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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
73/346

禁断の恋

「困りましたね」


 ………………

 

「私はロータスが好き。この思いは今も変わりありません」


 …………そうだな。

 

「であるにも拘らず――私はどうやら本格的に氷河様を好きになってしまったようです」

 

 

 ラミウム

 月島氷河 親愛度 100 恋愛度 60

 

 

「でも氷河様も悪いんですよ? 名前を呼んで下さった直後に、「お前が作る料理が食べたい」なんておっしゃるなんて。そんな事を言われて惚れるなと言う方が難しいです」


 あの時はお前の心が折れかかっていた。

 それを見たくないと思ってしまった俺の負けだ。

 俺は気付かない内にお前に折れて欲しくないと思うほどには、お前を気に入ってたんだ。

 それにお前の料理を食べたいと思ったのは事実だしな。

 

「もう、そんな事を言われては更に好きになってしまいます…………禁断の恋ですね」


 うるさい。割と冗談にならないぞ。

 

「そうなんです、冗談にならないんです……ロータスになんと伝えましょう……私はどうしたら……」


 …………少なくとも俺はお前を非難できない。

 俺は穂乃香に恋愛感情を持ち、付き合ったにも拘らず、水奈にも好意を寄せてるからな。

 例え穂乃香の望む事だったとしても、不誠実である事に変わりはない。

 

「不誠実……分かってはいるのです。これはロータスだけでは無く、氷河様に好意を寄せている穂乃香様、水奈様にも失礼な事であると…………ですが分かっていても収まらないのです。氷河様を異性として好きになったと自覚してしまった今、どうにかしようとしてどうにかなる物でも無いのです」


 …………そうだな。水奈が俺に抱いた恋心も、俺が水奈に抱いた恋心も、お前が俺に抱く恋心だって、きっとそう簡単に消せる炎なんかじゃない。

 

「…………氷河様、私の思いは気にせずとも構いません。いえ、本当の事を言えばやはり気にして欲しいのですが、氷河様の負担になるのであれば気になさらないで下さい…………ですが、フィサリスの思いには答えてあげて下さいませんか?」



 フィサリス

 月島氷河 親愛度 60 恋愛度 80

 

 

「フィサリスはずっと牢に一人で、死ぬまで惨めな生活をして死ぬものなのだと思っていました。

 ですがそんな時に氷河様という希望が現れたのです。

 最初は牢に出れるなら何でも良い、そのために目の前の人物を利用しよう、

 そんな思いで仮面を付け、媚びを売りました。

 しかし氷河様はそんなフィサリスの仮面を取ってしまった。

 仮面を取った上で、フィサリスを求めてしまった。

 素の自分を知られた上でなお自分を牢から連れ出す氷河様の姿は、例え奴隷として利用するつもりだったとしても、彼女には王子様に見えて映ったのです」

 

 …………あぁ、知っている。

 フィサリスは俺に彼女がいると知った時、妬いていた。

 あれは冗談では無く、本当にやきもちを焼いていたのだ。

 

「自分を偽って生きて来たフィサリスに、芽生えた初めての本気の恋心。

 彼女はロータスとは違い、私に会いに、クーデターを止める為に、出てきた訳ではありません。

 貴方様に興味を持ち、貴方様の奴隷としてでもと共に生きようと出てきたのです。

 ですからどうか、私としましては叶って欲しいですが……もし彼女の望みが叶わぬとしても……彼女に答えて(・・・)あげて下さい」

 

 …………あぁそうだな。人からの好意に、逃げちゃ駄目だ。

 こっちにその気が無かったとしても、惚れさせたんならそれ相応の責任を取るべきだ。

 フィサリスにも、お前にも。

 

「私は……」

「ラミウム。俺は穂乃香と水奈が好きだ。だからお前の好意には答えれない……つもりだったんだがな……お前良い女過ぎだろ」


 

 月島 氷河

 ラミウム 親愛度 90 恋愛度 50

 

 

「私は……っ……その思いだけでも……十分幸せです……っ」


 欲の無い奴。はぁ……俺の背負う十字架ってどれだけ増えていくんだろうなぁ。

 

「一緒に背負いましょう……? 私も氷河様と同じ共犯者です」


 なんだろうね、この互いに浮気相手みたいな気分。

 

「禁断の恋ですね」


 うるさい。

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