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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
80/346

写し鏡

 洞窟へと戻った俺は、ラミウムに作って貰っていた朝食を食べる。

 うん。美味い。

 

(ありがとうございます)


 朝食を終え、買って来た装備をそれぞれに渡す……のだが。

 1人……1体……? 1匹拗ねている奴がいる。

 

『つーん……』


 我が頼れるパートナー様だ。

 

『氷河、どうして私の分のローブが無いの? 氷河にとって私は仲間じゃないの?』

「いや、お前自分で服は自由自在だろ?」

『そうだけどそうじゃないの! 気持ち的な問題と言うか、私だって氷河とお揃いの物欲しい』


 と言われてもなぁ……

 フィアをやたら人体サイズ化させる予定は無いし、今の手のひらサイズで可能なお揃いの物って……

 

『じゃあせめて幸福の指輪だけでも頂戴? 腕に通すから』


 それ腕輪ですやん。それもブレスレットじゃなくてアームレット。

 邪魔にならない?

 

「また今度買ってやるよ」

『約束だよ!? 絶対、ぜーったいだからね!』


 そう言ってフィアは水奈の下に飛んで行った。

 精霊と天使が戯れている。和む。

 それぞれに装備を渡して行く。

 ブーツも買った。男性は黒、女性は茶色。

 うん。効率性重視。

 水奈に水色のローブを渡す。選んだのは穂乃香。

 色で並べた時に俺と水奈に穂乃香が挟まれるからだそうだ。ブレねぇなお前。

 神奈にオレンジのローブを渡す。オレンジだけ橙では無くオレンジ。

 日坂に近い色にしてあるが特に意味は無い。色で並べると隣がフィサリス。

 神奈とフィサリスはキャラを作っているという意味では似た者同士だ。

 凄く仲良くなるかもしれないし、同族嫌悪するかもしれない。どちらか一つだろう。

 できれば仲良くして欲しいものだ。人に対する弄り方が似てるから大丈夫だろう。

 ……タッグを組まれでもしたら厄介だ。悪ノリしてラミウムまで加わったらより厄介だ。

 阻止せねばなるまい。こいつらの弄り相手など月島兄妹以外ないのだから。

 ラミウムに黄緑のローブを渡す。これには理由がある。

 黄色はフィサリス、緑はロータス。黄緑はその間。

 

(つまり、間を持てという事ですね)


 うん、よろしく。水と油、二つじゃ混ざらないけど、

 そこに卵なり、小麦粉なりを入れればうまく混ざる。

 ラミウムには小麦粉として頑張って貰う。

 幸いフィサリスはラミウムに懐いていて、指示には従うだろうから問題ない。

 まあ、フィサリスから見たラミウムって妹みたいな感じなんだけど。

 ロータスは言わずもがなである。

 さて武器も渡して行こう。

 まず水奈にはこれ。

 

 

 堅固な盾 DEF+30

 

 

 水奈はヒーラーで戦闘向きじゃないから耐久力を上げておく。シスコン上等。

 でも本人は魔法とか覚えたいらしい。

 でも水奈に適性があるのって、精霊魔法なんだよね。

 今度精霊の泉に連れて行くか。

 

(水奈様はフィア様にも気に入られています。どうやら精霊に好かれやすいようですね)


 流石水奈。精霊タラシの素質アリ。

 次に神奈なんだが、神奈はスピード系アタッカーだ。

 そこで、日坂の持ってる加速の剣(+1)が神奈の手へと渡り、

 日坂にはこれ。

 

 

 破壊の剣 STR+30

 

 

 お前どんだけ攻撃力上がるのよ。

 日坂の扱っていた剣を譲り受けた神奈は、それはそれは嬉しそうである。

 それで良いならいいけども。

 穂乃香とフィサリスには渡す武器が無い。

 元々魔法専門の二人だ武器が無くても戦えない事は無い。

 だが武器の偉大さは俺が良く分かっている事だ。

 魔力の上がる杖を用意するか。今持ってるの棒術の杖しかないもんな。

 ただ、穂乃香なんだが、

 

 

 如月 穂乃香

 固有スキル『属性魔導』

 通常スキル『拳術Lv2』『蹴技Lv2』『軽業Lv2』

 

 

 なんで?

 お前! それ素で覚えたの!?

 いや、護身術とかの心得はあっただろうけども……相変わらずぶっ飛んだスペックしてんなぁ。

 接近戦も出来る魔法使い。魔法拳士。

 こんど魔拳術教えてみようかな。覚えそうだから怖いな。

 グローブを買った方が良いんだろうか? いっそ作るか?

 レアメタルあるし、魔拳術で手を傷めない用にしっかりした奴。

 問題はフィサリスなんだよなぁ……

 こいつは根っからの魔法使いだから杖で良いんだろうけど、

 さっき全員に配った幸運の指輪だけでも喜んでるんだよなぁ……

 俺の奴隷であり、仲間であるフィサリスに武器を与えるのは何もおかしい事じゃない。

 だけどもそれで好感度が上がってしまうのは……うーん……

 強化しない訳にもいかないから、時期を図らって追々にするか……

 

「フィアちゃんって人のサイズにもなれるの? 見てみたい」

『えーっと……氷河、どうしよう……』


 フィアと戯れてた水奈がそんな事言いだした。

 いや、それはなぁ……

 

「あ、お姉さんも見てみたいかな~。大精霊の人間サイズ化って契約者の理想の姿になるんでしょ~?」

(氷君の!)(お兄ちゃんの!)

((理想の姿!? 見てみたい!))


 あぁ……見せないとダメか……

 

「フィア、頼む」

『……うん。わかった』


 フィアが人間サイズ化する。

 

「――っ」

「これって……」

「……穂乃香?」

(やったぁあああああああ!)


 水奈と穂乃香を足して穂乃香多めに割った姿が現れた。

 

「所々水奈が入ってますね。お兄さんやっぱりシスコンだ」


 水奈が入ってるのも事実だ。しかしそれだけじゃない。

 こいつらは見るのが初めてだから気付かない。

 俺とラミウムは前回を見てしまっているから、ほんの少しの違いに気付いた。

 ほんの少し、ほんの少しだが、前回に比べてラミウム掛かっている。

 精霊とは写し鏡。フィアの人間サイズ化が俺の真実を映し出す。

 そしてそれはフィサリスにも現実を直視させる。

 

(この理想を、少しでも私に近づけて見せる!)


 むしろ振るい立たせたようだ……どうすりゃいいんだこれ……

 

「氷河も大変だな」

「うるさい」


 純粋に恋愛してるお前ら二人を見ると、俺がどれだけ汚れて浅ましいかが浮き彫りになってくるから嫌なんだよ……

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