表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロード  作者: すずたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/11

第7話

『故障……は、発生。戦闘持続……可能。直ちにターゲットを排除します……』

 オルノ十一号は木々を破壊しながら、なんとか機械音声が聞こえるところまでぶっ飛び、左ローラー部分は完全に破壊され、球体の中心部分まで届きかけた傷痕が残った。

 しかし、回転は止まない。

 更にこちらに向かって来ている。

「くそ……。じゃあ、もう一発……って、あれ?」

 だが、オルノ十一号はその場でぐるぐると回り始めた。

『ターゲット……多数確認……訂正、敵数不明……危険、危険……』

「どうしたオルノ十一号!!」

 地下警察も事態が分かっていないらしい。

 もしかすると……。

「これが……私の能力……」

 の筈だ。

 攻撃した敵に何か……幻覚の類いでも見せているのだろうか?

「もういい!! クソッタレが!! 撃ち殺してやる!!」

 すると地下警察三人組が銃を向けて来た。

 でも、そろそろうっとうしいので。

「邪魔なんだよ」

「え?」

 地面を強く、踏みこみ、一瞬で那奈は地下警察官の目の前に現れ、いつも指示を出す地下警察官の右腕を掴み、そのまま那奈は回転。

 勢いを付けたところで残りの二人にコイツを投げつけた。

「ぬおぉぉぉおお!!」

 そこ警察官は悶絶の声を上げ、残りの二人にぶつかった。

 そして、地下警察三人組は倒れて、伸び上がっていた。

「お、おのれ……なっ、なんだ! やめろ、やめてくれ!」

「……やっぱり幻覚が見えてるわね。コイツら」

 地下警察三人組に歩みより、眺め下ろす。

 その三人組はどうやら幻覚が見えているようで、叫び声をあげながらのたうち回っている。

 オルノ十一号も回転を止めないし、那奈の能力は“攻撃した相手に幻覚を見せる”ものらしい。

「ふぅ……でもこれで終わりよね。さぁ、一旦隠れないと……。! 東矢!!」

 敵を放っておき、後ろを向くとそこには地面にうずくまる東矢の姿があった。

「あ、あはは……無理しすぎたみたいだ……」

 無理に笑みを作るが右脇腹を抑えていて、明らかに不味そうな状況に見える。

『右脇腹……確かそこって銃弾がかすった場所じゃなかったかしら……!? 待って確認するわ!』

 マイノの声がポケットから広がる。

 右脇腹……そうだ。

 地下警察三人組が撃った弾丸の一つが、東矢の右脇腹をかすったのは事実だ。

 その後、血が止まらなくなっていたのを覚えている。

 しかし、血は今、止まっている。

 どこか途中で止まってくれたのだろう。

 とはいえ、無理をし過ぎて傷が開いたのか、それとも途中からは良くなっていたが、戦いが終わり、今までの反動が来たのかもしれない。

(私の……せいだ)

 無理をしていた事を気づけるタイミングはいくらでもあった。

 それに弾丸がかすったのは那奈が家から直ぐに逃げなかったからだ。

 全て己が悪い。

「那奈……」

「東矢!」

 なんとか東矢はこちらに顔を上げ、笑顔を見せてくれる。

 そして、那奈は東矢の前に駆け寄り座り込んだ。

「ごめん……私のせいで……」

 すると東矢は首を横に振った。

「いや、違う。悪いのは俺だ。もっと動けていれば……こうはならなかった」

「違う!! 地下警察官が家に入った時、東矢の足枷になっていたんだ!」

 ぼろぼろと涙を流す那奈。

 こんなに泣くのは両親が殺された日以来かもしれない。

「そもそも、俺が那奈の家でやり過ごそうなんて考えないで、那奈を巻き込まず、一人で動けばよかったんだ……悪く……ない……さ」

 東矢の目が閉じていく。

「嫌だ! 死なないで!! 花巻真に復讐するんでしょ!!」

 必死に何とかしようと東矢に呼び掛ける那奈。

 しかし、東矢の意識は遠くなっているように見えたその時。

『那奈、聞こえる!? 東矢くんの傷に塗る薬があったわ!』

 ──マイノの声がポケットから再び広がった。

「え……? 本当?」

 驚いた瞬間、目の前に一本の瓶が現れる。

『あたし、実はあなた達を見つけたのはちょうど、東矢くんの脇腹に銃弾がかすった瞬間なの。だから、薬がないか確認しながらあなた達に指示を送っていたのよ。よかった……その薬を右脇腹に塗れば東矢くんは回復する。でも地下警察に気を付けて。もうすぐそこまで迫っている』

「ありがとう……マイノ。でも、すぐそこって……隠れる場所は今から探しても間に合わない……!」

 そうだ。

 ここにはとんでもないほど戦いの痕跡が残っている。

 ここは残念……と言うべきか、地下警察は優秀だ。

 素人の逃げ隠れでは直ぐに見つかってしまう。

 それにいくら開花水のお陰で身体能力が上がり、逃げ切れるほどのスピードがあったとしても、東矢の傷に薬を塗りながら逃げるなんて芸当を那奈は持ち合わせていない。

『那奈、大丈夫よ。いい隠れ場所へのルートを知っているわ。ナビゲートしてあげる。さあ、東矢くんを抱えて!』

 しかし、マイノはなぜかは分からないが逃げることに関しては自信満々でこちらも本当に逃げきれるのではないかと思ってしまう。

 まあ、他に頼れる人物もいない。

 東矢の命の灯火も消えかかっている。

 ここはマイノを信じ、逃げることにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ