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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
96/346

ルーツ

「――、―――!」


 むぅ……温かい……

 

「氷―!―き――ば!」


 ふぁ~朝か……

 

「氷河、起きたね……?」


 フィアが人型サイズで俺に膝枕をしている。

 それは良いんだがその首に付けてるのって、昨日多めに買ったチョーカーじゃん。

 なんで付けてんの?

 

「……わ、わん!」


 ……可愛過ぎか。

 

「きゃっ! ちょっと氷河!」


 おっといかん。朝一でこんなの見せられて、ついつい抱き締めてしまった。

 見せられてと言うか魅せられて。

 まあ、大精霊のルーツとしては間違ってないんだけどな。

 俺もフィアもそのつもりは無いけど。

 大精霊が人のサイズになれるのは人間と交尾する事が元々の目的だ。

 精霊は優勢遺伝子だから精霊が身籠ろうと、人間が身籠ろうと生まれるのは精霊だ。

 そうなりやすくなる為に大精霊が人間サイズ化すると、契約者の理想の姿へと変わるんだ。

 だから大精霊が契約を結んだ相手は『パートナー』な訳だ。

 大精霊と契約する事は強力な魔法が使えるようになるから人間側にもメリットがある。

 全てそれが目的と言う訳では無い、フィアの様に俺を幸せにしたいという理由で契約を結んだりもする。

 でも精霊は写し鏡だ。契約者が行為を望んだ場合精霊はそれを受け入れる。逆に言うと契約者が望まない限りは精霊から行為に及ぶ事は無い。

 故に望んでもらえるよう契約者の希望に可能な限り答える。そう遺伝子に刻まれているのが大精霊だ。

 繁殖のルーツってのはよくできてる。精霊と結ばれた場合子孫は精霊しか残らないが、互いに愛し合っているならそれは一つの形なのだろう。

 フィアにそのつもりは無いが、遺伝子に刻まれてるためか俺の希望に応えたいという欲があるのは確かだ。

 だからここで重要なのは、俺がフィアに惚れなければいいという事だ。

 フィアのツンデレは和むし娘みたいなものだから大丈夫だとは思うが……実の妹に惚れた手前油断はできない。

 まあ流石に精霊製造機にはなりたくないな。水奈にも一度話して置くべきだな。

 シアドに取られでもしたら堪ったもんじゃない。

 

 

 

 朝食を終えて今日の流れを伝える。

 奴隷主は俺と日坂の二人だが、基本的なリーダーは俺となっている。

 情報が異常な程詰まってるから判断するには俺のが良いだろうとの事だ。

 悩み事ばっかだけどな俺。

 

「今日は休暇だ。金を渡すから好きな装備を買って来い。後は自由」

「ずいぶんざっくりとした指示だな」

「個人の時間が取れてないだろ? 少なくとも俺はとれてない。予想より早く金が溜まったから俺は今日物件を見てくる。とりあえず装備を揃えて来い。日坂と神奈とロータス、ラミウムも欲しいのがあれば買ってよし。あとフィサリスもな」

「え~私ご主人様に選んで欲しいな~」

「私氷君と一緒に物件見に行きたい!」


 この自由人共め。

 穂乃香は物件を見に行きたいんじゃ無くて、俺と居たいが目的だろ。

 

「フィサリス無茶言うな。水奈に選んで貰え」

「え!? 私!?」

「ん~……お願いできる? 水奈ちゃん」

「はい! 任せて下さいお師匠様!」


 フィサリスも信者だから問題あるまい。

 

「フィサリス、氷河様はチョーカーがお気に召した様ですよ」

「ラミウム様それホント!?」


 おいこら! 変な事吹き込むんじゃない!

 神奈が冷ややかな目でこっち見てきてんだろうが!

 

「お兄さん……穂乃香がチョーカー付けてる理由って……」

「違うから。穂乃香が自分で選んだんだから。俺が選んだんじゃないから」


 他意は無い。無いったら無い。

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