表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

挨拶

作者: kii


こんにちは






あっ

ビスケットが落ちた







間に合わなかった

拾えなかった








はたして

拾えたのだろうか


拾われた方がいいのではないかと思った


でも拾いたかった

拾わなければいけないと思ってしまった



私はその時そう思った












「こんにちは。」



「今日、隣に引っ越してきたものです。」



「良ければ、どうぞ。」



急に見知らぬ人が話しかけてきた

私は何を思ったか受け取ってしまった

ここは公園でありこの話し掛けて来た人物は

紛れもなくおかしな人である

しかし何故か受け取ってみたくなってしまった

毎日毎日同じ事の繰り返しにうんざりしていたのか

何か変化があるかもしれないと思ったのか

正直分からなかった


「受け取ってくれてありがとう。」


そう言って見知らぬ人は去って行った


そういえば

隣と言っていたのにどこに行ったのだろう




しかし考えても答えは出なかった











「こんにちは。」



今日も同じ人がやってきた


まだおかしな人と思ってはいるが

挨拶されるのは悪い気がしない

そう思うとこの人の事が少し気になった

おかしな人から不思議な人に変わったのである


何故挨拶をするのだろうか

会って間もない他人に対して


少し考えると1つ頭に浮かんだ

この人は誰に対しても挨拶をするのであろうか

挨拶をする事は悪い事ではないが

誰彼構わずというのは少し違う気がする

しかしこの不思議な人は

誰彼構わず挨拶をする人なのだろう

やはりおかしな人だ











「こんにちは。」

「こんにちは。」

「こんにちは。」




最近何故だか分からないが

おかしな人が増えて来た

前居たおかしな人が増えたのだ

もちろん別々の人であるが

まさに増殖したようである


少し気味が悪い


前にも言ったが

全くの他人であり挨拶される義理はない

だが何故だろう

少し挨拶をする気持ちが分かる

かもしれない


私はただ公園に居るだけなのに

もしかすると私の今まで出会った人達がおかしい人であり

それに慣れ私がおかしい方なのかとも考えた

本当はここに居る人達が多数派であり

誰彼構わず挨拶をするのが

普通で健全なのかとも思ってきた




いやいや

そんな事は無いだろう

しかし良く見ると大人が多い

子供は全くと言っていいほど挨拶しない















ん?









何故挨拶されるべき側に浸っているのだろう

あれだけおかしな人達と思っていたのに














そういえば

私はいつからここに居るのだろう

呼吸「。」も忘れて



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ