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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
181/346

作戦

 必要な道具を揃えてブルーゼムへと向かう。

 移動にあって全員で転移するより、行った先で召喚する方がMPの消費が少なくて済むので、俺と日坂だけ先行する。

 長距離転移を何度も繰り返し、イエンロードを抜ける。

 

「……なあ、氷河」


 移動中に日坂が声を掛けてきた。

 転移座標設定中に声を掛けるのは危ないんだぞ。

 ミスれば壁にめり込むからな。並列思考あるから問題ないけど。

 

「残るって選択肢は無いのか……?」

「無いな」

「…………そうか」

「……拠点に着くぞ」


 周囲に人が居ない事を確認して、錬金術で閉じていた入口を開ける。

 中へと入って全員を呼び出すスペースを確保する。

 

「前より拠点が広くなってないか?」

「掃除しに来た時に改造したんだよ、ほら呼ぶぞ」

「「『サモン』」」


 屋敷に残してきた7人が拠点へと召喚された。

 リノはこの拠点に来るのが初めての為、珍しそうにキョロキョロ見回している。

 

「あれ? 前より広くなってる?」

「部屋数も増えてません?」

「増やしたんだよ、そこは水奈の部屋。後は各々好きに選んで良し」

「なんで私の部屋は決まってるの?」


 広さが違うからね、一部屋だけ。

 

「私、水奈の隣!」


 穂乃香が真っ先に水奈の隣の部屋を選んだ。

 他もなんとなくで部屋を選び終え、ひとまず荷物を置いた。

 新たな部屋にはベットや家具も置いて回った。

 

「……なんで私のベットこんなに大きいの……」

「俺とリノと3人で寝るには今までのサイズだと狭かっただろ? 折角だから大きいの買ったんだよ」


 キングサイズの理由を説明すると、水奈がこちらをジーと見つめ始めた。

 何、パーティーに加わりたいの? もう加わってるよ既に。

 

「別にいいけど……こんな大きさのベットに、朝起きたら私一人なんて嫌だからね……」


 水奈に服の裾をキュッと掴まれる。なにこれ可愛い。

 一緒に寝ても穂乃香の所に行く事が多かったからだな。

 

「ああ、ちゃんと朝まで一緒だ」

「……うん」


 全ての部屋の家具を置き終えたので、広間に全員を集める。

 作戦だけ説明だけして、今日は休養、明日に備える。

 戦闘員8人とフィアに抱えられたリノを確認して話を始める。

 

「それじゃあ、作戦と言うほどでもないが、明日の動きについて説明しておく」




「まず、水奈と神奈の2人には王妃の護衛についてもらう」

「護衛ですか?」

「ああ、王妃は回復術に置いて国でも随一を誇る使い手だが、戦闘力に関しては皆無だ。王妃が人質取られてしまうと国王派が不利になる」


 今回のクーデター阻止に関しては、ただ鎮圧できればいいと言う話では無い。

 国王派を勝たせないといけないのだ。

 国王派が機能を停止してしまえば、結果的に政権をリコリスが握る事になってしまう。

 国王派からこちらに攻撃があるかもしれないのに、こちらからは守らないといけないと言う面倒くささ。

 ……マグオートが出張って来る前にさっさと終わらせたいな……

 

「盾で防御が可能な水奈と機動力の高い神奈についてもらう事にした。強い敵がそちらに向かう事は無いと思うが気を付けてくれ」

「はい!」「了解しました!」


 王妃は戦闘力が無い事は向こうも分かってるからな。王妃の護衛が一応いる事を考慮しても大した戦力は投入しないみたいだ。刺客さえ倒し終えれば一番安全な持ち場は此処なんだよな。王妃も指名手配されてない勇者2人なら強く警戒する事も無いだろう。

 

「次に穂乃香と日坂の2人が勇者たちの従属化、及び鎮圧だ」

「えー……」


 穂乃香が不満を口にして日坂が苦笑いだ。ちょっと穂乃香、言う事聞きなさい。

 敵対する勇者相手に屈服主従を結ばせる事が出来るのは日坂だけ。

 しかし日坂は甘ちゃんだからな、契約を結ばせるまでに追いつめれるかが微妙だ。

 そこで敵対者に容赦のない穂乃香を投入する。ここで水奈や神奈を選ばないのは2人がクラスメイト相手に攻撃できると思えないからだ。

 

「穂乃香、間違っても殺すなよ」

「はーい」

「あと、日坂の指示をちゃんと聞く様に」

「…………はーい」


 不満気だが返事はした。頼むぞ本当に。

 勇者共に戦場をひっかきまわされるのだけは勘弁してほしい。

 どんなアクシデントが起きるか分かったもんじゃない。不確定要素は少ない方が良い。

 

「次、フィサリスとロータス、ラミウムの3人がリコリス派の最大戦力ダリアとサーシスの相手をして貰う。戦闘力だけならフィサリスとロータスだけでも問題ないだろうが、指名手配されてる事もあって国王派の騎士からも敵認識されかねない。そこにラミウムにハッタリで構わないから、こちらの正当性を主張してもらい国王派を黙らせる」


 まあ、本当の目的は黄緑の意味だ。

 水と油が反発し合わない様にバランスを取ってくれ。

 

(かしこまりました)


「で、俺はリコリスを抑える。ダリアとサーシスは一緒に動くみたいだが、リコリスだけは単独行動みたいだからな。後リノはフィアとお留守番だ。この拠点で大人しく待ってるように」

「氷河、私も付かずに1人で大丈夫?」


 大丈夫だよ? なんでそんな手のかかる子供みたいな扱いなの?

 今回はそんな無茶するつもりないし、無茶するほど大変な事もないでしょ。

 あるとすれば心配事が一つだな。

 

「要注意は未だ動きの読めないマグオートだ。あいつとだけは戦闘に入らず即離脱を計るように。一応俺の方でも確認して遭遇する前に回収に向かうつもりだが、リコリスとの戦闘中だったりすると出来ない可能性もある。俺が来れなかった場合はすぐ逃げろ」


 大まかな内容はこんなもんだな。

 後はなってみないと分からない。明日が勝負だ。

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