ってきた。
西田は、人をいじめたりしなかったのに・・・。
むしろ、いじめを心の底から憎み、許していなかった。
それなのに・・・! なんで・・・
「なんで死んで当然とか言ってんのよ!!」
私は、初めて心の底から人を睨んだ。
その視線に気づいた伊南川は、私と眼をあわせないようにしながらこっちに近づいてきた。
「聞きたいか?なぜ、なぜ西田が死んだのかを・・・」
「えっ!?まさか・・・」
私はぎょっとした。
まさか、
「俺が、西田を殺した。」
伊南川が・・・
西田を殺したなんて・・・。