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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
232/346

生きて

長いです。いつもの4倍ぐらいです。

「フィア……壁を、解除して良いぞ……後はどうにかする……」

『どうにかって……! 自分の状態分かってるのっ!? 全身血だらけで、今だって左腕から血が流れてるんだよ!? そんな死に掛けの状態で何言ってるの!!!』


 左腕…………そうだ……刺されて出来た、傷穴が塞がってないのか……

 これ以上血を流すと、いよいよ思考すら危うくなる……並列思考頼りの今、それは不味い……

 

「フィア…………お前の火、借りるぞ……」

『氷河なにしようとして――氷河っ!』

「っ~~~~~~!!!!!!!!」


 熱いっ……! ……っ当然か……そりゃ、火だもんな…………

 デーモンから俺を守る為にフィアが放った炎だ。熱くない訳が無い……だが――

 

「――……これで……血は、止まったっ……」


 熱で溶けた肉が傷穴を塞ぎ固まった為、血が流れてくる事はもう無い。

 これで、まだ――

 

『――氷、河……っ…………もう止めて……っ……私はもう、傷付く氷河を見たくない……っ…………』

「………………止まらねぇよ……形を変えようとも流れ続ける、それが氷河おれだ……止まるのは氷河おれが死ぬ時だ……! 動かぬただの氷塊にくかいにっ……! くされ果てるつもりはねぇ!!」

『――っ! 馬鹿氷河っ!! 今の氷河に何が出来るって言うのっ!』


 確かに目の前は真っ暗で、鑑定も千里眼も未来視も使えない。

 両脚は支えにもならず、左腕は激痛が走り、俺を支える右腕は義手にせものだ。

 ――――――でも、並列思考は使える。目は見えずとも耳は、音は聞こえる。地を駆けれずとも空は飛べる。左腕が動かないなら、錬金術で上からコーディングして動かせばいい。

 死に掛けでも……俺はまだ、死んでない。

 

『…………氷、河……?』

「――泣くなフィア。まだ終わってねぇ……始まってすらいねぇ。お前が俺を幸せにしてくれるのは……この先だろ?」

『――――――――……ホントに……っ! 馬鹿なんだから!』

 

 フィアの炎の壁が解かれた。

 

『――え……?』「――っ!」


 それと同時にこちらに異常なスピード接近して来る、何かの音が聞こえた。

 俺は痛む体に気にする事も無く、咄嗟にフィアを手の平で包み込んで胸に引き寄せ……倒れる様にうずくまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――何してるんですか。貴方にはまだ働いて貰わないと困ります、月島様」


 …………………………………………は?

 

「ロー、タス……? お前…………なん、で…………」

「貴方に死なれては、私の惚れた姫君が悲しみますので」

「…………意趣返しのつもりかよ……」

「…………それと、あのフィサリスが頭を下げに来たんですよ……主を助けてくれと……珍しい事もあったものです」


 フィサリスがロータスに頭を下げたっ!? いや、待て仮にそうだったとしても……

 

「どうしてこの場所が分かった……? 魔族領だって狭くはねぇはずだ」

「案内人が居たからですよ。……ほら来ましたよ」

「『プロミネンス』!! 私のご主人様から離れろ、この羽虫共がぁあああ!!!!!」


 フィサリスっ!? リノの下へ帰れって……まさか!

 

「お前らリノを連れてきたのかっ!? この戦場に!!!」

「戦闘には参加させませんが、リノ様は現状、私に次ぐ機動力の持ち主なんですよ。ティムなさったユニコーンに乗って移動なさいますので」


 ユニコーンをティムしたぁっ!? 幻獣をティムしたのあの子!?

 リノは確かにユニコーンに懐かれる条件は満たしてるだろうが……半端ねぇな。

 流石俺の娘……じゃなくて、戦場に連れて来るんじゃねぇ!

 

「空間魔法阻害エリア直前まではフィサリスの転移で来ました。私の役目はいち早く駆け付け、加勢する事。それに続くユニコーンには主のリノ様、最大火力のフィサリス、そして随一の回復術士……貴方の妹様が乗ってこちらに向かっています」


 水奈が……

 

「お兄ちゃんっ!!!」

「……水奈……」

「――パパ!!」

「――ぐほっ!」


 リノちゃん、痛い……左腕はあかん……

 

「リノ……ちょっと離れて」

「やだ」

「リノ……」

「やだ……!」


 ……何も言わずに出てきたもんな……寂しい思いさせちまった……

 

「『リバイブ』『オールヒール』」

「……水奈」

「――バカ! バカバカバカ! お兄ちゃんのバカ! こんなボロボロになるまで無茶して……!」

「…………悪かった」


 傷が癒えていく……右目がゆっくりと開けて目の前の景色が見えて来る……

 …………半年ぶりに見た水奈の顔は……またしても泣き顔か……

 

 

 月島 水奈

 Lv 42

 HP 215/215

 MP 430/430

 

 STR (46)=69  (+5)〔74〕

 DEF (83)=124 (+45)〔169〕

 AGL (90)=135 (+15)〔150〕

 DEX (148)=222 (+15)〔237〕

 MIND (90)=135 (+20)〔155〕

 INT (81)=121 (+15)〔136〕

 LUK (40)=60  (+5)〔65〕

 

 固有スキル『治癒回復』『回復率上昇』『回復MP消費半減』

 通常スキル『盾術Lv4』『精霊魔法Lv5』『軽業Lv3』『掃除Lv6』『礼儀作法Lv4』『MP自動回復Lv3』

 

 

「……髪、伸びたな……」

「……こんなに伸びるまで、お兄ちゃんは私達を放ったらかしにしてたんだから……」


 それで穂乃香と揃って髪は切らなかったのか……

 ……リノは身長が伸びたな……

 

 

 リノ

 Lv 21

 HP 220/220

 MP 110/110

 

 STR (25)=37 (+15)〔52〕 

 DEF (78)=117 (+15)〔132〕

 AGL (46)=69 (+5)〔74〕

 DEX (23)=34 (+3)〔37〕

 MIND (48)=72 (+5)〔77〕

 INT (75)=112 (+3)〔115〕

 LUK (20)=30 (+5)〔35〕

 

 スキル『鞭術Lv2』『騎乗戦闘Lv2』『聖魔法Lv3』『空間魔法Lv3』『騎馬Lv2』『解体Lv1』『魔物調教Lv4』『召喚術』『意思疎通』

 

 

 ………………いや、ステータスの1割が俺のステータスに反映されてるから何となく気付いては居たけどね?

 リノまだ6歳だよ? ちょっと戦闘の訓練してみましたのレベルじゃないよ?

 …………世話係のほたるとは、一度じっくりお話が必要な様だ。

 

「私は主戦力として戦う様、命じられてますので。月島様護衛役の2人が来たら交代になります」



 ロータス

 Lv 74

 HP 750/750

 MP 375/375

 

 STR (311)=466 (+30)【+0~60】〔496〕【496~556】

 DEF (191)=286 (+15)【+0~60】〔301〕【301~361】

 AGL (326)=489 (+15)【+0~60】〔504〕【504~561】

 DEX (126)=189 (+15)      〔204〕

 MIND (81)=121 (+20)      〔141〕

 INT (150)=225 (+15)      〔240〕

 LUK (46)=69  (+5)      〔74〕

 

 スキル『槍術Lv7』『騎乗戦闘Lv3』『魔槍術Lv3』『風魔法Lv3』『闇魔法Lv3』『軽業Lv5』『騎馬Lv5』『解体Lv4』『鍛冶Lv2』『掃除Lv4』『礼儀作法Lv5』『HP自動回復Lv3』『身体強化Lv4』

 

 

 ステータスは上がってないが、スキルが上がってるな。

 勇者共の育成を手伝いながらなら、これぐらいが普通だろう。俺とフィサリスが異常なだけだ。

 ……で、護衛役の2人ってのは……デーモンなぎ倒しながら空を駆けるあの二人か。

 

 

 如月 穂乃香

 Lv 49

 HP 375/375

 MP 375/375

 

 STR (123)=184 (+30)〔214〕

 DEF (58)=87  (+30)〔117〕

 AGL (138)=207 (+15)〔222〕

 DEX (123)=184 (+15)〔199〕

 MIND (187)=280(+45)〔325〕

 INT (187)=280 (+15)〔295〕

 LUK (39)=58  (+5)〔63〕

 

 固有スキル『属性魔導』『無詠唱』『MP自動回復』

 通常スキル『拳術Lv6』『蹴技Lv5』『暗殺術Lv3』『魔拳術Lv5』『魔蹴術Lv4』『軽業Lv6』『裁縫Lv3』『掃除Lv2』

 

 

 神奈 美鈴

 Lv 48

 HP 490/490

 MP 245/245

 

 STR (109)=163 (+30)【+52】〔193〕【245】

 DEF (111)=166 (+15)【+0】〔181〕【181】

 AGL (136)=204 (+43)【+53】〔247〕【300】

 DEX (124)=186 (+15)    〔201〕

 MIND (98)=147 (+5)    〔152〕

 INT (122)=183 (+15)    〔198〕

 LUK (33)=49  (+5)    〔54〕

 

 固有スキル『抜刀術』『身体強化』『HP自動回復』

 通常スキル『剣術Lv5』『蹴技Lv3』『暗殺術Lv2』『重力魔法Lv6』『軽業Lv5』『料理Lv4』『掃除Lv2』『礼儀作法Lv3』『MP自動回復Lv3』

 

 

 俺に置いて行かれてから、ずっと訓練し続けてたんだな……しかも俺の時と違って休日無しで。

 トップスピードが俺と30ほどしか変わらない神奈も十分だが、トップ火力で450オーバーを叩きだす穂乃香が怖すぎる。

 強くなったな……俺の弟子達。

 

「――氷君……右腕どうしたの」

「……さっきその辺で捨てた」

「……左目は」

「必要経費だ」

「……そう――氷君、私怒ってるからね。100倍甘やかしてくれたって、許さないんだから」


 100倍って……何回生まれ変わってお前と巡り合えば足りるんだよ……

 

「……100倍は難しいな……けど代わりに……なるかは知らないが――――俺の人生、残りの全部お前にくれてやる……俺から差し出せるのなんてそれぐらいだ」

「え? お兄ちゃん?」「わー……やりますね」

「………………ふーん……じゃあ、それで許してあげる……でもフィサリスと何したかは後できっちりと説明して貰うからね!」


 バレテラー。まあ、バレない訳無いよな。穂乃香だもん。

 

「……後、責任持って最後まで隣で見届けてね……私の人生……」

「…………おう」

「……はぁ……周りが戦ってる中で堂々とイチャつかないで貰えます? あとお兄さんには、私からも文句ありますから覚えておいて下さいね~」

「神奈はちゃんと日坂に女にして貰えたんだな、今度赤飯作ってやろう」

「そういうのいいですからっ! 見えたとしても黙ってて貰えます!? セクハラですよ!」

「師として弟子を祝ってやろうと言うのに……つれない奴め」

「こんのっ……!」


 俺が居なくなったせいでこいつらを悲しませたのは事実だ。

 けど、こいつらの半年を見て、悲しみだけじゃない、幸せな情景も幾つもあっただと分かると……やっぱり俺がこっちで戦い続けていたのは間違えでは無かった、無駄では無かったのだと、そう思える。

 

「レベル40以下の者はレッサーのみ! レベル40以上はデーモンまで! レベル60以上からグレートと戦う事を許可する! 敵の方が数が多い! 3人以上で固まって戦うように! 互いにカバーに入れる距離を取りつつ殲滅していく! 行くぞ!!」

「「「「「「「「「「「「おぉー!!!!!!」」」」」」」」」」」」


 やや遅れて、50人近い人間族の集団が現れた。

 中には戦闘員組の勇者も混じってるし、

 

 

 ラミウム

 Lv 49

 HP 250/250

 MP 500/500

 

 STR (50)=75  (+15) 〔90〕

 DEF (61)=91  (+30) 〔121〕

 AGL (98)=147  (+15) 〔162〕

 DEX (143)=214 (+15) 〔229〕

 MIND (190)=285 (+30) 〔261〕

 INT (164)=246 (+15) 〔201〕

 LUK (68)=102  (+10) 〔112〕

 

 スキル『弓術Lv6』『精霊魔法Lv6』『魔弓術Lv5』『料理Lv4』『裁縫Lv3』『掃除Lv3』『礼儀作法Lv5』『MP自動回復Lv2』『心眼』

 


 指揮官の隣に一国の王女も混じってる。

 指揮官は言わずもがな、日坂統也である。

 

(お久しぶりですね……氷河様)


 ああ、久しぶりだな……本当は明日辺りに人間族領で再会する予定だったんだがな。

 まさか魔人族領で再会する事になるとは思わなかった。

 

(氷河様は、毎度の如く無茶し過ぎなのです。それに影響されてしまって、統也様まで無茶をするようになってしまったんですよ?)


 それは俺のせいじゃない。そいつがアホなだけだ。

 

(ブーメランですね……全く、勇者の皆さんの総監督をしながら、冒険者との交流も増やしていると言うのに、夜は睡眠時間を削ってまでレベリングを行う始末。理由は氷河様に追いつけないから……だそうですよ? 氷河様が前例を作るから統也様が真似してしまったでは無いですか)


 あいつも大概負けず嫌いだからな。男ってのは総じて馬鹿なんだ、そっとしておいてやれ。

 

(ですからブーメランです……冒険者の人格チェックとして同行をしていましたが、統也様は氷河様とはまた違ったカリスマ性をお持ちの様ですね)


 万人受けするのは日坂の方だけどな。

 日坂は基本民主制だ。周りの声を聞き、意見を交わして行くため、距離が近い。

 俺のは王制だ。俺がある程度物事を決めた上で、意見を取り入れたり入れなかったりする。話を聞いて貰えるとは限らないため当然距離が出来る。

 つまり日坂は親しまれやすいって事だ。俺は親しまれにくいが、ごくまれにほたるみたいな信者が生まれる……うん、良い事では無いなこれ。

 

(ですが、だからこそ、私は氷河様は良き王になれると思うのです。王とは周りの意見も聞きつつ、最善の答えを導き出し、キッパリと自信もってその答えを提示できる者であるべきです。他人に左右され過ぎない事も大事なのですよ)


 ……俺も悩んでばかりだと思うが……


(悩まぬ王などいませんよ。ただそれを顔に出さぬのが王なのです)


 学校の教師みたいだな、王って。

 戦闘が行われているさなか、指揮官様が俺の下にやって来た。

 

「……なんだ、随分とボロボロだな」



 日坂 統也

 Lv 50 

 HP 382/382

 MP 382/382

 

 STR 184 (+666)(+35)【+15】〔885〕【900】  

 DEF 130 (+554)(+15)【+1】〔699〕【700】

 AGL 111 (+708)(+30)【+29】〔849〕【878】

 DEX 56 (+659)(+15)    〔730〕

 MIND 69 (+691)(+5)    〔765〕

 INT 195 (+702)(+15)    〔912〕

 LUK 34 (+212)(+5)    〔251〕

 

 固有スキル『奴隷強化』『召喚術』『指揮統率』

 通常スキル『剣術Lv6』『蹴技Lv4』『居合術Lv2』『暗殺術Lv2』『風魔法Lv3』『雷魔法Lv4』『光魔法Lv4』『聖剣術Lv4』『魔剣術Lv4』『魔蹴術Lv2』『軽業Lv6』『解体Lv2』『鍛冶Lv3』『掃除Lv2』『身体強化Lv3』『MP自動回復Lv2』

 

 

「お前こそなんだ、その頭のおかしいステータスは。魔王みたいな事なってんぞ」


 奴隷数が60近いだけでこのステータスの上がり方である。

 奴隷を倒さずに、1万の奴隷が居た魔王に勝てる訳が無い。

 日坂の防御力を貫通出来ねぇじゃん……俺も奴隷増やすかなぁ……

 

「その魔王を倒した上に…………この死体デーモンの山を1人で築き上げたお前が言うか? いったいどれだけ倒したんだお前」

「あー……8885体」

「……お前こそ魔王みたいな性能してるよ」


 失礼な、人を化け物みたいに言うんじゃない。特にお前だけは言うんじゃない。

 

「……日坂、お前にグレートデーモン任せていいか」

「ああ、それは構わないが……どうする気だ?」

「俺がレッサーデーモンの群れを一掃する」

「待ってお兄ちゃん! まだ動かない方が――」

「――傷は癒えてる。水奈のおかげだ、ありがとうな……大丈夫だ、派手には動かない。でかいの一発ぶち込んでまっ平らにしてやるだけだ」


 レッサーデーモンは俺や日坂レベルなら一切攻撃をくらわないが、日坂の連れてきた奴隷達はそうもいかない。一人一人が強化されているとはいえ、ダメージは喰らう。まだ900は残っているとなると囲まれて危うくなる者が出てくるだろう。

 半分は俺らが消してやる。MPも自動回復で回復しきった。状態は万全と言っていい。

 

「フィサリス! 来い!」

「――! はーい!!」

 

 フィサリス

 Lv 79

 HP 400/400

 MP 800/800

 

 STR (92)=138  (+25)〔163〕

 DEF (84)=126  (+25)〔151〕

 AGL (200)=300 (+15)〔315〕

 DEX (252)=378 (+15)〔393〕

 MIND (361)=541 (+65)〔606〕

 INT (312)=468 (+15)〔483〕

 LUK (49)=73  (+5)〔78〕 

 

 スキル 『棒術Lv1』『火魔法Lv8』『氷魔法Lv8』『水魔法Lv8』『風魔法Lv8』『土魔法Lv8』『雷魔法Lv8』『光魔法Lv7』『闇魔法Lv7』『聖魔法Lv9』『空間魔法Lv8』『重力魔法Lv7』『調合Lv8』『裁縫Lv5』『礼儀作法Lv3』『MP自動回復Lv8』


 

 俺にしがみ付いて未だに離れようとしないリノの頭を撫でてやる。

 

「リノ、見とけよ。今からパパとママがお前も使う聖魔法の、最強技を見せてやる」


 日坂の奴隷達が来た方向の真逆を飛んでいるデーモン達に狙いを定める。

 

「行くぞ」「いつでもいいよ」

「「『サンクチュアリ』!」」


 フィサリスと共に二方向に向けて聖域を広げる。

 聖域の領域に入ったデーモンは聖なる光に包まれて、たちまち消滅したが、減った数は計232体。

 半分には足りてないな……

 

「もう一発行くぞ」「はーい」

「すごい……」「むー……」「……きれい」


 様々な感想を頂いた。

 穂乃香、大技使える様になったら一緒にしてやるから、我慢して。

 

「「『サンクチュアリ』」」


 今度は227体――! 

 ……………………

 

「……? どうしたのお兄ちゃん?」

「…………レベルがアップした……」

「……割には嬉しくなさそうですね」


 フィサリスと最初から共に挑んでいた未来では経験値が二人で分けていた為、全て倒してもレベルは上がらなかった。

 だが、今回は9割がた俺が倒している為、取得経験値が多かったのかレベルアップした。

 した、したんだが…………

 

 

 月島 氷河

 Lv 80

 HP 405/405

 MP 810/810

 

 STR 84 (+70)(+75)〔229〕

 DEF 127 (+70)(+25)〔222〕

 AGL 212 (+107)(+20)〔339〕

 DEX 256 (+127)(+15)〔398〕

 MIND 343(+154)(+95)〔592〕

 INT 384 (+146)(+15)〔545〕

 LUK 50 (+42)(+5)〔97〕

 

 固有スキル『鑑定(極)』『千里眼』『並列思考』『未来視』『透視』

 通常スキル 

 

 打撃系

 『剣術Lv9』『槍術Lv8』『弓術Lv7』『盾術Lv6』『棒術Lv7』『斧術Lv8』『鎌術Lv7』『鞭術Lv7』『拳術Lv8』『蹴技Lv7』『居合術Lv7』『投剣術Lv6』『暗殺術Lv7』『騎乗戦闘Lv5』『水中戦闘Lv5』『二刀流Lv5』

 

 魔法系

 『回復術Lv6』『結界術Lv5』『錬金術Lv7』『火魔法Lv3』『氷魔法Lv9』『水魔法Lv8』『風魔法Lv6』『土魔法Lv3』『雷魔法Lv6』『光魔法Lv7』『闇魔法Lv8』『聖魔法Lv9』『空間魔法Lv5』『重力魔法Lv4』『精霊魔法Lv7』

 

 複合系

 『聖剣術Lv9』『魔剣術Lv6』『魔槍術Lv5』『魔弓術Lv5』『魔斧術Lv4』『魔鞭術Lv2』『魔拳術Lv5』『魔蹴術Lv4』

 

 非戦闘系

 『軽業Lv9』『潜水Lv5』『騎馬Lv6』『解体Lv7』『鍛冶Lv8』『調合Lv7』『料理Lv7』『裁縫Lv8』『掃除Lv7』『礼儀作法Lv8』『HP自動回復Lv1』『MP自動回復Lv5』『奴隷術』『召喚術』

 

 

 いやさぁ、死に掛けた頃に発現したHP自動回復とかさ、グレートヒューマンの仲間入りーとかはもういいんだ?

 でもさ、これよコレ。

 

 固有スキル『透視』

 

 物体を透かして見る事が出来るスキル。

 つまりは瞼を閉じたままでも見る事は出来るし、今まで見にくかった地中とかが見える訳。

 うん。つまりだよ。

 もうちょい、はよ来いやボケェ!

 くそっ……まあもういい……地中に埋まってる空間魔法阻害の装置は見つけた。

 それを破壊すれば――

 

『――それは私がするから氷河は休んでて』

「フィア……俺は別にもう」

『駄目、休んでなさい』

(……まったく、最後まで自分の身より私を守ろうとする大馬鹿なんだから……心中覚悟で壁を消した私が馬鹿みたいじゃない……)


 俺が見つけた装置へと向かいながら文句を言うフィア。

 まあ、実際は言ってるんじゃ無くて俺が見えてるんだけど……

 あの時は無意識に体が動いてたんだよな……味方が駆けつけてきたのに、それを敵と勘違いして必死に庇おうとする俺の姿は馬鹿みたいだったけどな……

 フィアは心中まで覚悟してくれたのか……

 

「……なんか泣けてきたな…………そうか……俺、生きてるのか……」


 空間魔法の阻害が解かれてからしばらくして……デーモンの殲滅は終了した。

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