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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
92/346

空駆ける

 日坂への指導をロータスに任せ、俺は神奈の指導に入る。

 

「お兄さん、私は魔法使えるんですか~?」

(魔剣術使って見たいなぁ)


 確かに魔剣術ってロマンだよね。

 でも神奈には残念なお知らせがあります。

 

「お前に魔剣術で使える魔法の適正は無い」

「そんなっ!?」


 地面に手を着いて項垂れる神奈。そんなに使いたかったのか。

 そんな神奈に良い? お知らせがあります。

 

「お前の適正のある魔法は――重力魔法だ」

「重力魔法……という事は空駆ける剣士が出来るって事ですか!?」


 神奈が目をキラキラさせている。夢見る少年かお前は。

 

「正しくは空駆けるでは無く空飛ぶだ。足場がある訳じゃ無い」

「どちらでもいいです! 使えるんですか!? 使えるんですよね! 使い方教えてください~!」


 騒がしい。

 教えてやるから少し静かにしなさい。

 

 

 

「おお……飛びました、飛んでます、飛んでますよ私! わぁ! 空飛べてる~!」


 そこそこ時間が掛かったが無事飛べるまでにはなった。

 飛んでもなおうるさい。

 これで空中戦闘が可能なのが俺、穂乃香、神奈にフィサリスの4人になった訳だ。

 水奈信者の4人じゃねぇか。精霊達も飛べるしな。

 なんだ水奈の信者になれば空が飛べるのか? 

 水奈様が偉大。本人は飛べないけど。

 

「神奈、飛ぶ事が目的じゃない戦術の幅を広げる事が目的だ。その状態で戦えなければ意味がない」

「確かに……これで戦えなければ空駆ける剣士とは呼べませんね。いいでしょう! この美鈴ちゃんが空駆ける剣士になってみせます!」

「……まあ、やる気があるならいいか。ほら行くぞ構えろ」


 神奈と剣を交じ合わせる。

 

「わっ! えっ!? ちょっと――」

 

 神奈が勢いよく落下していく。

 あー痛そう……

 

「いったー……お兄さん! これ踏ん張りが効かないんですけど!」

「空中なんだから当たり前だろ。地に足が付かないからこそ、体に掛ける重力を制御してバランスを保たないといけない」


 何も下へと引っ張られる重力に逆らえばいいというだけの話では無い。

 剣を振れば腕が動き、腕が動けば肩が動く。

 鍔迫り合いで力を込め様なら前傾姿勢になる。

 その箇所ごとに作用させる力と反対向きに重力を加えなければ、体はバランスを崩し最悪落下してしまう。

 空中戦闘って割とシビアなんだよ。

 穂乃香みたいに感覚で制御できるならまた話は別だが。

 

「想像してたよりずっと難しんですけど……」

「そのための訓練だろ? ほら空駆ける剣士になるんだろ。上がって来い」

「……分かりました……やってみせましょう!」


 神奈が再び宙へと上がって来る。

 剣を構えて、再び俺と鍔迫り合いをする。

 今度はなかなか制御出来てるじゃないか。

 でも制御に思考を持っていかれて、隙ができてる様じゃまだまだだな。

 少しひねりを入れて押してみる。

 

「わっ! ちょっと!」


 神奈の制御が乱れて再び落下していく。

 ……あとで回復術使ってやるか。先はまだまだ長そうだ。

 

 

 

 結局今日1日やってみたが、まだ実践で使うには難しそうな感じだ。

 ただあいつ瞬間的に足下に重力を一気に掛ける事で、宙を駆けての移動を実現させやがった。何それかっこいい、俺もやる。

「お兄さん! それ私の!」

「お前のものは俺のもの」

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