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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
アフターストーリー ~10年後まで~
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リノの大冒険 後編

『あれー? なんでトレントがやられてんのー? ギリギリのピンチで私が助けて可愛いアルラウネちゃんとイチャイチャする大作戦が――――キャー!!!』


 な、何っ!? 人型の……スライム……!?

 

『アルビノ美少女キター! しかも超可愛いっ! お人形さんみたい!!! この子! この子に決ーめたっ! お姉さんと気持ちいい事しましょう!!!!!』

「――――!」

『リノ!』「リノちゃん!」


 リノが一瞬にしてスライムに飲み込まれた……!

 させるか!

 

『リノを放しなさい!『フレイムトルネード』!』

「『ブリザードクラッシャー』!」


 リノに纏わりつくスライムを断ち切った。

 リノがスライムから解放された所を、ラミが受け止める。


『リノ! しっかりしなさい!』

「げほっ……こほっ………………大丈夫」

『ちょっとー! あんた達邪魔しないでよ! うーん……貴女達も悪くは無いわね…………け、ど、私は今そっちの子とエッチな事したいのー! 邪魔しないでくれる?』

「リノちゃんにそんな不逞な真似は許しませんっ! リノちゃんは――私のです!」

「ほたる、それは違う。リノはパパの」


 それも氷河自身は否定するだろうけど……しかし一体なんなのこのスライム……人の言葉を喋るスライムなんて聞いた事ない。

 

『もうー……体積が減っちゃったじゃない……すぐそこに湖があるからすぐ増やせるけどー』

 

 身体の一部を伸ばして、湖までつなげた。すると、湖の水を吸収したのか、身体が元の大きさ……それ以上に膨らみ始めた。

 

『ラミ、これなんだか分かる?』

『さあ……でもラミアである私もそうであるように、人語を喋るモンスターって人間で言う魔人なの……レベルがカンストしてるかもしれない……スライムだからって舐めて掛からない方が良いわ』


 ……高レベルのモンスターか……私が氷河に頼まれたのってこれが理由かな。

 氷河、MP借りるね。

 人間サイズになって人型スライムの真正面に立つ。

 

「みんな……下がって」

『あら……貴女も超好み!』

「――『フレアバースト』」


 私の最大火力の一撃……湖ごと干上がらせるつもりで放ったけど……生きてるね。

 ただ、体積のほとんどは消し飛んだ。

 

『ちょっとっちょっと! 何するのよー!!! この大精霊おっかないわね!』

『ボスのパートナー様がおっかなくない訳無いじゃない』


 ちょっと、それ風評被害なんだけど。

 

「ほたる!」

「はい! 『ブリザードストリーム』!」

『げ! 湖が凍ったー!』

『――さて……まだ抵抗を続けるかしら?』


 ラミが逃げ場を埋め尽くす様にとぐろを巻き、追いつめる。

 

『うぅー……もう! 何なのよー! 私は可愛い子とエッチな事したいだけなのにー!』

『「「それが駄目な(んだってば)(んです!)(のよ)」」』

『酷いわー! 寄ってたかってあんまりだわー!』


 リノを性的に襲うとしてる時点でアウトなの。

 どうしても襲いたければ氷河とフィサリスに許可を貰いなさい。降りるとは思わないけど。

 

『嫌だ―死にたくないー! こんな可愛い子が目の前に居るのにー!』

『……呆れた根性ね』

「――! リノちゃん、危ないですよ!」


 リノがラミのとぐろを巻く中心……スライムへと近づく。


「……お姉さん、一緒に来る?」

「リノ、ティムするつもりなの……?」


 それをティムするのはおススメしないよ? 得体がしれないし。

 命の危機に立たされてもリノの貞操狙ってるし。

 

『はぁー……! なんて天使なのー! イクイク! 私従っちゃいます!』

(ふふふ、これは来ましたわー!!! 可愛い子ゲット!)

『…………嬉しそうねコイツ……まあ、ボスに会って現実を知れば良いわ……』


 リノと人型スライムの契約はされたみたい……

 まさかこんなレアモンスターにまで遭遇する事になるなんて。

 ……事実として一度リノが襲われてるのよね……氷河がキレなければ良いけど。

 

 

 

 

 

 リノのテレポートで村へと戻って来た。

 と、同時に氷河が現れた。行動が早い。

 

「パパー、ただいま」

「おう、お帰り」

「氷河先輩!? 右腕にスライム! スライムくっついてますよ!?」

「ああ、ついさっきその辺で遭遇してな。防御も貫通される訳じゃ無いし、放って置いたんだ」


 そんな訳無いじゃない。絶対わざとでしょ。

 大方、氷河がスライムの核掴んでるから、スライムが逃げたくても逃げれないって状態でしょ。

 最近レベルが低いモンスターは本能的に氷河から逃げ出すし。

 

「所でそこの……ユリか?」

『え、なんで私がリノちゃんに名付けて貰った名前知ってるのー?』


 アルラウネにはキュー、スライムにはユリとリノは名付けた。

 キューはリノに抱っこされている。HPは回復したものの欠損がある為、この後水奈の所に行って、本格的な治療をして貰うつもり。

 

「リノの合意の上でなら(・・・・・・・)別に構わないが、そうでは無いのに襲おうとした場合――『アブソリュートゼロ』」


 うわぁ……スライムが中まで完全に凍ってる……そして粉々に砕けた……

 アイスみたいになる訳じゃ無いんだね。そして氷河が珍しく義手を付けてると思ったらそういう事か。

 

「これにフレアバーストとサンクチュアリも付けてやろう――ハッピーセットだ」


 全然ハッピーじゃない……と言うか普通にオーバーキルでしょ。

 ほら、ユリが凍ったみたいに固まっちゃったじゃん。これは可哀想。

 

「パパ、ユリを怖がらせちゃ駄目」

「違うぞリノ、これはただの忠告だ」


 脅しの間違えでしょ。ユリだけじゃ無くてキューまで怖がっちゃってるじゃん。

 

『……ボス以上におっかない生物を見た事ないわ…………ユリ、悪い事は言わないわ、大人しく生きなさい。それが一番平和で賢い生き方よ』

『………………そんなぁ~! 可愛い女の子が目の前にこんなに居るのにぃいいいい!』


 ……ブレないね……ほんと。

 

 

 

 

 

 ふふ、ふふふ、ふふふふふ!

 リノちゃんは妹ちゃんに、回復したキューちゃんを見せた後、私の身体がプニプニして柔らかいと私を枕にお寝んね中ー!

 周りにリノちゃんパパの面影なーし! 絶好のチャンス!

 

「――言い忘れてたんだが」

『ヒッ』


 びびび、ビックリした……どこから現れたの!? 空間転移!?

 

『わ、私は何もしてませんよー!』

「…………俺のスキル、『千里眼』は遠くの景色も見る事が出来る……大国1つ分ぐらいの範囲でな。そして『鑑定(極)』は対象物の考えている事、思考が読める。更に、そいつの過去……何をしていたのかまで見えるんだ」

『――――――』

「念頭に置いてくれ……『テレポート』」


 あ……あぁ………………本当に何も出来ないじゃぁああああああん!

 

 

 

 あのスライム油断も隙もあったもんじゃないな。

 何よりブレない心が強すぎる。

 

「悪い、待たせたな……で、アマリリス包囲網だが……――」


 待てよ…………マイナスにマイナスをぶつけてみるか?

 

「グラジオラス、アマリリスって癪だが、見た目だけは悪くないよな?」

「あぁ? あー……まあ確かに見た目だけならな……ボス、どうしたんだ急に」

「残念美人と言うかぁ……変態美人だね、話聞く限りぃ」


 つまり見てくれだけなら悪くないと……あのスライム、役に立つかもしれないぞ。

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