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最終話 そしてあなたという存在

私は、夢を見た・・・伊南川が私に手を振って何処かに行く夢を・・・。


気が付けば、私は保健室のベッドの上で眠っていた。



『伊南川が死んだ』


「なんで・・?」

私が呟くと保健の先生がやさしく


「職員室で倒れたのよ・・・?」


と言ってくれた・・・・・・・・が


「違う!!!!」

私が知りたいのは・・・そんな事じゃない・・・!!!


「なんで私の事を分かってくれた人が目の前から消えるの!?」


私は怒りと同時に涙も溢れてきた。


最初はすごく憎らしく思っていたけど、本当はとてもやさしい伊南川。


だけど・・・だけど・・・・


「伊南川・・に・・は、もぅ・・・会えないよぉ・・・」


私が落ち着くまで、保健の先生は傍にいてくれた。




それから、残りの中学生活ずっと・・・回りの景色が色のないように見えた。





何回か死のうと思った。






でも、出来なかった。


伊南川と西田が2人して私を止める気がしたから。





あれから、5年がたった。私は、普通の高校を出て前々からやってみたいと思っていた仕事に就くことができた。








「紗織、今日暇なら遊びに行こうよ!」

同僚の香住が、私に聞いてくる。


「ごめん、今日はちょっと・・・」

さらっと断った私を香住は恨めしそうに睨んでいるが・・・放っておくことにした。






私は、霊園に来た。今日は西田の命日だ。




「西田、久しぶり。今日はすごい晴れてるね。近くで見たら、もっとすごいの?・・なんて、えっと、伊南川とは仲良くしてる?ケンカなんてしてたら怒るよ?

・・・ちなみに、私の方はいろんなことになれて来た頃。



あ、そうだ!!私昨日誕生日を迎えて22歳になりました!お酒飲めるんだよ?いいでしょ〜?・・・・でも、2人は・・・二度と、お酒を飲むことは・・・できないんだよ・・・ね?」


私は、そう思うと涙を零していた。


私は涙を止める事が出来なかった。


ここは霊園。私の他にも泣いてる人たちは少しいるが、多少回りがざわついてきた。



<本多、泣くなよ!>


「え?」


私は、空耳かと思った。けど、


どこからか、懐かしい声が聞こえてきた。


「にし・・・だ?   !西田なの?」


<本多・・・!>


「西田・・・どこ?見えないよ・・・」

私は、声のするほうに手を動かして・・・触れないけど、見えないけど・・・とりあえず、肩に手を置いているつもりで手を止めた。


「西田ぁ〜〜!」


・・・危ない人だ。確実に危ない人だ・・・私は心のどこかでそんな事を思っていた。だが、今はそんなの関係ない・・・。


西田に会いたい、会いたい、会いたい!!!



その想いが通じたのか、また西田の声が聞こえてきた。聞いてると、心が癒される・・・昔と変わらない声が・・・。


<本多、泣くなって・・・俺や、もちろん伊南川だって心配してる・・・だから、泣くなっ俺達を心配させる気か?>


西田の・・・声だぁ・・・。

私は、心が軽くなった気がした。


「うん、私・・・もう大丈夫・・・だから、もう心配しないで?」


中学時代からとまっていた歯車を私は再び回し始めた。そんな私からは自然と笑みがこぼれていた。それを見て、西田は安心したのだろう・・・


<もう大丈夫・・・だな?>


そう言って、西田は往ってしまった。


その時だけ、私は一瞬西田の姿が見えた・・・・そんな気がした。



《西田・・・》


私は、霊園を後にした。そして、西田と伊南川両名の様々な思い出を思い出していた。






《初めて、男子とケンカした相手が・・・伊南川だった。




西田との思い出は、全部私の宝物だよ・・・》








私は忘れない・・・。もちろん、伊南川と西田・・・2人の事もだけど・・・






西田の為に本当の事を調べようとした事・・・

伊南川と・・・・ほんの少しだけ心がつながった事・・・
















そして、












































君の為に、私が戦った事を

これにて、終了です。ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!!

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