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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
207/346

詰め方

「これで5人だね……次はどうするの~ご主人様~? 隣町~?」

「いや、今日はここまでだ。明日夜襲を行う町の近くへと向かって、レベリングに適した人気の無い所へ行く」

「ここまで? もう少し減らして行かないの?」

「ここで終われば、『この町での殺人事件』で終わるが、隣町や周辺まで今夜中にしてしまうと『この方面州域での殺人事件』になる」

「ああ~大事になっちゃうって事?」

「それもあるが、問題は俺らの機動力がバレる事だ。町の中で済めばそう遠くに行って無いとも考えられるが、周辺まで一夜で動いたとなると空間魔法使いだと簡単に思いつく。それに通る町ごとに殺して行くと、次の行き先や大体の潜伏場所を予測されやすい。襲う町はランダムに点々と、一夜につき一つだ」


 それでも他の町で、魔王直下の部下が殺される事件が続いたとなると、警戒はされるだろうけどな。

 だとしても相手に知られるこちらの情報は、少ないに越した事は無い。

 

「早いうちから大事にもしたくないから、襲うのは奴隷の少ない町。戦力もあまりバレたく無いから強い奴の居ない所から回って行く」


 30や40も奴隷がいる都市で、全員一夜で殺したりしたら警戒レベルは一瞬にして跳ね上がってしまう。

 奴隷の中でトップ10入るレベルの奴を殺したりしても同じ事だ。

 危険度の低い盗賊レベルに認識される方が、こちらとしてはありがたい。

 

「え~……じゃあ、最初の内は弱い奴をチマチマ潰して行く感じ?」

「……まあ、そうなるな」


 序盤は弱い敵を倒して行き、終盤に強い敵と戦っていく……RPGかよ……

 

「後、最初の内は過激派の奴隷だけを殺して行く。3日目あたりに過激派と穏健派のどちらも居る町を襲い、穏健派には手を出さないで終わる。そうすれば穏健派……戦争反対派の人間の仕業と考える奴も出てくるだろうからな」


 仲間内で疑ってくれれば好都合。争ってこっちの仕事を減らしてくれればなお良しだ。

 

「いやー流石ご主人様! やり方が汚――痛いっ」


 余計な事を抜かす奴隷にでこピンをかましてやる。

 派手に暴れまわれば良いってもんじゃない。

 確実に、的確に戦力を削ぎ落し、事態に気付くころには手遅れなレベルにまで追い込んでいく。

 駒は2つしかない。詰め方を誤ればこちらが詰む。

 早く終わらせたい気持ちもあるが、下手すりゃ大陸一つが相手だ。慎重に進めねばならない。

 

「正面切って戦うにはまだ俺が弱すぎる……最低でもレベル60にはならないとな」

「え、ご主人様半年で60まで上げるの……?」

「半年後には全て終わらせておきたいから……長くても4ヶ月だな」

「……1ヶ月で40になったご主人様なら出来そうで怖い……ハイヒューマンってレベル全然上がらないんだからね?」

「知ってるよ、レベル40の冒険者なら良くて月一レベルだろ」

「……うん、だから普通は4ヶ月で良くて4レベルだよ……」

「俺が普通な訳無いだろ」


 千里眼で敵の所在地特定、からの空間転移で即到着だぞ。

 群れの発見、レアの発見、経験値豊富なボス発見もお手の物だ。

 ラミウムの圧倒的レア遭遇率を誇る幸運より上を行く。

 

「……目的地に付いてから夕方までってもしかして……」

「ああ、ぶっ通しでパワーレベリングだ」

「…………ご主人様、私やっぱり眠くなって来たかも……」


 休みたいか? まあ、睡眠時間以外は基本移動か戦闘時間になるからな。

 

「……良いけど、レベリング地点に着いてからな」

「やったー! ご主人様大好き~!」


 現金だなおい。

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