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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
83/346

価値観

 イエンロードへと向かう。

 方法は空間魔法によるテレポート。これが早いからね。

 国境付近まで一気に飛ぶ。空間魔法での移動は距離が遠いほどMPを使う。

 人が増えれば尚更である。MPポーションが無ければすぐ使い物にならなかったなコレ。

 国境には関所がある。入国、出国に当たっての個人情報の確認だ。

 しかし、俺らのパーティーには王女であるラミウムと、元宮廷魔術師フィサリス、元近衛騎士団ロータスがいる。バレるのはよろしくない。

 そのため、関所も空間魔法で通過させてもらう。

 空間魔法阻害? 国境全てになんて設備されてないよ。 費用高いし。

 イエンロードはブルーゼムとは敵対寄りの中立国だ。

 奴隷アリアリのイエンロードと、奴隷ダメ絶対のブルーゼムは仲が良くない。

 ただ小国であるイエンロードは完全敵対は出来ず、だからと言ってモンスターの強さや、国の情勢などの理由から奴隷制度の廃止も出来ない。

 そんな半敵国であるイエンロードに、ブルーゼムの王女が居ると言うのが知られるのは色々と不味い。

 あまり目立たない様に活動していかなければならない。

 

(ご迷惑をお掛けします)


 気にすんな。

 さて、イエンロードに入国完了。

 新拠点だが、王都はそういった理由から却下。

 だからと言って地方の治安悪い所に行くわけにもいかない。

 村なんかに拠点を置けばこいつらが目立たない訳無いからな。

 よって第二都市に行く事にする。

 初日はとりあえず宿を取るが、8人なんだよなぁ……

 家を借りるか、買うか、建てるか、また洞窟に作るか、検討せねばならない。

 イエンロードの第二都市、ルバークに着いた。

 さて、8人泊まれるそこそこに良い宿は――

 

「てめぇら! また商品盗み食いしやがったな!」

「がっ!」「ひぃっ」


 スラム街に住む子供二人組が、露店のおっちゃんにとっちめられている。

 こういう時うちのパーティーの反応って別れるよなぁ。

 助けようと行動に移すのが、ラミウムとロータス。

 どうにかしてあげられないかと思うのが、日坂と水奈。

 完全野次馬の傍観者が、神奈とフィサリス。

 全く興味を示さないのが、俺と穂乃香。

 興味? ないない。

 

「すみませんが、料金は私が払いますので放してあげて貰えませんか?」

「あんた……俺は別に構わないが、そんな事したって何にもならないぞ?」

「承知の上です」

「貴方達も盗み食いなどしてはいけませんよ?」

「はい……」「ごめんなさい、ありがとうございます」


 こんな事は、これより過激な事だって1日のうちに世界中でいくつもあっている。

 それを一つ一つ気に掛けてなどいられない。

 助ける内容によっては助けられた者が第二、第三のフィサリスとなりかねない。

 それに俺は加害者の事情も、被害者の事情も知る事が出来る。片方に同情などしてやれない。

 今、ロータスに助けられラミウムに諭された子供だって、片方はきちんと感謝しているが、片方は助けるならもっと早く助けろよと思っている。

 所詮そんなものだ。

 

(それでも私は、目の前で起きている事を見過ごす事は出来ません。救えるものは救いたいと思います)


 知ってる。お前はそういう奴だ。

 だからこそ、俺はお前を苦手と評したんだ。

 その価値観だけは――共有出来ない。

 

(……承知しております)


 さて条件にあう宿を見つけた。とりあえず部屋をとっておこう。

 空いてる部屋は全部3人部屋。3人部屋って使いずらくない?

 部屋割は話し合いの結果。

 

 氷河&日坂&ロータス

 水奈&穂乃香&神奈

 ラミウム&フィサリス

 

 となった。まあ、妥当。むさいけど。

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