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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
46/346

告白

 報告会が行われている。

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 30 寂寥感 60 

 

 

 水奈の中で、少しずつ答えが固まり始めている。

 

 

 如月 穂乃香

 緊張度 90

 

 

 穂乃香は今、男子に対して怒っていない。

 穂乃香の目に男子は入ってない。

 穂乃香は今、視界にも思考の中にも俺しかおらず、

 この後二人で会う時の事でいっぱいだ。

 俺から毎日来るように頼んだんだ。

 当然今日も穂乃香は俺の部屋に来る。

 

「――以上で今日の報告会を終わります」


 いつの間にか報告会は終わった様だ。

 話聞いてなかったな。

 まあ、どうせ何時でも知れるし良いか。

 俺は部屋へと戻った。

 自分の顔面を思いっきり叩く。

 

「痛ぇ……っ」


 こんなんじゃ駄目だ!

 俺の今の状態がどうであろうと、それは穂乃香には関係ない事であり、

 穂乃香はこれから一世一代の大勝負にでるんだ!

 だと言うのに! 俺がこんなんでどうする!

 せめて穂乃香の勝負がきちんと終えるまでは! 俺はでなくてはならない!


『氷君、来たよー』

「ああ、入ってくれ」



 如月 穂乃香

 緊張度 100

 

 

「あのね氷君……実は話があるんだけど……いい……?」

「ああ、構わねぇよ。どうしたんだ?」


 知ってるくせに。

 俺は穂乃香をベッドに座らせた。俺も隣に座る。

 俺が部屋に戻ってから少し間が空いて来たのは、身だしなみを整えてたからなのか。

 こういう所が乙女だよな、穂乃香は。

 

「今日の朝、私が怒ってた時、氷君は……その……キ、キスして、私を止めてくれたでしょ……?」


 キスでどもる穂乃香が可愛い。

 

「それでね……その、感情が溢れたと言うか……抑えが効かなくなったと言うか……」


 うん、ちょっと方向がずれちゃったかな。修正して。修正して。

 

「……ふぅ。……氷君。私ね小さい頃からずっと氷君が大好きでした。今はもっともっと大好きです。けっ……付き合って下さいっ!」


 言い直した。言い直したけどお前、結婚して下さいって言いかけたな。

 数段過程を飛び越して、そこにたどり着くあたりが実に穂乃香らしい。

 さて……穂乃香にここまで言わせたんだ。俺はとして答えねばなるまい。

 

「穂乃香……俺はな、小さい頃から感情表現が下手くそで、どうにも理解して貰えない、そんな事が多かったが、実は誰よりも感情は豊かで、事あるごとにコロコロと些細だが変化している。一喜一憂が激しい。そんなお前が大好きだった」


 そうだ。俺が弱いくせに突撃して行った理由なんて単純だ。

 お前が俺に惚れたんじゃない。俺がお前に惚れていたんだ。

 当時はその理由を理解していなかったが、今なら分かる。

 俺が頑張る理由なんて、今も昔も変わらないじゃないか。

 俺はずっと穂乃香が好きだった。ただそれだけだ。

 俺はそれだけの事を気付くのに、どうしてこんなにも時間が掛かったんだろうか。

 異世界に飛ばされて、全てを知ってから気付くなんてな。

 

「だから穂乃香。俺と――結婚を前提に、付き合ってくれ」

「――はいっ!」



 如月 穂乃香

 幸福度 ERROR



 あぁ……お前の笑顔はやっぱり最高だ。

 俺は穂乃香を抱き締める。

 穂乃香は俺を抱き締める。

 穂乃香の心は今幸福に包まれ、溢れている。

 ああ、そうだ幸せだ。幸せなのに……!

 どうして俺の心はこんなにも……張り裂けそうな程に痛むんだろうな……

今日はここまで。

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