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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
95/346

魔結晶

 夜になると水奈はやっぱりちょっと寂しいらしい。

 今日も穂乃香と神奈に手を握って貰っているが、俺に握って欲しいようだ。

 水奈ってちょくちょく俺にバレてる事忘れるよね。

 後から思い出して悶えるのが可愛いから良いけど。

 明日は休みにして借家を探しに行くか。今の所持金なら問題ない。

 そしたらまた水奈の手を握ってやれる……穂乃香が来るかもしれないけど。

 現在またしても眠れなかった俺は、屋根の上で穂乃香のグローブ作りをしている。

 リザードマンの皮を千里眼で穂乃香の手のサイズを確認しながら、裁縫スキルで縫って行く。

 大きさを常に細かく知る事ができるので、指の一本一本までピッタリの穂乃香専用オーダーメイド品となる。

 ぶっちゃけこんなの渡されたら普通恐怖だよな。測った記憶ないのにピッタリの手袋出来上がってんだもんな。穂乃香ならむしろ喜ぶんだろうけど。

 穂乃香のグローブにはこれを付ける予定だ。

 

 

 キマイラの魔結晶 MIND+25

 

 

 キマイラを解体した際に出てきたものだ。

 魔石や魔結晶はモンスターの心臓部……核にある。

 魔結晶は中でも魔力の高いモンスターにできやすい。

 俺が倒した中で魔力が一番高かったのはキマイラだからな。

 キマイラの魔結晶だけは売らずにとって置いた。

 この魔結晶を半分にしてグローブの甲にそれぞれ付ける。そしてその上からレアメタルで覆うつもりだ。

 魔結晶を付ける事で魔力が上がる。レアメタルで覆う事で剣などの攻撃も弾ける様にする。メリケンサックの様に指に装飾を付けてしまうと、身軽さが売りである穂乃香の邪魔になりかねない。

 そのため装飾が可能なのは手の甲ぐらいだ。手首も同様の理由から装飾は無しだ。

 レアメタルの加工は今は出来ない。

 火床が無いし夜中に鍛冶するなんて、近所迷惑もいいとこだからな。

 明日の借家探しが終わってから作るとしよう。

 ハッ! スニ―キング!

 

「あれ? ご主人様が居たような気がしたんだけど……あ、居た」


 あっさり見つかってしまった。遮蔽物が無いのに隠れるなんて無理か。

 道具も出しっぱなし出しな……気付くのが遅かった。

 

「ご主人様もまた眠れなかったの~?」

「ああ、まあな。お前もらしいな」

「うん。牢の中に居た時、眠ったら次は目覚めないかもしれないと思って寝ない生活が続いてたからね~。あまり眠らなくていい体質に成っちゃったんだよ~」


 牢に居た時のフィサリスは食事こそ最低限は摂っていたが、衰弱してて屍みたいだったもんな。

 今は食事も充実してるから体型こそ戻ってきたが、生活習慣はすぐには戻らないか。

 

「ご主人様は何してるの? 穂乃香ちゃんの武器づくり?」


 フィサリスは穂乃香を穂乃香ちゃんと呼んでいる。

 フィサリスからしたら穂乃香は6歳年下だからな。

 穂乃香はフィサリスをフィサリスさんと呼ぶ。

 穂乃香にとっての扱い的に日坂に近い。内心ではコイツ呼び。

 

「ああ、グローブを作ってる所だ。魔力の上がるグローブって売ってないからな」


 肉弾戦の拳術を行う者で魔法を扱う者は少ない。

 筋肉馬鹿みたいなのがほとんどだからな。

 魔法との両立は剣術か棒術がほとんどだ。

 弓術と両立するラミウムはレア。ロータスの様に補助的に扱う者が多い。

 

「……ね~ご主人様~。私も武器欲しい~」

「……お前武器無くても十分戦えるだろ」

「そうだけど~……あった方がいいじゃん。何かないの~?」


 何か無いかと言われてもなぁ……今手持ちの武器って……

 

 

 木製の杖 STR+3

 

 

「何これ……?」

「……木製の杖だ」

「魔石ついてないからただの棒じゃん……なんでご主人様こんなの持ってるの?」

「それはまだ所持金が少なかった時に、なけなしの金で買った初めての武器だ。1日しか使わなかったがそれがなきゃ俺は死んでいた。捨てるのもなんだし、初心を忘れぬためにも戒めとして取っておいたんだよ」


 レッドゴブリンにくらった腹パンは今でも忘れない。

 マジで痛かった。

 

「ふ~ん……ねぇご主人様。ご主人様の言う通り私は無理に武器持つ必要も無いからさ、これでも良いよ?」

(ご主人様の初めての武器かぁ)


 え、いや、それ攻撃力3しか上がんないよ?

 他には合計25から30ぐらい上がる奴渡してるのに、お前だけそれって……

 

「罪悪感で俺が死ぬから止めろ、他になんか用意してやるから」

「やだ、私これがいい」


 これがいいって……いやいやいや。

 

「お前にそんな安物の武器持たせてたら、色んな意味で申し訳なくなるわ」


 他と比べて質素って意味でも。元宮廷魔術師筆頭に持たせるって意味でも。

 

「じゃあご主人様が合成して強化してよ。魔結晶は私が取って来るから」


 魔結晶を嵌め込めば……確かに一瞬にして強い武器に変わるけども。

 うーん……木製の杖で持たせておくよりはマシか……

 

「はぁ……分かった合成してやる。魔結晶が確保出来たら俺の所に持ってこい」

「ほんと!? やった~! ありがとうご主人様~! 大好き!」



 フィサリス

 月島氷河 親愛度 80 恋愛度 90

 

 

 下がるどころか上がってるんだよ……

 どうすりゃいいんだコレ……

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