大好きな君と・・・
アクセスありがとうございます!
息抜きで書いた短編です!
暇つぶし感覚で読んでいって下さい!
突然だけど僕は、花村 海斗って言います。最近高校一年生になりました。そんな僕には物凄く可愛い幼馴染がいます。名前は、斉藤 綾香です。
それはもう本当に可愛いです!彼女の仕草一つを見るだけで心がキュンキュンします!
聞いてもらって分かる通り、僕は綾香の事が好きだ。大好きだ!
綾香とは小さい頃からの付き合いで、いつも一緒にいた。幼稚園の頃にはお互いに結婚しようと約束したほどだ。綾香は昔から可愛かったが年齢が上がっていくにつれて可愛らしさに磨きがかかっていった。綾香とは同じ学校に行ける事になった時は本当に嬉しかった。綾香も高校生になってから可愛らしさの中に大人の魅力も持つようになり始め当然の如くモテた。
毎日誰かしらに告白されている、今日はサッカー部のカッコいいキャプテンに告白されたらしいが断ったみたいだ。
何故そんなタイムリーな事が分かるかというと現在彼女が隣にいるからだ。綾香自身から教えてもらった。
綾香とは毎日登下校を一緒にしており、僕はこの時間が好きだった。学校では綾香は人気者でいつも周りに人がいて、冴えない僕が近づくことは愚か話しかけることもすらできない。なので、こうして二人きりの時間はとても嬉しいのだ。綾香もそう思っていてくれたら嬉しいと思いながらも実際どう思っているか聞くのは怖く聞けないでいる。
このチキンな心が恨めしい!
そんなある日、いつも通り綾香と帰ろうとしていると後ろから誰かに声をかけられた。
「少しつら貸せよ」
声を掛けてきたのは最近綾香に告白したサッカー部のキャプテンだった。綾香は今日、日直でまだ来ないので少しならいいかと思い彼についていった。
人が全くいない体育館の裏に着くと
「お前綾香に近づくのやめてくれないか?」
いきなりそんな事を言われた。何を言っているのか分からず首を傾げると
「だ〜か〜ら〜、俺の綾香に近づくなって言ってるんだ!!!」
もう一度、言われても意味が分からなかった。本当に彼は日本語を喋っているのかと疑問に思った。
「何を言ってるんですか?失礼かもしれないですけど先日綾香に振られた人ですよね?」
「おっお前は何を言ってるんだ!俺は振られていない!」
彼は振られていないと言っているが、僕は綾香本人から聞いているのでどっちを信じるかと言ったら綾香の方を絶対に信じる。なので
「綾香からは、誰とも付き合ってないって聞いているけど?」
「それは、お前に言うのは恥ずかしかったから嘘をついたんだよ!!」
その可能性もあるかもしれないと思ったが、綾香が僕にそんな嘘をつくとは思えなかった、どっちかっていうと、報告してくると思うのだが、彼がいうには嘘をついているらしい。
「でも、なんで僕に近づくのをやめろと言うんです?」
俺は疑問に思ったことを彼に聞くと
「当たり前だろ!!綾香に彼氏がいたらお前が近くにいるのはおかしいだろ!お前頭おかしいんじゃないのか!?」
自分から、綾香の彼氏ではないと暴露しているが僕はそんな事は気にならず彼が言ったことが頭の中でコダマした。
(そうか、いつまでもずっと一緒にいれる訳じゃないんだ・・・綾香が他の誰かと・・綾香の隣に僕以外の男が・・)
綾香が今まで誰とも付き合わず、僕と一緒にいてくれたからこれからもずっと一緒にいられると、勝手に思っていたがこのままだといつか綾香にとっていい人が現れ離れなくちゃいけないと思うと心が締め付けられるような痛みを感じた。
今の心地よい関係が壊れるのを怖がり、一歩を踏み出せないでいたが綾香と離れなくちゃいけない方が怖いと思った。その光景を思い浮かべてしまい体から血の気が引いた。これまで何も行動を起こさず綾香が告白されるのを見ていたが急に怖くなった。このままだと、誰かと付き合ってしまうんじゃないかと。
僕はすぐにでも綾香に会いたくなり、この場を離れる事にした。
「ごめん!綾香のところに行かなくちゃ!!」
僕は走り始めると、後ろの方から
「怖がらずに一歩を踏み出せ!!」
「うん!!」
僕は反射的に返事をして、綾香の元に向かった。
廊下を走っていると、誰か声が聞こえた。俺は気になって中を覗くと一人の男子生徒と綾香がいた。状況的に告白の現場だと分かった。
「斎藤綾香さん。あなたの事が中学の頃から好きでした!僕と付き合ってください!!」
どうやら、彼は同じ中学の子だったらしく綾香に告白した。俺は、結果が気になり綾香の次の返答がくるまで物凄く緊張した。きっと、彼よりも緊張しているだろう。心臓が爆発しそうなほど脈うっていると
「ごめんなさい。あなたの気持ちに応えることはできないです」
「・・・そうですか。分かりました。答えてくれてありがとうございます。ちなみに、理由とか聞いてもいいですか?」
「単純な事ですよ。昔からずっと好きな人がいるんです。私は、彼から勇気を出してもらうのを待っているんです」
「・・もし、もしですよ。その彼がずっと勇気を出さず告白してこなかったら?」
「それでも私は待ち続けます。もしかしたら、待つことができずに私から告白してしまうかもしれないですが」
「そうですか。それじゃあ、僕はこれで」
男子生徒は、教室から出て一瞬こっちを向くと廊下を走って行った。下には涙の跡が落ちていた。それだけ本気で綾香のことが好きだったんだと分かった。
すると、教室の中から
「そこに、いるんでしょ。入ってきたら?」
バレていたのか綾香から声がかけられた。
「バレていたんだね」
「そりゃあ、あれだけ凝視してたら嫌でも気づくよ」
「そう」
いつもなら続く会話が、今だけは続く事ができず止まってしまった。
「聞こえてた?さっきの話」
「うん、聞こえてた。綾香好きな人がいたから今まで誰とも付き合っていなかったんだね」
「そうだよ。・・・昔からずっと好きだった」
俺はその言葉に胸がズキリと痛んだ。その相手が僕だったらいいなと思うが、違う可能性もある。がしかし、このまま何も行動せず思いを伝える事もせずに後悔するぐらいなら思いを今ここで伝えようと決心した。
「あっ綾香!」
「なに?」
もう心臓がバクバクだ。さっき告白を見てる方が緊張していると言ったがあれは撤回しよう。完全に告白する方が緊張するし勇気がいる。
「綾香とは、もう長い付き合いだよね」
俺はヘタレて、いきなり告白をする事ができなかった。
「綾香はさ、昔から可愛かったけど今は前より可愛くなってるし、大人の魅力も持つようになったよね。高校に入ってからよく告白されてるのも知ってる。これまでずっと一緒だった。・・・だけど、それが永遠に続かないと今日気づいたんだ」
綾香は俺の話を黙って聞いてくれていた。
「怖くなったんだ。綾香の隣に僕以外の誰かがいるのが。怖がって何も行動せずに後悔するぐらいなら!!」
「斎藤綾香さん。・・・・好きです。付き合って下さい」
「・・・・・」
僕は、とうとう告白した。告白がこんなにも大変だなんて知らなかった。もしダメだったらと思うと頭が真っ白になり何も考えていられない。緊張のしすぎで、足がガクガク震えている。
手をとってくれたら嬉しい、けどもしかしたら・・・
「・・ぃょ」
シンっとして教室の中で微かに、綾香の声が聞こえた。極度の緊張からか何て言ったか聞こえず伏せていた顔を恐る恐るあげると
綾香は涙を流していた。
僕は、もうパニック!こういう時考えはネガティブな方にいきやすいのか涙を流しているのはそれだけ嫌なんだと勘違いしてしまった。
「ごっごめん!綾香!そんなに嫌だったなんて!」
僕は慌てて、教室を出ようとすると
「待って!」
綾香から、声をかけられて止まると
「違うのこれは悲しい方の涙じゃなくて・・・・嬉しい方の涙だから」
僕は一瞬何を言っているのか分からなかったが、次第に綾香の言った意味が分かってくると顔が熱くなった。
「えっちょっそれって!」
「ふふっもう!慌てすぎ。・・・花村海斗くん」
「あなたが大好きです!!!」
僕はこの時見た、綾香の笑顔を忘れないだろう。
こうして、僕は大好きな君と付き合う事になった
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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あと、良かったら他の話も書いているので読んでいってください!