北の魔王を殺せと言われましたがこんなに小さい子を殺すなんてありえませんね。さぁ!私の胸でお眠りなさい!!
思いつきで書いたので内容が薄いかもです。
こんにちは、私は西の魔王様が納める国の吸血鬼公爵家嫡子のアルフレッド・アレン・ユーシャリンです。
私銀髪に空色の瞳の吸血鬼です。
ちまたではイケメンだの美青年だの氷の貴公子だのと言われて周りには女という女が掃いて捨てるほど湧いてくるほどモテる紳士です。
そんな女になれきった私。ただ今心を奪われて動けないのです、そう、まさに瞬きすら惜しい。
目の前の、目元と鼻先を赤くしたこの可愛い女の子を目に収めることに忙しいのです。
「お、おまえ!だれのきょかをえて、このきたの21代まおうのししつに!は、はいってきておるのだ!!セバスーー!!セバスはどこじゃーー!なんかしらないひとがいるのじゃーー!」
そうベットの上、可愛らしい菫色のネグリジェで小さな体を包み、涙目で紫色の羊を抱えてプルプル震えているのはキラキラ煌めく白髪に魔王の証の真紅の瞳の美少女…いや、美幼女!!!!(おそらく6歳ほどと見受けられる)
王国ではどんな事があっても紳士然とした微笑を浮かべ、絶対に紳士としてのルールを破らない事から、鉄壁の紳士と言われている私がなぜこんなにもいたいけな幼女の私室に無断で侵入しているからというと、時は数日前に遡る。
______
西の魔王国デデルバークの王都デデルバーク魔王城にて謁見の間
玉座に座り足を組み頬杖をついている、輝くばかりの濃い金髪に真紅の瞳を持つ美丈夫。西の22代魔王ヴィンセント・メリ・デデルバークを前に私アルフレットは次の言葉を待ち、跪き、首を垂れていた。
「頭を上げよ、アルフレットよ、騎士団長としての幾度にも及ぶ輝かしい功績我も喜ばしく思う。その功績を汲んでとある命を下す。」
そういうと西の魔王様は豪華な服につけた数多の装飾品をシャラっと鳴らし立ち上がり大きな金の杖を右手に、かつんっと鳴らし杖についたシャンデリアの光を反射する大きなイエローダイヤモンドをアルフレットへ向け声高々に宣言した。
「アルフレット・アレン・ユーシャリンに命ずる。北の魔王を殺害せよ。数日前に北の魔王は代替わりを果たしたが北から感じる魔王の波動が此度は弱いようだ。このままでは北の魔王国は荒れることが予想される。ならば我が西の魔王国に取り込もうと思う。以上だ。任せたぞアルフレッドよ。」
「はっ、畏まりました!」
そういう事でなんやかんやあり西の魔王国の隠密部隊を連れて一番警備が薄くなる時を計らい隠密部隊を城下町で潜ませ私一人で侵入。
そして始めのシーンに戻る。
_____
「セバスぅぅぅぅぅ!!!」
「そんなに叫んだら可愛らしい声が掠れてしまいますよ?後そのセバスとやらは来ないでしょうこの部屋に防音結界を張りましたし城内の方は睡眠魔法で眠っているのでは?」
カツカツと靴を鳴らしながら幼女の眠るベットに近づいてゆく。
幼女はどうやら動揺しているようだ。そりゃそうだ、そのセバスとやらも魔王に使えるだけに優秀な部下なのだろうが、今回眠らせて回ったのは大陸一の隠密と言われる西の魔王国の隠密部隊の隊長だ。しかも皆が熟睡したと思われる深夜も深夜に決行だ。北の魔王も眠っている間に殺してしまおうと考えていたのだが…まぁ、無理なような。てか、愛妻家と有名な北の魔王の嫡子が魔王に就任したと聞いていたんだが…青年じゃないのか?部屋間違えた?この子はその魔王の子供とか?
ベットの前で片膝をつき夜会で令嬢方に人気の王子様スマイルを浮かべる。
…なんかビクッって後ずさられて近くにあったパンダのぬいぐるみ投げられたけど、受け止めちゃった…あぁ、不貞腐れてるほっぺた膨らんでる可愛い…!
「やぁ、夜分遅くに申し訳ないお姫様。失礼ながらお聞きしますが、ここは北の魔王陛下の寝室とお見受けします。北の魔王陛下に急用なのですが、お父上はどこへ行ったかわかりますか?」
そう優しげに伺うと幼女の大きな宝石みたいな瞳から大粒の涙が溢れ出した。
氷の貴公子である私とした事がレディーを泣かせてしまった⁉︎いやだが、泣いてもなんと可愛らしい…じゃなくて!
アワアワしていると更にカメレオンの人形を投げつけられた。…ここは大人しく当たっておこう。
あ、ぽふって言った、柔らかい、威力がない、可愛い。
「パパ…っは!ち、父上はすうじつ……うっうっ…すうじちゅまえに…ひっく…う…う…は、ははうえをおって、おにゃくなりになったのじゃぁ!ばかぁぁ!それくらい知っておくのじゃ!我がたみならみなしってるぞ!しょめんてきにはもう我が魔王じゃが…民への…おひろめは、その父上の四十九日をすぎたら、で…う、うわぁぁぁぁんん!!!」
と泣き出してしまった。
そしてどうやらこのお方こそが北の魔王陛下だった様だ。
…この私に、こんなにも愛らしい幼女を殺せと…?はっ!ありえないな!
私は泣き出してしまった幼女を一切のためらいなく抱きしめた。ベットに乗り上げた拍子に北の魔王を囲っていたぬいぐるみ達が跳ねる。
よしよしと泣く北の魔王陛下をあやし、その柔らかに揺れる雪のような髪に指を通す。あぁ!なんと柔らかでサラサラなんだ!ほのかに香る薔薇の香りがなんとも優美だ!!!
「すみません。不躾なことを伺ってしまいましたね。私西の魔王国デデルバークの公爵家の嫡子アルフレッド・アレン・ユーシャリンと申します。本日は西の魔王陛下が北の魔王陛下にお会いしたいと仰っておりましたことをお伝えに参りました。私はその使者にございます。」
そしてあなたの将来の旦那様であります!!!!!
あ……すみません。嘘です。調子に乗りました。
「ふぐっ…うっうっ…確か西の魔王はヴィンセントとやらだったか。父上がまだとしわかいのにしっかりしているとおっしゃっていたな。父上とも文通だとかさけのみなかまだとかなかよしとうわさできいたぞ。」
「そうですね。たしかに彼の方達はとても仲が良かったように覚えています。」
そう、だからこそ何故そのお子を何故殺すのかと……いや、分かっている。あの方が魔王である限り魔大陸にいる民には平和に暮らさせないといけないのだ。上に立つ魔王が圧倒的強さを持っていなくては民が下克上するやもしれない。戦争を仕掛けられるかもしれない。
だから、西の魔王様は属国に迎えるか征服し策と取るつもりなのだろう。
北の魔王は、死んでしまったから。…と、病気に見せかけて。
色々考えていると、腕のなかの幼女の体から力が抜けた。
まさか締め殺してしまったかと中を覗き込むと落ち着いた寝息が。
そして…そして!なんのサービスかローブの中の騎士服を小さな手で掴みハムハムと服を食べている!
ちっちゃい!可愛いい!!殺人的に愛らしい!
は!(鼻に片手を当てる)あ、よかった鼻血出てない。
「…ぱぱ…ぱぱ…レナには…みゃだ…無理だよ……お…きな、このくにを…たくさんの…たみを……まもるには………。」
ぐぅ…くそう、なんと泣けるのでしょうか!私こんなに泣いたの赤子の時以来です。どんな観劇を見ても欠伸は出ても涙は出なかったのに!
なんと可愛そうなんだ!もうこれは私が守ってあげるっている選択肢しかないですね!大丈夫です!この私西の魔王陛下をなんとか説得してみせます!
そう心に誓い名残惜しいと唇を噛みながら北の魔王陛下をベットに寝かせ北の魔王城センアーリア城を脱出したのでした。
さて、ここから大変ですね。西の魔王陛下をなんとしてでも北の魔王陛下に会いたいと言わせてその使者役を私にさせて、そして日々色々と頑張ってる褒美に私の婚約者をこの北の魔王陛下にしていただくのです!!!
その暁には、尊い北の魔王陛下のお名前をあの花弁のような唇で教えていただくのです。
____
朝、北の魔王の寝室にて
「陛下…陛下…おはようございます。」
朝、目が覚めて、メイドに一つ鮮やかな微笑みを浮かべ挨拶をする。その笑顔を見ると羊のメイドはいつも恍惚とした笑顔を浮かべるのだ。女なら鮮やかな笑顔、男なら無邪気な笑顔、相手により笑顔を変えるのはパパゔっゔぅん!父上の教えじゃ。(キリッ)
朝の支度をして貰いながら私は窓の外を見る。青々とした快晴の空に飛竜達が飛んでいる。あれは黒の竜だから第一騎士団のものか。いつもよりも騒がしいな。
「昨夜何者かが侵入したかもしれないそうです。」
「そうか」
そう答えつつ寝ぼけた頭を回転させ。いや、違うだろと頭の中で突っ込んだ。
昨夜我が寝室に突撃してきたあの男目覚めたばかりの頃は夢かと思ったが現実だったのでは?
使者と言っていたが実は盗賊か暗殺者だったのかも知れぬ。
まずおかしいのじゃ、あの程度の知らせなら急用じゃないだろう。日程も決めずに帰っていったし。
間違いなく凄腕の暗殺者だったと予想される。じゃが、我を見て情でも湧いたか利用価値でも見つけたかで暗殺決行を中止。適当な嘘をついて帰った。
だろう。
にしても、西の魔王陛下の名を出して公爵家の嫡子の名も出すのや流石にやりすぎじゃろう…
西の魔王から仕向けられたのかのう…まぁ、仕方ないの。
暗殺の目的は、まだ我が魔王としての力が弱いから。このまま成長を待っていたら国が荒れてしまうものな。
小さ魔王はちゃんと分かっているのだ。
コンコン「セバスです」
執務室で待つよう促すと羊の我専属執事のセバスが隣の執務室に入った気配がする。
セバスは私が生まれた頃からまるで本物の孫のように可愛がってくれた者だ。
私は豪華で煌びやかなエンパイヤライのドレスに様々な装飾品を飾り北の魔王の証であり北の魔王しか持てぬ先端に大きなダイヤモンドのついた黄金の杖をしっかりと握り最後に真紅のマントを羽織りセバスのいる執務室に入った。
齢 たったの6歳の北の魔王陛下の仕上がりである。
「急なのですが明後日西の魔王様がこちらをお忍びで訪れ謁見したいとの申し付けがございました。使者はもう会ったとの事でございましたが…」
意見を求めセバスがこちらを伺ってくる。そうだな、セバスは合っていないな。
やはり昨夜の暗殺者は西のの差し金が。
「西のの使者は来たよ。たまたま城下町に抜け出していたときにあったからさっとカフェで打ち合わせをして帰らせた、なかなか対応力のある男だったよ」
さらりと自分でも意味が分からないが嘘をつくとセバスは「そうですか」と言った後怒り出す。またかってに城を抜け出したのかと。彼は私の嘘に気づかない。魔王の言葉は絶対だから。
その小言を聞き流しながら空を眺める。
雲ひとつない澄み渡ったあの空は、まるで不躾にも我の寝室に入り込み、抱きしめ、優しく頭を撫でてくれた男の瞳のようだった。
その頰が密かに薔薇色に染まったのに気付くものは、ただの一人もいない。
ありがとうございました!!