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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
アフターストーリー ~10年後まで~
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臣下

 遅くなったが朝食を取ることにした。

 昨日確保した8人の指揮官達は既に家と給金を与えている為、それぞれに食事をしていると思うが、ピアニーは急だった為朝食だけはうちで与える事にした。

 後で給金渡して、家を選ばないとな。

 食堂に穂乃香、水奈、フィサリス、リノ、結衣香、煌輝とピアニーが居る。俺は厨房にて料理中。

 水奈がピアニーに昨夜の事を謝っている。殺しに来た相手なんだから気にしなくていいのに、律儀な奴。

 ピアニーは素面の水奈を見て少し安心したようだったが、水奈が俺の妹である事を知り、子宮に残っている種を見て、俺の居る方角を凄い形相で見ている。なんだ、文句あんのか。

 リノの膝の上では、煌輝が離乳食を食べており、それを結衣香が不貞腐れながら見ている。つい最近まではリノの膝上は結衣香のポジションだったからな。

 

「出来たぞ」


 朝食はトースターとハムエッグ、トマトサラダとヨーグルト。時間もあまりなかった為簡単メニューだ。ゴーレム分身にも手伝わせて7人分を運ぶ。待ちきれなかった煌輝は既に食べてるからな。

 

「あの……いつも主が自ら料理を作っているのですか?」

「そうだな。俺は料理もプロだから」

「……配膳も? 侍女とかはいらっしゃらない?」


 ふむ、侍女か。

 屋敷と慣れば……それも今後一国となるのであれば侍女や執事、料理人や騎士なんかも必要になってくるか。

 今後より他国からの干渉が増えて来るとなると、必要か。

 

「ちょっと町の住民に募集を掛けてみるか」

「え、マジで? 殺到すると思うよ、ご主人様」

「とりあえず10人程度、能力が高く信頼を置ける奴集めて俺が指導する。そいつらが育ったら後から入る奴らの指導を任せる。とりあえずはそれで良いだろう」


 騎士は同じく募って全てロータスに丸投げしよう。あいつ騎士だし、副団長してたんだから大丈夫だろう。

 

「氷君、メイドさん雇うのー?」

「来客時に毎回お前らに配給させる訳にもいかないからな。使用人は必要だ」

「むしろどうして今まで居なかったのですか?」

「俺の分身で事足りるからだよ。さ、食べるぞ」


 町長は働き者、これ村長時代から言われてる事だから。

 席に付いて朝食を食べる。

 ハムエッグトーストを食べたピアニーが目を見開いた。驚いたか。

 たかがハムエッグ、されどハムエッグだ。俺はハムエッグにすら手を抜かない。

 他のみんなは美味しそうに食べている。この笑顔を無くしてはならない。料理人も俺が指導しなきゃな。

 しばらくはうちの屋敷で働かせてみる……本人が望めば住み込みで部屋も与えよう。

 後は……政務が出来る人間も欲しいな、人選はラミウムにも相談しよう。

 騎士についてはロータスにも話を通さねばならない。後で煌輝を連れて一家にお邪魔しに行くか。

 

「パパ、その人誰?」


 煌輝にかまってばかりで気にしていなかったリノが、ピアニーに興味を示した。

 今気づいたの……相変わらずのマイペースだな。

 

「コイツはピアニー。新たな臣下だ、扱き使って良いぞ」

「ちょっと!」

「ピアニー……ふーん」


 暗殺者、とは伝えてないが、果たしてリノはどう見るかな。

 ピアニーは穂乃香、フィサリスから良い評価を受けていない。理由が何であれ俺を殺しに来たわけだからな。水奈は昨日の出来事の申し訳なさと、俺が臣下として扱ってる事から、悪い感情は抱いていない。

 

「……パパのお嫁さん?」

「な!? 違います!」

「そ。じゃあ良い、よろしく」


 リノはピアニーが俺の嫁にならないと言質を取った? と言うのは違うぞ。

 リノは自分が認めた相手じゃない奴を、義母として認めないと俺に言ったんだ。

 流石俺の娘だな。俺にその気はないが、安易に嫁候補成り得る女を増やすなと圧を掛けて来たんだ。俺に圧を掛けれる奴なんてそう居ないぞ。

 俺の側室になるには本妻穂乃香の許可が必要、それに加えて義娘リノの許可も必要になった訳だ。もう側室は増えないんじゃねぇかな。

 

「よろしくお願いします……あの、娘さん……ですか? 年が近すぎる様な……」

「リノは俺の養子だ」

「リノはパパのお嫁さん」


 ピアニーの俺を見る目が更に酷くなっている。解せぬ、主に対して失礼だぞ。

 

 

 

 ピアニーの家を選びに行く……前にロータスの家に寄って行く。

 家は月島家からすぐそばだ。日坂家もすぐそこにある。

 家は別になったが、子供達がすぐ会えるように……と言うか嫁達が仲良過ぎるからな。

 訪ねるに当たって、煌輝に結衣香、リノとフィサリスも付いて来た。

 まあ、政務の話だから俺の左目も参加する。未だにロータスに噛み付く事もあるけど。

 

「急に訪ねて悪いな」

「いえいえ、ビオラも喜びます。どうぞお入り下さい」


 ラミウムに案内されて中へと入る。

 ラミウムも王女なんだよなぁ……やはり侍女育成は必須か。

 

「本格的に国を目指されるのですね」

「ああ、昨日暴れた事による影響は世界に及ぶ。僅か1万人の小国だとしても、国を名乗らなきゃ下に見られるからな。敵対国以上に厄介なのが態度のデカい友好国かぶれだ」


 今まで下手に出てきた友好国とは違う。敵対はしない、仲良くしたいとほざきながら、国力を考えて対等をはき違える。

 現状自治州民族の長である俺は、大国に置いて子爵程度の扱いだ。

 ラミウムやアマリリスよりも立場が下で、相手の王に不満を言えば不敬とされる。

 対等も糞も無い、だが貴族の常識ではこれが普通なんだ。果てしなくめんどくさい。

 

「そうおっしゃらないで下さい。氷河様ならすぐに良き王となります」

「……日坂になる可能性とか考えないの? あいつもトップよ?」

「統也様では優しすぎます。それに統也様が王になったとしても、参謀か側近となった氷河様が実権を握りますでしょう?」


 握りそう……裏支配者とかしてそうだな俺。

 日坂が国政を敷くにしても、俺が千里眼、鑑定、未来視から得た情報でこうした方が良い、ああした方が良いって絶対に言うな。じゃあ俺がしろって話だな。

 テーブルに俺とフィサリス、ロータスとラミウムの4人で座る。リノには結衣香と煌輝を連れてビオラちゃんと遊ぶ様に伝えてある。すっかりお姉ちゃんだな。

 あ、フィサリス。ピアニーの事をラミウムに告げ口すんなって。

 

「パープルニアからの暗殺者……ブルーゼムの国紋を持って同盟破断まで狙ってきましたか」

「それは穏やかではありませんね」


 ほら~怒っちゃったじゃん。ラミウムもロータスもお前より愛国心が強いんだって。

 ただでさえお前と穂乃香にも嫌われてんのに、この2人にまで嫌われたらこの村での立場が無くなるじゃん。臣下として扱うって言ってるでしょ。

 わざと言ったな? ラミウムの前では言って無くても、思えばそれは言ったと同じなんだぞ。

 

「俺の前ではそんな小細工なんの意味も無い。枷は付けて奴隷化も済ませた、そっちは気にしなくて良い。本題は建国に当たっての臣下、使用人の募集と育成だ」

「臣下は私達が担当する訳ですね」

「そうだ。侍女と執事、コックは俺の屋敷で鍛え上げて、育ったら此処や日坂のとこにも派遣する。ロータスには騎士になるのを目標として兵士の鍛え上げ、ラミウムには内政を行う力のある者の育成をして欲しい。ロータスには昨日確保した8人の指揮官を預ける」

「指揮官が居るのはありがたいですね。兵士の育成とは違って、指揮官の育成は時間が掛かりますから」


 指揮官の育成は、戦いを数熟さない事には無理だからな。待遇は良くしてやるし、奴隷化もさせてるから反発は少ないだろう。文句があるなら俺に言いに来い。

 

(無理ですよ)

「募集はどのように行いますか?」

「町の住民に臣下募集を広めて、希望者の中から適正、能力の高さと人柄を考慮して選んでいく」

「それはまた……希望者が多そうですね」

「特に侍女。絶対多いって」


 そんなにか? 侍女や執事って国家に忠誠を捧げる騎士とは違って、主に忠誠を誓わないといけない上、遜るんだぞ?

 居て一部の謎信者ぐらいだろう。

 

(氷河様は甘く見過ぎています。この町の皆さんは氷河様に全て知られる事を良しとしている者達なんですよ。氷河様は目に見て分かるぐらいに、町の為に働いて下さっています。その氷河様の為に働けるともなれば多くの人が集まりますよ)


 ……でも確かに……昨日の炊き出しの手伝い人数はかなり多かった。

 かなり謙遜されて、配膳に関しては「私達がやります!」って俺何もしてなかったからな。

 

「そうだな……人が大量に集まれれても困るし、まずは希望者に名前と希望職種の書類を出して貰おうか」


 名前さえわかれば俺の千里眼で誰か特定できる。それが本気なのか冷やかしか、適正は合ってるか合ってないかの第一選考ぐらいは出来るだろう。打算的思考より、忠誠心である事の方が嬉しいな。

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