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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
アフターストーリー ~10年後まで~
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お嫁さん

「――では第1回! お酒飲んで語り合おう! 女子会を始めまーす!」

「おー!」「え、お酒飲むの?」


 弥生ちゃんに水奈を元気づける為と呼ばれた女子会。

 参加者は水奈、弥生ちゃん、美空先輩、私の4人。

 穂乃香はお兄さん達と魔人族領……ライブラ王国の女王との会談に行ってる。

 ラミウムさんとフィサリスさんは急に訪ねて来た、ブルーゼムの王子様……ラミウムさんの弟さんの相手をしてるらしい。

 再三に渡って帰って来いと言われる、ラミウムさんも大変だ。

 リノちゃん、結衣香ちゃん、煌輝君、ビオラちゃん達はアルラウネのキューちゃんと遊んでるんだとか。まあ、お酒があるならリノちゃんを呼ぶわけにもいかないしね。

 ラミウムさん達はリビング、リノちゃん達はリノちゃんの部屋、私たちは水奈の部屋で、みんな同じ家の中だけど、リビングの来客の邪魔にはならないだろうってぐらいに家が大きい。

 お兄さんも大胆に作ったなぁ……まあ、今後今日みたいな来客があるって事も考えてなんだろうけど。

 水奈の部屋も4人入っているのに余裕がある。

 ……このメンバーで言える事は……私、そんなに美空先輩と話した事無いんだよね……

 

「ささ! まずは飲んで飲んで! 私のおすすめはファジーネーブルです!」


 弥生ちゃんがカクテルを作ってみんなに進めて行く……と言うかお酒多すぎじゃない?

 どんだけ飲むつもりなの?

 ……まあ、酔わせて水奈が普段我慢してる事を、吐き出させようって魂胆なのかな?

 水奈は貯め込むタイプだからなぁ……

 

「……あ、美味しい」

「ジュース見たいですよね! 飲みやすくて好きなんです!」

「ところで女子会って何話すの? お酒飲んでる時点であまり女子っぽくない様な気がするけど」

「まあまあ、良いじゃないですか! そうですね……まずは最近あった引っ越しについて!」


 初っ端から本題じゃんそれ……まあ、他の人も話す事で話しやすくなるかな?

 水奈、結構なペースで飲んでるね……

 

「私は17人で暮らしてたのが、今1人になって……なんか家が広く感じてしまうんですよね……シーンとしてしまうと言うか……」


 弥生ちゃんまで暗くなっちゃってるけど……本末転倒じゃない?

 

「私もちょっと寂しさは感じますね……日坂先輩と二人になれる時間が増えるのは嬉しんですけど……家がやっぱり静かに思えてしまうと言うか……」

「――そうして二人には子供が生まれて、賑やかになるって奴ですか!? キャー!」

「ちょっと、弥生ちゃん!」


 早くも酔ってるんじゃないの……? 

 あれ、水奈がこっちをジーっと見てる。

 

「どうしたの? 水奈」

「ううん。何でもないよ」


 水奈って酒豪? 結構な勢いで飲んでるよ?

 

「奏先輩はどうですか!?」

「いや、私はむしろ増えたから……明君来ちゃったし……」

「でもグラジオラスさんの見張りと、ユリちゃんも守ってくれるんですよね?」

「氷河先輩も考えますね! 奏先輩に手を出そうとしたらアマリリスさんを襲って良いって……他の人に手出しを禁止されたユリちゃんは喜んで見張りますね!」


 まあ、しようとしてる事は星原先輩もユリちゃんも同じだからね。

 ユリちゃん面食いだから中身が星原先輩でも問題ないらしいしね。

 

「水奈ちゃんはどうですか!?」

「私も美鈴達と別になったのは寂しかな……一緒の家にずっと居たから」


 あれ……? 寂しそうなのは、そうなんだろけど……

 ここ最近元気が無いのとはまた別な感じ……?

 

「でも、リノちゃんや、結衣香ちゃん、煌輝君がいて賑やかだから、ほたるちゃんに比べたらマシかな」

「うっ……私は1人です……! 1人なんですぅぅうううう!」

「ちょっ! 弥生ちゃん!?」


 水奈じゃなくて、弥生ちゃんが酔っぱらって壊れ始めてない!?

 

「出会いが無いです! どうしましょう! このまま一生独身だったら!」

「いや、まだ19でしょ早いって」

「早くは無いんです奏先輩! クラスメイト内にも男性と付き合ってる子や、妊娠してる子だって居るんです! だと言うのに色気ゼロの喪女私は! この先老いて行くばかりしかなんですぅうう!」


 うわぁ……かなりの勢いで飲み始めた……大丈夫かなコレ……

 

「弥生ちゃん……あんま飲み過ぎない方が……」

「うぅ……神奈ちゃんはイケメンの彼氏持ち……勝ち組……私負け組……」


 弥生ちゃんって普通に可愛い方だと思うんだけど……

 うーん、性格に滲み出る子供っぽさかな……もう少し大人な一面を目指して行くか、幼い系好きを狙うか。

 

「奏先輩は……奏先輩って肉体の年齢同世代ってどう見えます? 異性として対象ですか!?」

「え、いや……精神実年齢が6歳上だから……流石に異性として見るにはちょっと幼いかなぁ……」

「美空先輩って生前、彼氏とか居たんですか?」


 あれ……美空先輩の様子が……地雷踏んじゃったかな……?

 

「居なかった……居なかったの……! 近寄る異性全部、明君が心折って行くから!!!」


 美空先輩も酔ってるなぁ……と言うかそれは酷い。あの人どんだけだよ。

 

「私を黒くしたいとか勝手な理由で付きまとって! 独占欲強いせいで、良い人も悪い人も関係なくみんな心折って! 私、女の子の友達ですら少なかったんだからっ!」


 ……なんだろう……美空先輩には幸せになって貰いたいなぁ。

 

「美空先輩……私でよければお友達になりませんか」

「ホントに……? 良いの? 神奈ちゃん……」

「はい、もうぜひ」

「かみなちゃぁぁああん!」


 美空先輩に抱き着かれた……この世界での美空先輩を軽く聞いてたけど、生前はもっと酷かったんだ……

 世界変わった今も追われてるんだもんなぁ……お兄さんのおかげで、だいぶマシになってるっぽいけど。

 

「……ごめん……年下の子に気を使わせてしまって……少し酔いを醒まそう」

「大丈夫ですよ」


 冷静になった美空先輩が恥ずかしそうに元の席に戻った。

 可愛いなぁ。

 

「水奈ちゃんは……氷河先輩がいる……ぅうう羨ましい!」

 

 兄妹なんだけどね……まあ、もうみんな認めてしまっているし、私も今更どうこう言うつもりは無いけれど――

 

「私も……っ欲しい……」

「水奈? 水奈もちょっと飲み過ぎじゃない?」

「私も――子供欲しい!!!」

「「「………………」」」


 ……それは予想してなかった……弥生ちゃん顔真っ赤になっちゃったじゃん。

 

「穂乃香もお師匠様もまあまって呼ばれるのに! 私だけねえねなんだよっ! そりゃ私はお兄ちゃんの妹だから間違ってないけど……私だってママって呼ばれたい! 私もお兄ちゃんのお嫁さんなんだから!」


 あ、うーん……1人だけ疎外感を感じてたのかな……?

 いや、でも立場上それは仕方ない事なんじゃ……

 

「穂乃香もお師匠様も子育て話で盛り上がって……っ……私だけ入れなくて……っ……リノちゃん達と遊ぶお姉ちゃんポジションで……っ」


 ……お母さんと……穂乃香やフィサリスさんと同じ風に扱われたかったのか……

 水奈が最近元気が無かったのはこれが原因だったんだ……

 自分の立ち位置の不安……だからさっき弥生ちゃんが私に子供って言った時に反応してたのか……

 

「水奈……」

「――大体穂乃香は! お師匠様と争うようなフリして仲が良過ぎるんだよ! お兄ちゃんが入ってるお風呂に突撃したのだって私聞いてなかったし! 胸で挟むときいつも2人でやってるし!」

「ちょっと水奈! 情事! 情事が垂れ流されてるよ!」


 弥生ちゃんも美空先輩も顔赤いから!

 2人ともそういう経験無いみたいなんだから、生々しいのは止めて上げてよ。

 

「お師匠様にも服作ってるし、美鈴にも服作ってるし……穂乃香の……穂乃香のお嫁さんは私なのにっ!」


 さっきお兄ちゃんのお嫁さんって言ったばっかりだよね!?

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