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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
91/346

稽古

「では行きますよ」


 ロータスが槍を構える。俺も剣を構える。

 ――っ!

 薄皮1枚首の横をロータスの槍が通った。

 

「……今のを避けますか……」


 思考が読めたから反応できただけだ。

 こいつ身体強化こそしてないが本気できやがった!

 右の剣を振るう。ロータスがそれに合わせて槍を振るう。

 

「っぐ」


 当然攻撃力の低い俺が弾き飛ばされる。

 空中で体勢の保てない俺にロータスが追撃に来る。

 俺は左の剣を腰に構え、片腕で居合術を放つ。

 なんなく避けられ、突きが飛んでくる。

 俺は蹴技で槍を弾こうとするが攻撃力の差が歴然のためまたしても弾き飛ばされる。

 くらわなかっただけマシだな。

 後ろの木に足を着き、体勢を整えて木の枝の上を跳びながら接近する。

 軽業……所謂パルクールと呼ばれる移動術に、暗殺術のスニ―キングも合わせて忍者の様に忍び寄る。

 ……まあ、バレるか。

 でも――少し反応に遅れたな?

 

「はぁっ!」


 避けられる……でも俺には剣が2本あるんだよ!

 

「おらっ!」

「――っ!」


 引きずり出せて防御(・・)が限界か……

 

「やりますね月島様。とてもレベル30未満だとは思えません」

「お前ほどじゃないが格上相手もよくやったからな。そう簡単に負けるつもりもねぇよ!」




 うん。負けた。

 いや、勝てるわけ無いって。

 

「得意の魔法が使えず、思考が読めて、経験は豊富だったとしても、これだけのステータス差があるにも拘らずここまで戦えるとは……末恐ろしいですね」

「よく言うぜ……一発も掠りもせず、これっぽっちも疲れて無いくせに……」

「これでも元近衛騎士団の副団長ですから。私にもプライドがありますので、これだけの差がありながら負ける事など出来ぬのです」


 コイツが本気を出したのは最初の一発だけだ。

 後は俺へ的確に詰みに掛かって来やがった。

 これで身体強化無しって言うんだから、ほんと洒落になんねぇわ。

 

「氷河の動きも相当だが、ロータスさんはそれ以上……上には上が居るって事か……」


 日坂は今の戦いを見てなお、俺に追いつくつもりらしい。

 あぁ、そうだ。お前はそうでなくちゃな。

 隣で見ていた神奈は俺とロータスが同じ人間なのかを疑っている。

 失礼な奴だ。ロータスはともかく俺は人間だ。

 

「日坂、お前の適性の高い魔法は光と雷だ」

「――! ……了解」


 後は自分で覚えるだろう。

 聖剣術なり魔剣術なりの感覚は魔槍術使いのロータスに習えばいい。

 俺から日坂に教える事は何もない。

 俺がこれから教える相手は――

 

(あれと戦えるお兄さんも十分化け物だな~)


 ――俺を化け物扱いしている神奈だ。

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