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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
209/346

何も見なかった

 薬草のある地点が離れていた為少し移動した。

 故に千里眼の範囲に入ってしまった。知りたくもない情報が……

 全く考えもしなかった……訳では無いが……実際に居るとはな……

 まあ、俺たちみたいに異世界転移させられた奴も居る訳だから、居てもおかしくは無いか。

 転生者……それも魔人族に転生してるとは……

 ただ……まあ……それがかつての知り合いで、且つとても会いたくない奴であった場合どうするか。

 答えは決まっている、無視だ。

 という訳であれは放置、見なかった物とする。

 

 

 



「――ん……」


 匂いにつられてフィサリスが起きてきた。

 

「フィサリス。肉焼けたけど、食べるか?」

「…………」


『フィサ。お肉あるけど、食べる?』


「……うげぇ……嫌な奴思い出した……」

「……お前、ロータスの事嫌い過ぎだろ」


 そんな苦い顔しなくても。

 つい昨日まで一緒に住んでたじゃない。

 

「……私、あいつの下手くそな敬語を聞くとイライラするんだよね。お偉い騎士様になってから、貴族相手に敬語を使わないといけないのは分かるけど、私にまであの口調で話してくるのが気持ち悪い。同じドブ育ちのくせして、私は清き騎士、貴族なんです、汚い言葉は使いません~って感じがイラッとする……」


 ロータスは変わった。フィサリスは変わらなかった。言ってしまえばそれだけの話だ。

 手段を選ばず、昔と変わらず幼いままのフィサリスに変われとロータスは言い、過去を忘れ、綺麗事と甘い考えになったロータスにフィサリスは嫌気がさした。

 水と油の様に反発し合うのは、変わる事を拒み、スラムで生きた地獄を忘れないフィサリスと、変わる事を選び、騎士としての生き様を選んだロータスが、相容れないからだ。

 

「あ、これご主人様のローブ……掛けてくれたの?」

「風邪でも惹かれたら潜伏期間が伸びるからな……次からは自分のローブを羽織れ」

(つまり自分のを敷いて寝れば、ご主人様のローブを掛けて貰えると……)

「自分のを羽織れ」

「え~いいじゃん減るもんじゃないし~」

「俺が見張り番してる間寒いだろうが」

 

 とりあえず起きたんならローブを返しなさい。

 

「ところでこれ何の肉?」

「ダークオークの肉だ」

「オークかぁ……まあ、いっか。ご主人様はどれくらい食材とか持ってきたの?」

「調味料だけだな」

「…………どこから来るの、そのサバイバル精神……」


 食材、及びお金はほぼ全部、あいつらの生活分として残して来たからな。

 

「あ、でもおいひい。ひゃひゅがごひゅひんひゃま」

「食べきってから喋れ」


 フィア先生による肉の焼き加減と、料理Lv6による調味料配合だけで美味しさ倍増だ。

 

「今後もこういった飯になる。食べる物はその日や前日のレベリングで倒した物を使って行くから、日によっては恐ろしく不味い日もある」

「……美味しそうな奴探さないとね!」

「経験値優先だ」

「え~……まあ、しょうがないか」

「飯食い終わったらレベリングに向かうぞ」

「……ふぁーい」


 ちゃんと待つから、食べきってから喋りなさい。

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