表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
189/346

クーデター3

 遠くから爆発音が聞こえる。

 戦闘はもう始まっているのでしょう。人の慌ただしく動き回る音と、喧騒が聞こてくる。

 

「………………」

「ん……クアアちゃん、耳裏はなんてゆうかこそばゆいから……」

「………………」

「ひゃあっ! シアドくん! 服の中入っちゃダメ!」

「…………ねぇ、水奈」

「もう……ん? どうしたの?」

「…………ううん、何でもない」


 精霊二匹と戯れる水奈を横目に天井を見上げる。

 ちょっと人来なさすぎじゃありませんかねぇ! 何こののどかな感じ!

 転移してからまったく人が来ないじゃないですか! 

 いや、来ましたよ!? 喧騒が聞こえ始める前に、後ろから! 王妃が「一緒にお茶しませんか」って! もちろん断りましたけど!

 これでどうやって戦意を保てと!? ここだけ別空間なんですか!?

 これは本格的に避難させられた説が濃厚になってきたなぁ――

 

「――! 美鈴! 来るよ!」

「――!」


 敵の感知で水奈に後れを取るとは思っていなかった。

 集中力が切れて気が抜けていたのだろうか……しっかりしなくては。

 

「誰か居るぞ!」

「あのローブ……王女たちと同じローブじゃないか?」

「貴様らは我々の敵か!? 邪魔立てするなら容赦はせんぞ!」


 敵は三人……か。

 宙を蹴って接近する。

 数では不利だけど……勝てない相手じゃない。

 お兄さんには一本も取れなかった。動きに無駄が無く、隙が無いお兄さんの剣術はまさに達人と呼ぶレベルだった。

 穂乃香には三本しか取れなかった。反応が速く、同じ手どころか初めて見せる技でも対応される事が多かった。

 そんな二人と比べると敵は隙が多く、反応も遅い。そして何より――

 

「――遅いよ、おじさん達」

「ぐっ……!」

「なっ!?」


 私の速度に追いつけてない。

 身体強化を使った時の私はお兄さんよりも早い。

 穂乃香と水奈は魔法戦闘系、先輩二人は非戦闘系の固有スキルで、私は五人の中で唯一打撃戦闘系なのに、戦力外扱いされるなんてあまりにも情けなさ過ぎる。

 私も戦えるんだって事を証明してみせる――!

 

「――次っ」

「がっ!」

「この!」


 残りの1人が後ろから剣を振り下ろしてきた……けど。


「……遅い」


 ひらりと躱して脇腹に剣を叩き込む。

 これで三人、鎮圧完了。


「ねぇ、美鈴」

「……ん? なに?」

「そこの兵士さん達は美鈴がぱぱっと倒しちゃったけど」

「うん」

「もしかしてもう終わり? 私出番なし?」

「………………」

「………………」


 追加で敵が来る気配はなし。このまま誰も来ない可能性はあるかもしれない。

 …………文句はお兄さんに言ってねっ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ