鑑賞と経験
攻めすぎたかもしれない
「――ほたる?」
「………………」
「……ほたる?」
「え――あ、どうしたの? リノちゃん」
「ほたるがどうしたの……? ぼーっとしてる」
「う、ううん! 何でもない、何でもないよー」
「……?」
「うっ……」
「――ですから! 最近のリノちゃんが大人っぽくなったと言うか、仕草にときめくと言うか……ぶっちゃけるともう襲ってしまいそうなんですが! 私、どうしたら良いですかっ!?」
「――――何故それを俺に相談するんだ、お前は……」
執務室にて。ほたるから護衛対象を、性的な意味で襲いそうになると言う相談を受けた。
護衛しろよ。欲求不満なのか? なんにせよマジでなんで俺なんだ。
確かにリノは最近一段と綺麗になった。リコリスへの復讐心を無くしてから心に余裕が出来て、結衣香や煌輝達にお姉ちゃんをする時間を取っていたからな。
以前のリノがしていたお姉ちゃんは、妹や弟が可愛くて仕方ないお姉ちゃんだった。
今のリノは、訓練と戦闘を乗り越えて精神が成長した……落ち着きのあるお姉ちゃんだ。
本当は俺に甘えたいのを我慢する偉いお姉ちゃんでは無く、結衣香や煌輝を甘えさせてあげるお姉ちゃんだ。最高幹部になったことで大人の自覚を持ったわけだ。
未だ13歳……未成年だが、リノにはもう15歳成人と変わらない……それ以上の落ち着きを持っている。
中身が大人なんだ、孤児院設立当初のアイリスみたいな感じだな。同年代の子供と比べて少し浮く。
精神が大人になれば自然と顔付きや振る舞いも大人になって行く。リノがもう立派な淑女となったのは事実だが……
ほたるは自身の欲求不満と被っただけだろ。
オカズ提供にしても、こいつ俺の服の匂いとか勝手に嗅いでるしなぁ……
要するに、ほたるの欲求不満を解消し、リノを襲ってしまわないよな心境にすれば良いんだな。
「じゃあほたる――――――脱げ」
「――――――――――――へ?」
氷河先輩に身ぐるみを剥されて、私は空間転移で移動した、どこかよく分からない部屋のクローゼットに押し込まれました。
透視で見れるし、過去視で見られているかもしれないけど、実際に服を脱がされて見られるのは恥ずかしい…………そして今の私の状態……
氷河先輩が操る分身ゴーレムの左手で口を塞がれ、右手で腕を掴まれています。
腕は動かない様にではありません、むしろゆっくり動かされます。ただ掴まれた私の右手の中指は私の大事な部分に入り込んでいます。
う、動かしているのは氷河先輩の操るゴーレムなのに……私がしているみたいで凄く恥ずかしい……
そもそも此処はどなたの部屋なのでしょう……私が入れられたクローゼットからはほんの少し隙間が空いており、外の様子を見る事が出来ます……と言うか見える様に固定されています。
女性の部屋……でもリノちゃんの部屋では無いし、水奈ちゃんの部屋でもありません…………もしやお母様の部屋なのでしょうか?
あ、氷河先輩――――
「――――なあに氷君、まだ昼だけどしたくなちゃったの?」
「……まあ、たまにはな」
「ふ~ん……氷君の変態」
「そりゃお前もだろ」
如月さん……? 此処如月さんの部屋なの?
というか氷河先輩!? 私此処に居るんですけど! そのまま始めるんですかっ!?
わ、わっ、わわわわ……の、濃厚なキス…………羨ましい。
そのままお互い服の上から触り合い……少しづつ脱がせ合い……
わ、如月さん胸大きい……服の上からでも分かってたけど、ブラ外すと余計に……
き、如月さんが一糸も纏わぬ姿に……浴場でも無いのにこんな姿を見るのは中々――!
きゃぁああああ!!! 氷河先輩の氷河先輩の! 氷河先輩の~~~~~!
みみみみみ見てしまった……でもこれを見せているのは氷河先輩だ……つまり公認!
本当にあの時見た張形の片方と同じ形をしている……でも色とか……何というか……
ああ、入れてしまうの? あんな大きいのが入るの? 氷河先輩のが如月さんに――――!
あわわわわ…………わわわわ…………自然と…………動いていた…………けど…………この…………ゴーレムが…………私の…………指を…………動かす…………スピードって…………氷河先輩が…………動いてる…………動きと…………同じ…………?
それじゃあ…………まるで…………私が…………そこで…………氷河先輩に――――っ!
こ、声出そうになったけど、口は塞がれている為漏れる事は無かった。
如月さんと氷河先輩が体勢を変える……今度は…………後ろ…………から…………!
如月さんの…………顔が…………此処から…………丸見え……っ!
あ、あぁ…………凄く…………気持ち…………良さそうな…………顔…………なんて…………言うか…………色っぽい…………
あぁあ………また…………スピードが…………上がって――――っ!
ま、また私も一緒に……!
「――――――」
「………………」
き、如月さんと目が合った。
目が合った瞬間――――妖艶な笑みを浮かべられた。
胸の鼓動が速くなる……如月さん最初から気付いてたんだ……
ドキドキしてる……如月さんに…………口が塞がれてしまっているせいで、鼻息が荒くなる。
私の心境などお構いなしに再び氷河先輩と如月さんは体勢を変える。氷河先輩が如月さんの両足を持ち上げて――――!
ままま…………丸見え…………! 繋がって…………るのも…………! 如月さんの…………顔も…………!
わわわぁ…………あんな風に…………あれ…………? なんか…………近づいて…………来てる…………?
ベッドを離れ…………氷河先輩が…………如月さんを…………抱き上げた…………状態のまま…………クローゼットへと…………近づいて…………来る…………目の前に…………目の前に――――――っ!
空いた隙間から、私の顔に温かいモノが掛かる感覚と共に、私は意識を失った――
「――――あれ?」
「あら、目が覚めたの?」
「わっ!」
此処は……お風呂? 私、気を失って……
「氷君に洗って来て頼まれたから、気絶してる間に洗って置いたわ」
「あ……ありがとうございます」
如月さん……氷河先輩や水奈ちゃんと話す時のじゃ無くて、他のクラスメイトと話す時の喋り方だ……まあ、私はそうだよね。
…………駄目だ、如月さんの妖艶な笑みを思い出してドキドキしてしまう…………
あれは反則だ……水奈ちゃんが惚れちゃうのも分かる。
「んっ……はぁっ……」
「――――っ!?」
如月さんの喘ぎ声を聞いてまた鼓動が速くなる……な、何してるの!?
あ、掻き出して……わわわわ……多い……これってつまり如月さんと氷河先輩の――
「――ん?」
「――っ!」
「……舐めてみたい?」
如月さんはイジワルをするように微笑んだ。
私はそんな笑みすら鼓動が高鳴ってしまう。
「――ほら、舌を出して」
「――――――――」
如月さんは掻き出したものを両手で掬い、私の顔の前へと運ぶ。
如月さんの甘く囁くような声に、言われるがまま舌を突き出し――――
「――――だ~め」
「…………へ?」
如月さんが両手を遠ざけた為に、舌を突き出したまま固まってしまった私。
…………凄く恥かしいっ!!!!!
「飲ませては上げれない……けど代わりに――えいっ!」
「わっ!? ~~~!?」
如月さんが掬ったモノを自身の身体に塗り付け、そのまま抱き着いてきたっ!
ぬ、ぬるぬるするっ! けどこれって……つまり氷河先輩のが~~~~~!
「――――身体で味合わせて上げる」
「――――っ!」
耳元で囁かれる如月さんの声が、私をどこまでも駆り立てる。
如月さんの身体と私の身体が擦れ合い、私は如月さんのされるがままとなってしまう。
そして如月さんは足と足の間に私の足を挟み込むと――
「――――穂乃香~? ほたるちゃんの身体は洗え―――――――」
「………………」
「………………」
時が……止まった。
「――……穂乃香の……穂乃香の浮気者~っ! お師匠様ならまだしも、ほたるちゃんにも手を出すなんて……っ! 穂乃香がそのつもりなら! 私は美鈴と浮気してくる!!!」
「待って水奈っ!!!」
いや、神奈ちゃんとするのも色々問題が発生してると思うんだけど……
如月さんが水奈ちゃんを引き止めると、如月さんはそのまま水奈ちゃんに――
……え? 女の子同士ってそんな事までするの……? わ、わわわ……わわわわわ!!!
「……ほたる?」
私はリノちゃんの両肩に手を置き、キチンと言うべき事を言う!
「…………リノちゃん……――私達にはまだ早い!!!」
「――……何が?」




