漫才「なかまにしますか?」
A=ツッコミ B=ボケ
A「どーも○○(コンビ名)です」
B「だそうです」
A「お前もだろ!他人事みたいに言うな」
2人「よろしくお願いします」
A「いやー、最近RPGばっかやってるんだけどさ。RPGってモンスターを仲間にできるシステムあるじゃない?オレ、あれが好きなんだよ」
B「え?あれ、楽しいか?」
A「楽しいじゃん。モンスターを倒したら起き上がってこっち見て、“なかまにしますか?”って聞かれて。仲間にしようかな~って考えるの楽しいじゃん」
B「オレはそう思わないけどな。実際やってみようか?オレが天の声やるから」
A「じゃあオレが勇者ね」
(コントに入る)
A「いやー、どんな敵が出るかワクワクするな!」
B「デビルベアがあらわれた!」
A「おっ出た!」
B「デビルベアの攻撃。126ポイントのダメージ!」
A「うわっ強い!こうなったら必殺!獣斬り!」
B「かいしんのいちげき!デビルベアを倒した」
A「やったー!」
B「そこに、デビルベアの子どもがあらわれた」
A「子ども?」
B「デビルベアの子どもは、母親にしがみついて鳴いている…」
A「え?今倒したモンスター、お母さんだったの?」
B「デビルベアの子どもが起き上がって、悲しそうな目であなたを見ている…」
A「…」
B「…なかまにしますか?」
A「重いよ!なんか思ってたのと違う」
B「どうしますか?」
A「いいよ。悲しくなるから連れて行かない。“いいえ”」
B「デビルベアの子どもは何も言わず去って行った…この先この子にどんな試練が待ち受けているのだろうか?」
A「えっまだ続くの?」
B「親もなく、エサを取る力もない。このままではあの子は、餓えて倒れるのみ」
A「そんな!オレは何てことをしてしまったんだ…」
B「…と、こうなるかもしれませんが、なかまにしますか?」
A「えっ可能性の話!?」
B「どうしますか?」
A「“いいえ”はダメか。でも“はい”にして大丈夫かな。うーん…」
B「あなたがためらっていると、空から黒い影が」
A「何で話進めるの?」
B「時間切れです。あなたは“決断しなかった”とみなします」
A「シンキングタイムが短いよ!ってか黒い影って何?」
B「それは空の王者、サタンイーグル。あっという間にデビルベアの子どもをさらうと、空高く舞い上がりました」
A「えーっ!?」
B「あなたが決断しなかったせいで、小さな命が犠牲になりました」
A「オレは何てことをしてしまったんだ!」
B「…と、こうなるかもしれませんが、なかまにしますか?」
A「また可能性の話!?ってかその“なかまにしますか?”まで戻るの何なの?」
B「あなたの過ちを無かったことにしてあげる、私なりの優しさです」
A「ならお母さんデビルベアを倒す前まで戻せよ!何その中途半端な優しさ!?」
B「で、どうします?なかまにしますか?」
A「もう“はい”しかないだろ」
B「名前はどうしますか?」
A「名前も決めるの?えーっと…」
B「はい時間切れ。デビルベアのベビーだから、デビーで」
A「だからシンキングタイムが短いよ!」
B「あなたはデビーを仲間にしました。デビーはみるみる成長し、頼れる相棒になりました」
A「最初からこうすればよかった」
B「それから1年が経ち2年が過ぎて、3年後。あなたは王様にこう命令されました。デビーを倒せ、と」
A「何があったの!?」
B「最初はおとなしかったデビーも、成長するにつれてモンスターの血が騒ぎ始めました。とうとう市民を襲ってケガをさせ、逃亡」
A「何でこんなことに…」
B「あなたはデビーを探し出しました。どうしますか?“たたかう” “なだめる” “せっとく”」
A「じゃあ“せっとく”」
B「あなたはデビーを説得しました」
A「デビー、今ならまだやり直…」
B「デビーの攻撃!218のダメージ」
A「食い気味に攻撃された!?」
B「どうしますか?“たたかう” “なだめる” “せっとく”」
A「じゃあ“なだめる”」
B「あなたはデビーの好物を出してなだめました」
A「ほら、お前の好きなドングリだぞ」
B「デビーはドングリを叩きつけた。ドングリに92のダメージ」
A「なんでドングリの方がオレより堅いんだよ!?」
B「どうしますか?“たたかう”………」
A「一択!?」
B「あなたは戦いました。デビーの母を葬ったあの技で…」
A「うわぁあ!獣斬り!」
B「かいしんのいちげき…デビーをたおしてしまった」
A「オレは、オレは何てことをしてしまったんだー!」
B「…(非難の目でAを見つめる)」
A「…なんか言えよ!そんな目でオレを見るな!」
B「…と、こうなるかもしれませんが」
A「それやめろ!もうやだ」
B「だから言っただろ。楽しくないって」
A「お前のせいだろ!やってられるか!」
B「じゃあこの漫才、おわりにしますか?」
A「なかまにしますか?みたいに言うな!いいかげんにしろ」
2人「どうも、ありがとうございました」