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57 戦い終えて

 ヤスコがAKB47パルスライフルの安全装置セーフティーを解除し狙いを定める。

 カチっという音の後、『チュン』という音と共に放たれた光線は空中をまっすぐに走り、ジリジリとこちら側に距離を詰めていた一匹のゴブリンの頭部を撃ちぬくと、そのまま崩れ落ちるように倒れた。


 攻撃されたことを契機としたのか、ゴブリン達は何事かを叫びながらそのまま突撃してくる。

 両者の距離はドンドンと狭まっていくがヤスコに焦りの色はなく淡々とパルスライフを構え、そして狙撃していく。

 ってヤスコにだけ任せてないで私も攻撃しないと……。


 ヤスコが次々とターゲットを移しながら相手の頭部を撃ちぬいていくのを横目に、私も最も勢いよくこちらへ駆け出してくる個体に向けてペレッタF92リフトガンの引き金を引いた。

 発射と同時に徐々にスピードと増した弾丸はほぼ最高速度でターゲットの胴体に着弾したその瞬間、大きな爆発音と共に胴体が真っ二つになり周囲に体の破片がばらまかれる。


 うわぁ……、気持ち悪い……。

 そのあまりのスプラッタな光景に私は一瞬目をそらしつつも次のターゲットに照準を合わせ引き金を引く。

 先ほどと同じように加速した弾丸は最も後方にいるゴブリンに着弾すると頭部がまるで花火のように破裂する。

 噴水のように吹き上がる血と風と共に漂ってくる嫌な臭いが再び私の気分を悪くさせた。


 仲間の体が爆発するのを呆けたように見ていたゴブリン達だったが、意識を取り戻したように何事かを叫ぶと反転し逃げ出そうとするが、それを見逃すようなヤスコではなく次々とゴブリンは倒されていった。


§ § §


 死体が嫌な臭いを漂わせる中ヤスコがゴブリン達の死体を調べて回っていた。


「何をしてるんですか?」


 その行為に疑問を抱いたのかエリンとミーナはヤスコに近づくと声を掛ける。


「はい、何か有用なものをもっていないかと思いまして、もしよかったら手伝ってくれませんか?」


 その言葉に一瞬驚愕の顔を浮かべたエリンだったが「はい、わかりました」と返事をし同じようにゴブリンの死体を調べ始めた。


「エ、エリン様!そのようなことはなさらなくても……」


「ミーナ、私はヨシコ様とヤスコ様にこの身を対価に願いをかなえていただきました。この身はもう私の物ではないのです。この程度の事はどうという事はありませんよ」


 そう言いながらヤスコと同じように死体の懐をあさり始めたエリンを見てミーナも慌てて同じように死体を調べ始める。


「ミーナ、貴方は無理してこのような事はしなくてもよいのですよ?これはあくまで私の仕事なのです」


「い、いえ!エリン様だけにこのような事はさせられません!私もぜひやらせて下さい!」


 内心はどうあれ、嫌そうな顔をせず死体を調べているエリンと対比するように、とても嫌そうな顔をして死体を調べているミーナが、死体から武器や貨幣が入った袋などを見つけ出し一箇所に集め始める様子を、私はただ眺めているだけだった。

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