プリンセス
さて、レベリングに来たわけだが、
王女、その格好目立ち過ぎじゃない?
人目の付かない所に居るから、今こそ大丈夫だけど、
そんな恰好で戦闘してるとこ見られたら大騒ぎになるよ?
「控えのローブを貸して下さいませ。フィサリスの……いえ、ロータスの分を」
あ、開き直った。
「氷河様は全て見えていらっしゃいますのでしょう? では隠しても無駄ではありませんか」
そうだけど、そうゆうもんかね?
「恋する乙女とは強かなものです」
それはうん。神奈とか穂乃香とか見ればそう思う。
「穂乃香様。彼女の愛の強さは素晴らしいです。氷河様は愛されていますね」
うるさい。言葉にするんじゃない。
ほら、緑のローブだ。
「照れずともよろしいのに。ありがとうございます」
ラミウム
Lv 33
HP 170/170
MP 340/340
STR 34
DEF 36 (+30) 〔66〕
AGL 57 (+5) 〔62〕
DEX 93
MIND 116 (+35) 〔151〕
INT 98 (+15) 〔113〕
LUK 53 (+10) 〔63〕
スキル『弓術Lv5』『精霊魔法Lv5』『魔弓術Lv3』『料理Lv2』『裁縫Lv3』『掃除Lv3』『礼儀作法Lv5』『心眼』
装備
王家のドレス DEF+15
緑のローブ DEF+15 MIND+5
クリスタルのヒール AGL+5
精霊のネックレス MIND+30 LUK+5
知力のピアス INT+15
幸運の指輪 LUK+5
ステータス構成は俺と似てるんだけど、
何その運の良さ。その上指輪で更に上げるの?
「運が良くて悪い事はありませんでしょう? 指輪お揃いですね」
うるせぇ。
クリスタルのヒールってガラスの靴じゃん。
いや、リアルプリンセスなんだけどさ。
要するに足丸見えって事だよね。後、戦闘には向かないね。
「そうですね……靴、あと弓を買って頂けないでしょうか?」
弓って召使いさんが持ってるのね。
まあ、不用意に武器を持たせておくわけにもいかないか。
俺と同い年なのにレベル5って……君、天才の部類なのね。
「氷河様には及びません」
俺のは所詮紛い物。本物じゃない。
「であろうとも。それを正しく力として扱えるのであれば、それは氷河様の力ではありませんか」
誇るようなものじゃないだろ。俺に誇りなんてない。
「氷河様は――いえ、今は止めておきましょう。靴と弓、氷河様が選んで下さいね?」
なぜ俺のセンスに委ねる。
自分で選びなよ。
「時に女性は、身に纏うものを男性に選んで貰いたい時もあるのですよ」
……めんどくせぇ。
「でも拒否はしない氷河様はお優しいです」
うるせぇ。
時間が押してる早く行くぞ。
「『サークル』『テレポート』」
しばらく王女のターン。
こんな筈じゃなかった……




