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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
アフターストーリー ~10年後まで~
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紛れ込み

「おにいちゃん、ぎゅー」

「ほら、部屋付くぞ」


 水奈は案の上と言うか、飲み過ぎた。

 第1段階のぶっちゃけモードも色んな情報を喋ってしまうため、色々と不味いのだが、第2段階に移った甘えん坊モードは非常に不味い。

 水奈教信者達の理性を悉く溶かしてしまうからである。

 もちろん水奈にも甘える優先順位がある為、誰にでも甘える訳では無い。訳では無いが遠巻きに見るだけでも可愛さがヤバい。

 俺、穂乃香を筆頭に、フィサリス、神奈、アイリスと続きリノやラミウムにも甘え出してしまう。このメンバーの内誰かは近くにいる筈なので大丈夫だとは思うが、誰も居ないと次の候補が日坂やほたるに移行する。

 それは絶対にさせない。防がねばならない。クアアにどうしても近くに人が居なさそうであれば人間サイズ化するように頼んでいる。クアアは良い、シアドは駄目だ。

 さて……水奈、穂乃香、フィサリスの3人と水奈の部屋にやって来た。

 まあ、する事は決まっている。とりあえず酔っぱらった水奈をベットに横倒す。

 

「ぁぁあああ……水奈……」

「ほにょかぁ……あぐあぐ」

「水奈ぁぁぁあぁああああああ!」


 水奈に触れようと手を伸ばした穂乃香の手は、水奈に笑顔で咥えられてしまった。

 とりあえず理性が溶かされている穂乃香を引き剥がす。

 

「いや! 放して氷君! 水奈が! 水奈が!」

「ダメだ。お前の今日の相手は分身達だ」

「水奈ぁぁぁあぁああああああ!」


 夜中に叫ぶんじゃない。折角眠った結衣香たちが起きちゃうでしょ。

 ゴーレム分身6体に穂乃香は引き剥がされ、口も塞がれてしまった。

 ……なんか俺が恋人同士を引き裂いて、強姦してるみたいで嫌なんだけど……

 でも俺の分身に囲まれたら、それはそれで楽しみ始める穂乃香。

 ……お前が幸せなら俺はそれで良いよ。

 

「……ご主人様、穂乃香ちゃんあれで良いの?」

「良いだろ、しばらくは。ベットは用意してやるか」


 空間収納から予備のベットを取り出して部屋に置く。

 分身達に誘導させて穂乃香をベットに押し倒す。

 

「さて、こっちはこっちで始めるか。水奈をお母さんにしてやると言う約束だからな。フィサリス手伝え」

「私も後でして貰えるよね?」

「もちろんだ」

「ふふふ~じゃあ良いよ~」

「おにいちゃん、おししょうしゃま、ちゅー」




 水奈とは基本的ラブラブしたものをする事が多いが、水奈が本当に好きなのは少し雑なぐらいに扱われるものだ。

 フィサリスは基本的に主従を表す、俺が攻め立てるものをする事が多いが、フィサリスが本当に好きなのは、甘すぎる程にラブラブしたものだ。

 ずっと求められている訳では無い。水奈はずっと雑なのは嫌だし、フィサリスもずっと甘いのは嫌みたいだ。だけど、たまにそうされると凄く喜ぶ。

 それは水奈の願望の甘えたいの深く奥底に苛められたいというものがあり、フィサリスの願望の従者でありたいの深く奥底に対等な愛が欲しいがあるからである。

 感情とは複雑な物だ。水奈は俺に優しい兄を強く望みながら、強引でイジワルな兄である事も望んでいる。フィサリスは主たる強引な俺を強く望みながら、優しく丁寧に扱う俺を望んでいる。

 強く望んでいない事は、実は自分でも気付いていない事も多い。

 だから俺が教えてやる。水奈が、フィサリスが持つ、もう一つの面。もう一つの自分。

 因みに穂乃香はどんな俺でも大歓迎。あいつには本当に恐れおののく。

 時には水奈とフィサリスには無い、俺が攻められる側を望まれる。

 おれにマゾ属性は無いが、穂乃香の希望の為仕方なくしてやる事もある。

 俺が穂乃香の従者となって奉仕する事もあるし、一人称を僕に変えてお姉ちゃん呼びさせられる時もある。後者は俺の精神がガリガリと削られていく。

 どんなパターンの俺であろうと穂乃香は構わないらしい。そしてそのパターンに合わせて変わる穂乃香を、全て受け入れられる俺も俺だろう。

 水奈を愛を注いだ頃に、千里眼の範囲に変な物が紛れ込んだ。

 だが、そんなものは無視だ無視。俺は今、水奈を愛するのに忙しい。

 水奈がお母さんになれる確率を少しでも上げる為、溢れんばかりの愛を注いでいく。

 水奈が愛で一杯になった頃、次はフィサリスの番だと思われた時、紛れ込んだ者が現れた。

 

「――やかましい」

「――ぶ!?」

「あ、そりぇみにゃのぉ~!」


 空間転移で現れた賊の口に酒瓶を入れ込み、酒瓶ごと錬金術で動きを封じる。

 水奈の好きな度数の高いウイスキーだ。酔いの回りはいかほどかな?

 

「もう……ようやく私の番なのに……ご主人様、そいつ誰? ご主人様が侵入を許したって事は女?」

「パープルニアの暗殺者だな。大方俺の存在を危険視しての事だろう」

「――!? ――!」

「水奈、そいつ仕込み毒で自殺しそうだ。治療してやれ」

「はーい!」


 水奈の回復治癒で自害は出来なくなった。

 そして口を酒瓶で塞がれている為、詠唱が出来ず逃げる事も出来ない。

 女だから侵入を許し、捕縛を選んだが、男なら外に居た時点で殺してるな。

 俺が他の男共に水奈、穂乃香、フィサリスの裸を見せる事を、良しとする訳が無い。

 

「さて……どうするか。殺しても良いが、此処は水奈の部屋だし、これからフィサリスとイチャイチャすんのに、その直前に流血沙汰とか気分が良くないな」

「私はご主人様と出来るならどっちでも良いよ」

「コイツを生かしてパープルニアに報復しに行くのも1つだが……別にパープルニアには恨みも無いしな」


 因みにこの間、暗殺者以外は服を着ておらず、穂乃香に至っては未だ分身達との最中である。情事中に入って来た向こうが悪い。

 

「にぇ~そりぇみにゃのにゃんだよ~?」

「水奈。水奈のウイスキーを飲んだそいつにお仕置きして良いぞ。酒瓶を口から離さなければ、逃げれない筈だ。やり方は水奈に任せる」

「はーい!」

「ご主人様が飲ませたんだけどね」

「飲んでるのはあいつだろ」


 暗殺者を水奈に任せて俺はフィサリスタイムに入る。

 フィサリスは物として扱われるのが好きだ。俺の為に役立っていると自覚が出来るらしい。

 だから最初は俺のしたい様にフィサリスの身体を使わせてもらう。

 だが、最後には必ず、フィサリスの弱い所を攻めたてつつ、普段言葉にする事の少ない感謝の気持ちと、素直な愛の言葉を囁いてやる。

 元々愛されなくても良いと言っていたフィサリスは、自分から愛を伝えるのは積極的な癖に、愛を受ける事に消極的な部分がある。ある程度も満足してしまう。愛されているという事実があるなら、それで良いという所がある。

 だから俺は言葉に出させる。「愛して」と言わせる。言わせて、求めさせて、命いっぱい愛してやる。

 そうしてフィサリスの心に愛を刻み込んだ後、分身を消して穂乃香の下へと向かう。

 

「……あ、氷君~……」

「なんだ、思ったよりヘロヘロだな。少し休むか?」

「ううん。今すぐ氷君の本物が……愛が欲しい」


 本妻様は貪欲だ。どこまでも『俺』を望む。

 俺を愛し、俺に愛され、俺に「愛してくれ」と言わせ、俺に「愛を欲してくれ」と言わせる。

 愛し合うだけじゃ足りない、俺に穂乃香の愛を求めさせ、俺が穂乃香に愛を求めさせる事をも求める。

 穂乃香は俺の物であり、俺は穂乃香の物である。故に俺に攻撃する者は穂乃香の敵であり、穂乃香に攻撃する者は俺の敵である。

 だから、穂乃香は敵に容赦が無い。穂乃香の敵は俺の敵だから。

 Mを求められたり、ショタを求められたりして、精神が削られる事は多々ある。

 それでも俺が削られてでも行うのは、穂乃香への愛ゆえにだ。

 まあ、その分俺が攻めに回る時は倍にして返すんだけどな。穂乃香は両方とも行けるから苦では無いみたいだけど。

 疲れている穂乃香に追い打ちを掛ける様に、激しく攻め立て愛を注いだ。

 「氷君の鬼畜……」と言いつつ穂乃香は嬉しそうに倒れた。同タイミングで酔っぱらっていた水奈が眠ってしまった。

 フィサリスも先ほど寝てしまったので、起きているのは俺と暗殺者だけとなった。

 なったのだが……

 

「うわぁ……」

「――! ~~~~!」


 暗殺者の服は下だけ脱がされており、足を開かれていた。

 俺が水奈にたまに行っている寸止め。俺は数回しかしないのだが、水奈は酔っぱらっていたせいか、俺がフィサリス、穂乃香としている間、ずっと繰り返して居たようだ。

 その状態で寝るとか鬼かよ……しかも暗殺者は水奈にされている間ずっと、俺とフィサリス、俺と穂乃香の弄り合いを見せられていた。かつ、水奈から垂れた物が暗殺者の近くに散っており、匂いも漂っているだろう。

 暗殺者が俺の股間を血走った目で凝視している。軽く精神が崩壊してるな、まともな状態では無い。

 

「…………欲しいか」

「~~! ~~~~!」

「そうだな……俺の奴隷になるなら考えてやろう」

「~~~~! ~~~~!!!」


 暗殺者の女が奴隷になった。暗殺術のスキルは優秀なんだコイツ。

 

「~~~~~~~~!」

「そう急かすな。あと俺のはやらんぞ、浮気になるからな」

「――――――――」


 まあ、まて。絶望するにはまだ早い。

 確かこの辺に……あった。

 

「この双頭は俺のと同じ形をしているが、俺のでは無い。俺が指を使うより、こっちの方が怒られない気がする」

「~~~~!!!」

「っと先に……『我が奴隷に主から命ずる、この町の者への手出しを禁ずる』ピア二―」


 命令と同時に錬金術の拘束も解いてやる。口元から酒瓶が零れ落ちる。

 

「――早く! 早くっ!!!」

「……せい」






 失神した暗殺者、ピアニーを客間のベットへと運んだ。流石にそのままは可哀想だからな。

 水奈もなかなかえげつない事をする……本人無自覚だろうけど。

 悪意無き悪こそ本物の悪である。だが水奈なので悪には含めません。水奈が悪な訳ないだろう。

 ピアニーは起きてからの交渉次第だが、うちの町に暗殺術を専門にする者はアマリリスしか居なかった為、丁度良かった。

 空間魔法が使える上に、暗殺術、投剣術のスキルレベルも高い。優秀なアサシンだ。

 自決技は要らないから捨てさせるか。ただでさえ人材少ないのに死なれたら困る。

 吸収が可能そうな敵って良いな。今後もっと来ないかな。優秀であればなお良しだ。

 ピアニーに思いっきり掛けられたので、一度シャワーを浴びてから水奈の部屋に戻る。

 ベットの右に穂乃香、左にフィサリス、真ん中に俺が入り、俺の上に水奈を被せる。

 みんな眠ってしまっているからゴーレム分身に運んでもらった。

 ……明日の事は明日考える、もう寝よう。

 おやすみ。

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