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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
23/346

泣き顔

「―――――!」


 あぁ……起きたくないなぁ……

 

「―――――!」「――!」


 どうせ朝一で見るならさ、

 

「お兄ちゃん!」「氷君!」


 お前らの泣き顔より、笑顔が見たかったな……

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 90

 

 如月 穂乃香

 恐怖度 50

 

 

 昨日10まで下がってたはずの水奈の恐怖が90まで上がってる。

 それだけじゃない。

 あの穂乃香が、動揺している。

 あぁ……魔王……お前は本当にとんでもないことしてくれたな。

 こいつらを泣かせまいとしている俺が、

 他でもない俺が、こいつらを泣かせてどうするよ……

 

「氷君……どうしてそんなに全身傷だらけなの……?」

「……夜中トイレ行こうとして、寝ぼけて階段から転がり落ちたんだよ」


 爆破式のくっそみてぇな階段だった。

 

「どうしてすぐに私の部屋に来なかったの!?」

「こんな情けない理由で、水奈を起こす訳にもいかないだろ」

「起こしてよ! いったい何のための治癒回復なのか分からなくなるじゃんっ!」


 俺は怪我を治して貰いつつ、水奈に泣きながら説教されてしまった。

 弱いな。俺は……

 こいつらに泣かれると、本当にどうしたらいいのか、分からないんだもんな。

 

「悪い……心配かけちまったな」

「ホントだよ……ばか……」


 俺は二人を抱き締めて、落ち着くまで撫で続けた。

 それしか、俺に出来る事はなかった。

 

 

 

 さて、戦闘員組の見送り……なんだが……

 

「いい!? お兄ちゃん! 今日一日絶対に安静にしておく事! 怪我が治ったからって調子に乗らない様に!」

「いや、安静にも何も基本部屋から出ないんだが……」


 水奈に怪我をしない様に念を押されていた。

 こいつ最初今日は休んで、一日俺の傍に居るつもりだったからな。

 一緒に居たいと思ってくれるのは、兄冥利に尽きるんだが、

 戦闘員組からヒーラーが居なくなるのは不味いし、俺も一日休んでいる時間は無いから、何とか説得した感じだ。

 水奈が手放すまいと俺を強く抱き締める。

 やだ、水奈ちゃんってば大胆。クラスメイト達が見てるのに。

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 75

 

 

 余裕がないから仕方ないか。

 水奈の恐怖度を上げたのは俺だしな。

 俺の匂いに包まれて満足した水奈は、ようやく手を放した。

 

「ねぇ……氷君……私もいい……?」


 穂乃香が顔を赤らめつつ聞いてきた。

 え? 穂乃香もするの?

 それは周りの視線が大変な事になるけど大丈夫なの?

 いや、君は気にしないだろうけども。関心0だもんね。

 でもさっき泣いてる時に、さりげなく抱き締めてるんだよね。

 その時はいっぱいいっぱいだったけど、今思い返して恥ずかしくなっている穂乃香がマジ可愛い。

 肉食系なのにウブ。ギャップ萌え。

 まあ、穂乃香を泣かせたのも俺だし。今回はいいだろ。

 俺は穂乃香を優しく抱き締めた。

 

「あ……」

「これでいいか……?」

「うん……ありがとう」

「……頑張ってこい」

「うん。行ってくる」


 穂乃香的には、穂乃香から抱き締めたかったらしい。

 でもそれは譲らない。

 というかそんな事されたら、俺が本当にヒロインポジションになってしまう。

 

 

 如月 穂乃香

 発情度 30 羞恥心 70

 

 

 さっきのやり取りが恋人同士みたいと穂乃香の内心大騒ぎ。

 やめて! そんな言い方されたら俺まで恥ずかしくなって来る!

 互いにちょっと気まずい雰囲気。目を合わせられない。

 男子からの視線……というか一部はもう殺気。

 女子はキャーキャー言って楽しそう。みんなゴシップ大好きなのね。

 そうして戦闘員組はダンジョンへと向かって行った。

 さーて部屋に戻りますか。

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