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Prologue
私と村雨の関係をなんていうのか、私にはよく分からない。
恋人ではない。
体の関係はあるけど、セフレって言葉で表される何かとは違う気がする。
じゃあ友達かって聞かれたら、返す言葉に詰まってしまうんだろう。
ずっと、教室の中にある感情が世界の全てだと思っていた。
喜怒哀楽、友情、恋慕、競争、尊敬、劣等感、嫉妬。
でも私の体に落ちる村雨の汗を、そんな言葉一つで表すことはできない。
誰も知らない私達のことを誰かに説明する必要はなくて、だからこそ名付けられないこの関係を壊さずにいられるのだと知るのは一体何時--------。