15/40
侵入者
アストが家を出てからわずかに一分ほど後。
彼の家の玄関を開ける者があった。
その者はアストの二階建ての家の中を見て回り、一通り物色してから、階段の下にある、まったく使われてなさそうなクローゼットの中に隠れてしまった。
夜中。
上の階で物音がしなくなったあと、昼間に階段下のクローゼットに侵入した者は、音もたてずにクローゼットの中から出てくると、二階にあるアストの寝室へと忍び込もうとした。
ドアを開ける際には極力音がしないよう、ドアノブをゆっくり、ゆっくりと回した。
そうしてドアの回転の音もさせないよう細心の注意を払いながら、アストのもとへと忍びよった。
アストは小さな寝息をたてている。
外からは月明かりがアストの寝顔と、そばに置いてある水晶玉を照らしていた。
水晶玉はちょうどひとの手のひらにおさまるサイズだ。
思ったよりも小さいそれを見て、侵入者は槍を頭の上にかかげた。
そして、それを素早く下ろした。




