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52 堕ちた英雄

「では、説明させていただきます。ご質問のあった鉱物資源ですが、この領地では鉱物資源はあまり多いといえません……。それなりに量が取れるのは銅ぐらいですね」


 エリンが詳しく説明する前、ヤスコに「何の資源がほしいの?」ということを聞いてみたのだが、「クロムやモリブデン、ケイ素、マンガン、チタン、あとはトリチウムが最終的に不足する可能性があります」と言われてしまった。


 ……よくわからないけれど、どれもあまり聞いたことのない鉱物だっていうのは分かるわ……。


「そうですか……想像はしてましたが私達が求める資源はこの領地にある可能性は低いですね、この領地外の他領や他国はどうなってますか?」


「申し訳ありません……他国については地理程度しか……」


「エリンが知っている範囲で構いませんよ」


「わかりました、ではこの板に記述します」


 エリンはどこからか用意してきた木で造られた黒板擬きに炭のようなチョークを走らせる。


「それでは私が認識してる地域を描いていきます」


 エリンはそう発言すると黒板擬きにかなり端折っていると思われる地形を記述していく。


「まずここが私達のいるフォーセリアです。そしてわが領地の東~北~西と囲むように広がっているのはヨシコ様、ヤスコ様とお会いした古の森です。そして私達の国の宗主国に当たるのが南側にあるハイエルフ達が集うキュエルラスという大国です。この国は戦乱がおき女王が討たれたと聞きました」


「戦乱?」


「はい、これはフルト叔父が反乱を起こしたことも密接に関係するのですが……。元々は父上とフルト叔父の間で援軍を出す、出さないで意見が割れた事が原因です」


「なんか以前にもそんな事を言ってましたね」


「えぇ……、父上は援軍を出すべきというお考えでした。私達の家系を遡れば古くはキュエルラスの王族ともつながるようです……。フルト叔父は敵は強大であり援軍は出すべきでは無い、という考えでした」


 ヤスコは「そんな話でしたよね」と頷くと先を続けるように促した。


「戦乱を引き起こしたのはアーサー・ペンドラゴン……。『堕ちた英雄』と呼ばれている人物です」


「堕ちた英雄?」


「はい、アーサー・ペンドラゴンは多くの人が崇拝するパラディンであり英雄の一人でした……。しかし、いつのころからか、闇に飲まれてしまったのです。そして国主でもある自らの父を殺しデスロードとなった彼と彼に付き従う闇の軍勢は次々と周りの国を併合し、そしてキュエルラスへも侵攻しました。そして殺害したキュエルラスの女王をバンシーとしてよみがえらせ、自らの奴隷としていると伺っております」


 なにそれ?闇の軍勢?バンシー?そんなのがいるの?

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