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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
67/346

『隣に』

 一時休憩中。休憩の間はおっさん達が見張りと警戒をしてくれる。

 むしろ休憩の間ぐらいしか働いてない。何あの休憩要員、まあいいけど。

 水奈と一緒にMPポーション飲みながらほっこりする。

 ダンジョン入っている間での一番の幸せ。

 

「みんな、これを見てくれ」


 誰だ、私の幸せタイムを妨害する奴は。

 またお前か。学級委員の水奈じゃない方。もう水奈だけで良くない?

 

「なんだこれ、壁が透けてる?」

「恐らく隠し通路だ。この先に宝箱とかがあるかも知れない……ちょっと行ってみないか?」

「え、でも危険じゃないかな……? せめて副団長さん達に話してからじゃないと」


 水奈の言う通りだ。あんなんでも一応護衛で来てるんだから働かせるべき。

 大体そんな危険かもしれない事に水奈を巻き込もうとするんじゃない。

 私たちがこのダンジョンに来てる理由はレベルアップなんだから。

 

「ダリアさん達に話したら、宝箱の中身を国の物として回収されるかもしれないだろう? 俺たちだけで行ってみないか? レベルも上がって来てるし、4層の敵なら問題ないだろう」

「良いんじゃないか? 戦闘も安定してダメージくらう事も少なくなってきたしな。もし危なくなったら呼べばいいだけだしな」

「隠し通路に宝箱……なんかワクワクするな」


 なんか面倒な話になってきてるなー。

 私は水奈とMPポーション飲みながらほっこりしてたいのに。

 私の幸せタイムなのに!

 

「穂乃香……行こう?」

「え? 行くの水奈?」

「だって……みんなを放って置けないし」


 もう水奈良い子過ぎ。放って置けばいいのに。

 でもそんな可愛くお願いされたら私断れない。水奈が行くなら私も行く。

 透けてる壁の向こうは広い空間だった。その奥に大々的に宝箱が置かれている。

 

「あったぜ! 宝箱だ!」


 男子の一人が宝箱を開けた。

 次の瞬間、大量のモンスターが一斉に現れた。

 

「な、なんだよこれ!」

「パンデミック!? トラップだ! 退路を確保して逃げるぞ!」

「お、おい……出れなくなってるぞ!」

「何っ!?」


 モンスター如きが水奈に近寄るなっ!

 

「『ファイヤーカッター』『アイスカッター』『サンダーカッター』」

 

 っくぅ……数が多すぎるっ! キリがない!

 

「ぐぅっ!」

「穂乃香っ!」

「大丈夫水奈、大丈夫だから……」


 しまった……水奈の前でまたダメージを受けてしまった。

 MPの残りが心許ない……どうする!?

 

「美鈴っ! やだ……やだぁあああ!」

「水奈っ!」


 モンスターに囲まれてしまった。

 水奈に覆いかぶさるように抱き締める。

 せめて水奈は、水奈だけは! 私が守る!

 

「『ブリザードストリーム』『スパークトルネード』」


 ここでは聞けない筈の声が聞こえた。

 どうしてここに――

 

「ロータス、日坂を守れ。そいつは下手するとすぐ死にかねないぞ」

「主を守り抜くことは騎士の務め。お任せ下さい」


 日坂(あいつ)までいる!? なんで!?

 

「私はどうしたらいいの~? ご主人様~」

「フィサリス――手伝え」

「……ふふふ、いいよ。手伝ってあげる」


 ……その光景を見て悲しくなった。

 どうして氷君の隣(そこ)に立つのが私じゃないんだろう……

 私はずっとそこに立ちたくて……

 

「……穂乃香。たまには俺にもカッコつけさせろ」


 氷君……!

 氷君はずっとカッコいいよぉおおおおおおお!

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