一人勝ち
俺と穂乃香は水奈に話があると言われて、俺と水奈が本日寝る部屋に来ていた。
どうやら打ち明けるつもりらしい。
「水奈、話って何?」
「穂乃香……ごめんなさい!」
「え!? ど、どうしたの!? なんで急に」
「私ね……穂乃香がお兄ちゃんの事好きなの知ってて……応援してたのに……私、お兄ちゃんの事好きになっちゃたの……」
水奈……
「……氷君……本当なの……?」
「あぁ……本当だ」
「…………そっか」
「穂乃香……ごめん……ごめんね……こんな裏切るような事しちゃって」
「裏切るなんてそんな……水奈、大丈夫だから顔上げて? 私は気にしないから――――むしろラッキーというか」
「…………ラッキー?」
そう。穂乃香は今、水奈が俺を異性として好きな事に喜んでいる。
「え……? なんで? 嫌じゃないの……?」
「うん。嫌じゃないよ?」
「……お兄ちゃんどうゆう事?」
どうゆう事と聞かれてもなぁ……
「穂乃香はな、俺が頭を抱えたくなるぐらいに俺の事が大好きだ」
「うん。知ってる」
「そんな……氷君恥ずかしいよ……」
穂乃香、別に褒めてないよ?
「そんな穂乃香の心の支えは俺が60%、そして残りの40%が……お前だ、水奈」
「私!? 私そんな高いの!? ……それなのに私は穂乃香を裏切って……」
「なあ水奈。そんな俺の事大好き過ぎる穂乃香の、心の支えが俺60%で済んでると思う?」
「……? 言われてみれば確かに、もう少し高くてもよさそうだけど」
うんうん、じゃあちょっと思い返してみよう。
「水奈。体育の授業の着替えの際、特に水泳の際に穂乃香から視線を感じる事は?」
「多かった」
「冬になると子供体温のお前に「温かい」と言って穂乃香が抱き着く事は?」
「多かった」
「穂乃香と一緒に風呂に入った際、洗いっこと表し胸を揉まれて軽く逝かされる事は?」
「多かっ……穂乃香……?」
水奈が恐る恐ると穂乃香を見る。穂乃香は何も答えずただ綺麗に微笑んだ。
うん。良い笑顔。
「穂乃香の夢はな。俺を婿に、そしてお前を嫁に貰う事だ」
「お兄ちゃんが婿に入るのっ!? そして私を嫁にってどういう事!? ねぇ穂乃香! 冗談だよね!? なんで何にも言わないの!?」
「だから穂乃香としてはラッキーな訳だ。こいつは兄妹丼……というか月島丼が食べたい訳だからな」
「月島丼……氷君、それ凄く素敵な響きだね」
「穂乃香ぁあ!?」
如月 穂乃香
月島氷河 親愛度 ERROR 恋愛度 ERROR
月島水奈 親愛度 100 恋愛度 100
穂乃香の月島兄妹愛はブレる事なし。揺るぎない。
こいつはホント強かと言うかなんと言うか、大物だよな。
「と言うかじゃあなんで、お兄ちゃんはあんなに悩んでたの?」
「そりゃ穂乃香が望んでいたとしても、それに甘えていい理由にはならないだろ? 裏切ってる事には変わりないんだから」
罪は罪だ。忘れてはならず、ないがしろにしてはならない。
「お兄ちゃんは相変わらず真面目すぎるよ……」
「氷君も水奈の事好きなの!? これは――! 私の夢もすぐそこに!」
「……ねぇ穂乃香? ……少し考えさせて? 私も穂乃香の事好きだけど、私の好きと穂乃香の好きにズレがあるというか……心の整理の時間が欲しいかなって……」
「大丈夫だよ水奈。そう難しく考える必要は無いんだよ……私と氷君と一つになろう?」
「ふぇえ!?」
「穂乃香。水奈に時間を上げてくれ。気持ちの整理をつけたいだけだ。恐らくお前にとって悪いようにはならない」
「うぅ……それほとんど答え言っちゃってるじゃん……お兄ちゃんのばか……」
「水奈―!」
「やっ! ちょっと抱き着かないで穂乃香! 今は駄目! 今は駄目なの~!」
水奈の顔が茹蛸のように赤くなっていく。
俺らの三角関係。その結末は、
穂乃香の一人勝ちだった。
という訳でタグの編集してきます。
この先からかな……R15設定が活きてくるのは。




