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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
230/346

置き土産

勇者VS魔王の蹴技に関して、名前を変えました。

魔なので、光と聖は使えなかったです……

 ――――――――――死ぬのか……? 王たるこの吾輩が。

 この世界の観測者として3000年君臨し続けたこの吾輩が、この世界で1年も経たない異界の者に殺されると言うのか…………

 …………世界よ、それが吾輩に対する貴様の答えだと言うのか…………

 ……良いだろう。吾輩はここで死ぬ。

 だがな、世界よ。吾輩は腐っても『魔王』であるのだ。

 貴様が吾輩を殺すが為に送り込んだであろう、この異界の使者には――ここで死んでもらう。

 

『「冥界の門」』





 月島 氷河

 Lv 79

 HP 400/400

 MP 800/800

 

 STR 82 (+70) (+75)〔227〕

 DEF 123 (+70) (+25)〔218〕

 AGL 206 (+107)(+20)〔333〕

 DEX 248 (+127)(+15)〔390〕

 MIND 331(+154)(+95)〔580〕

 INT 374 (+146)(+15)〔535〕

 LUK 50 (+42) (+5)〔97〕

 

 

 魔王を倒し、レベルが10上がった。

 2回に及ぶ、スキルレベル9の大技を使って空になりかけたMPも元に戻った。

 数値で言えば10だが、経験値で換算すると、レベル69に至るまでに得た総合値の1.5倍を魔王から得た事になる。

 3000年半端ねぇ……レベル後1上がったらグレートヒューマンに成れるぞ。

 次で貰える固有スキルも最後か……『無詠唱』欲しいな。

 

「…………少年よ……」

「……地島昌一郎か」


 魔王が肉体から離れた事で、地島昌一郎の精神が元に戻った。

 ……と言っても肉体はもう持たない。あと30秒も持たず死に至る。

 死ぬ間際のほんの一瞬だ。

 

「……ありがとう…………」

「…………ああ、安らかに眠れ」


 老人は、安らかな笑みを浮かべて息を引き取った。

 ……安らかに眠らせてやりたい所ではあるんだがな……そうも行きそうになんだよな。

 

「――っ!」


 地鳴りと共に城が崩れ始める。

 魔王が俺の手によって死ぬ未来…………ここまでは確定していた。

 問題はここから。この先が、俺の為にフィサリスが死ぬかもしれなかった未来。

 俺が死ぬ確率は、依然変わらず9割のままだ。

 魔王が消滅間際に残した置き土産。『冥界の門』。

 その門が開き、中から現れるのは魔王の眷属。つまり――

 

 

 グレートデーモン

 Lv 85

 HP 780/780

 MP 630/630

 

 

 ――グレートデーモン……100体。

 

 

 デーモン

 Lv 55

 HP 440/440

 MP 250/250

 

 

 ――デーモン……900体。

 

 

 レッサーデーモン

 Lv 35

 HP 250/250

 MP 170/170

 

 ――レッサーデーモン……9000体。

 計1万体のデーモン集団だ。

 グレート100体だけでも十分悪夢だってぇの。

 魔王が人間族との戦争の為に温存していた戦争兵力……あの野郎、俺1人に対して使いやがった。

 城が崩壊し、外壁が無くなって外の風景が見える筈なのに、俺の周りは360度デーモンで埋め尽くされており、どこ見ても青暗い黒しか見えねぇ。

 これで空でも飛ぼうものなら、足元も囲まれて球になる。飛ばぬが吉、半球に囲まれてる今の方がまだマシだな。

 ラスボスの後の裏ボスが、数による暴力だなんて、どんなクソゲーだよ。

 

「フィア、出てこい」

『氷河……どうするの?』

「持久戦になるから大技は控えて、聖剣術で仕留めて行く。問題はMPだが、ポーションを飲む隙はくれないだろう。回復は自動回復と……フィア、お前にポーションを渡すから戦っている俺に掛けてくれ。この際濡れる事なんて気にしてられない」


 掛けても回復する事は、飲めなくなって止む終えず掛けた時に実証済みだ。

 MPポーションは全部で16個……節約しなければならない。

 空間魔法阻害がとかれれば、数を気にせず使えるのに……というかこの場から即退散するのに。

 なんで城が崩れても装置が壊れてないんだよ。地中か? 地中に埋めたのか?

 物質が密集してると千里眼では見えないんだよ。目だけ転移させて見る感覚だからな。

 鑑定で見えるのは地表の情報だし、錬金術で探る時間は……くれないよな。

 

「戦うしかないってか……分かったよ…………フィア! 俺の命、お前に預ける……殺さないでくれよ?」

『……っ……! 当たり前でしょ! 絶対に死なせてなんてあげないんだからっ!』


 これから死ぬかもしれないって言うのに、フィアの言葉を聞くと笑みが零れる。

 やっぱり俺のパートナーは世界一最高だ。

 

「行くぜっ!」 

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