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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
38/346

無駄な事

 広間へとやって来た。

 

 

 神奈 美鈴

 ストレス 80

 

 

 ほんと下がらねぇよな。

 これを下げるためには日坂が必要不可欠だ。

 

「あれ? お兄ちゃん最近美鈴と仲良しだね」


 俺と神奈が同時に来たことで水奈がそんな事を言い放った。

 誤解しか生まないからその言い方は止めて。

 

「水奈ー、神奈に日坂に纏わる物がないかーって迫られた。どうしたら良いと思う?」

「それ、私に聞くの?」

「水奈―、お兄さんが日坂先輩を感じれる物がないって言うー。どうしたら良いと思う?」

「それも私に聞くの!?」


 神奈の奴ちゃんと分かったみたいだな。

 さっきの発言は、俺たちは日坂の話をしてただけですアピールだ。

 俺は日坂と『太陽と月』なんて呼ばれてたし、神奈が日坂を好きなのは周知の事実だ。

 神奈は穂乃香がしていたように周りにアピールをしていたし、日坂は穂乃香にとってライバルの為、穂乃香は神奈を応援している。

 穂乃香はどうして俺が日坂に取られると思ってるんだろう……

 あ、日坂が俺の隣に立ってるのが気にくわないのか。そこは自分の場所だと。

 お前俺の事大好きすぎだろ。

 因みに言っておくけど日坂はホモじゃないよ? 鑑定様が言ってるから間違いない。

 

「二人とも統也さんが居なくて寂しんだね」

「いや、俺は寂しくねぇよ? ただあいつ居ないと不便なだけだ」

「お兄さん、日坂先輩いないとダメダメですもんね」

「んな事ねぇよ。水奈がいれば何とかなる」

「お兄ちゃん!?」

「水奈がお嫁に行ったらどうするつもりなんですか?」

「穂乃香に頼む」

「ひょ、氷君!?」


 水奈と穂乃香をよいしょよいしょしておく。

 穂乃香が日坂に対し嫉妬してたからな。

 俺が神奈と一緒に居た事で、穂乃香が神奈にも少し嫉妬していた。

 流石の神奈も穂乃香に嫉妬されるのは怖いからな。

 穂乃香をよいしょ出来るように話題の流れを作ったわけだ。

 

(水奈がお嫁に行ったあと……つまり私が氷君のお嫁さん!? ……えへへ)


 そしてこの喜びようである。

 でも穂乃香としては穂乃香が嫁に行くんじゃなくて、俺を婿に貰いたいらしい。

 俺が貰われる側だった。相変わらず俺ってヒロインポジションなのね。

 宣言通り水奈を目いっぱい撫でておく。

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 40

 

 

 うんうん。行く前にこの低さなら悪くない。

 穂乃香も撫でて欲しそうなので撫でておく。

 

 

 如月 穂乃香

 月島氷河 親愛度 100 恋愛度 ERROR 発情度 20

 

 

「よし、頑張ってこい」

「「うん!」」


 戦闘員組を見送った。

 さーて部屋に――

 

「あ、あの月島先輩」


 魔剣術の子に声を掛けられてしまった。

 あかん。これ不味い。

 

「その……私も頭を撫でて貰えませんか!」


 非戦闘員組の視線が集まる。

 女子は興味深々。男子は敵意むき出しである。

 どうする……さっき神奈と一緒に現れた事で男子の怒りは限界だ。

 いつ爆発してもおかしくない。

 かと言って拒絶は難しい。

 ただでさえ敵が多いというのに、女子まで敵に回したら穂乃香のストレスが限界を超える。

 男子の怒りと穂乃香のストレス。

 迷うまでもないか。

 

「……これでいいか?」

「……! はい! ありがとうございます!」


 うん。凄く嬉しそう。

 そして我次にと、撫でられ隊の女子が名乗りを上げる。

 

「ふざっけんじゃねぇぞ!」


 あーあ、男子の一人がキレちゃった。

 面倒だなー。

 

「てめぇ状況わかってんのか! 魔王倒さねぇと元の世界に帰れねぇんだぞ!」


 状況理解してるに決まってんだろ。お前より確実にな。魔王倒しても元の世界には戻れない事もな。

 

「だって言うのに、出来る事も探さず一人ぐーたらしやがって! その上やってる事は女とイチャついてばっかだ! ふざけてんのか!」

「ちょっとあんた! 先輩になんて口聞いてんのよ!」


 お前の本音は後半部分だろ? 鑑定に出来る事はないと見下してるくせに、俺が水奈や穂乃香と仲良くしてるのがムカつくだけだろ。

 

「ここは学校じゃねぇ! 歳の差なんか関係あるかっ! 澄ましやがってムカつくんだよ!」


 男子生徒が俺に殴りかかって来る。

 遅いパンチだな。

 ステータスに差があるから避けるのは余裕だが……

 一番弱いはずの俺が避けれるのは不自然だよな。

 当たらなきゃいけないのか……めんどくせぇ。

 

「っぐ」

「先輩っ!」


 普通にくらうと全然痛くないから、当たると同時に自ら後ろに跳ぶ。

 軽いパンチだな。

 レッドゴブリンの方がずっと強かったぜ?

 

「おい、お前落ち着けって」


 他の男子が止めに入るが、内心ざまあみろと思ってる。

 あーあ、面倒な事になった。

 男子VS女子が非戦闘員組の中で確立し始めたのもそうだが、

 これが水奈に、そして穂乃香の耳に入るのは本気で不味い。

 あいつは冗談抜きで燃やしかねない。

 どうにかバレない様にできないだろうか……

 そう考えつつ俺は部屋へと向かう。

 

「てめぇ、それでも訓練に参加しないつもりか!」


 さっきの男子がまた喚いている。

 そんなぬるま湯に浸かって何の意味がある?

 

「俺は――無駄な事はしない主義だ」


 お前を殴り返す事とかな。

 俺は自室へと戻り、外に出た。

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[一言] >当たらなきゃいけないのか……めんどくせぇ。 ミツオのパンチかな?
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