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12 裏切り

「一体何ごとなの?」


 突然の警報に驚いた私はヤスコに問いかけると思いもかけない返答が帰って来た。


「ジュピターが……ジュピターが攻撃を受けています!」


「そんな……敵艦隊?いったいどこから!?」


 このあたりの宙域に敵艦隊はいなかった……。いくら気が緩んでいたとはいえ索敵は怠っていないわ。敵艦隊から攻撃を受けるなんてありえないはずよ。


「敵ではありません!味方です、味方の艦から攻撃を受けています!」


 その報告を受けて、私は言葉を失う。


「お姉様見てください。ジュピターが……ジュピターXー06が撃破されました……」


 スクリーンには私の船から一番近い所に停泊しHDPハイパードライブポータブルの展開準備に入っていたジュピターXー06が味方の複数艦から攻撃を受け轟沈する所が映しだされていた。


「そんな……」


 攻撃を受けているのはジュピターXー06だけでは無い、HDPハイパードライブポータブルの展開準備をしていたほぼすべてのジュピターが何らかの攻撃を受けているようだった。


「おそらくスパイの仕業でしょう……味方艦隊の中にCBC/RUS連合のスパイが入り込んでいて、こちらのHDPハイパードライブポータブル展開を阻止しようとしてると思われます」


「これはかなりまずいわね、援護しようにも敵味方の区別がつかないわ……」


『おぃどうなっているんだ?味方艦から攻撃を受けているぞ!』


『やめろ!俺達は敵じゃない!』


『迎撃しろ!あの艦はCBC/RUS連合のスパイだ』


 様々な通信が入ってくるが皆一様に混乱してる様が見て取れ、中には叫び声に近い声でひたすら救援を求める声もする。


「お姉様……この船だけで単独でHDハイパードライブしましょう。……幸いギルド上級幹部であるキリトから撤退指示を受けています。ここでお姉様一人で撤退してもギルドへの言い訳は立つはずです」


「味方の救援を求める通信を無視して撤退ね……」


「はい、現状ではそれがベストでは無くてもベターな選択のはずです……。こちらでこの様なことになっている以上、後方で遅滞行動に出ているキリトの艦隊も無事だとは思えません、同じようなスパイの攪乱を受けていると思われます」


「そうね……」


「もしキリトの艦隊が壊滅してしまえば敵艦隊はこちらへとやってくるでしょう、そうなれば……」


「そうなる前に……。脱出は今しかないって事ね……」


 私の言葉にヤスコは頷く。


「わかったわ。ヤスコの言う通りね……。HDハイパードライブの準備をお願い」


 私は自分の船を逃がすために単独でHDハイパードライブをすることに決めたのだった。

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