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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
180/346

丸1日

 疲労を感じつつ目を開けて起き上がる。

 隣にはすやすやと眠る水奈と、満足そうに眠る穂乃香が居る。

 なんでリノじゃ無くて穂乃香が寝てるのか?

 リノと3人で寝たのは一昨日だ。

 つまりどういう事か? クーデターは明日だ。

 1日飛んでる? 飛んでない飛んでない、穂乃香とデートに行ったぞ。本当に丸1日べったりで。

 一緒に居なかったのはトイレぐらいだ。

 

 

 朝は普通に起こしに来たんだが、朝食時から自分でもなんだコレって思うほど甘々だった。

 全て食べさせ合いだったからな。水奈と神奈に凄い目をされた。それに全く動じず続ける穂乃香の心の強さににもビックリだった。

 最後の方は口移しをしようとして来て、流石に勘弁して貰った。いや、全員こっち見てたからね? リノ、フィア、シアド、クアア含め全員見てたからね?

 そんな朝食を終えてペースを乱されはしたが、気を取り直して本命の空中デートに向かった。

 今までレベリングで回った火山、氷山、砂漠、海岸なんかを今回は観光目的に空から眺めて回った。MPポーションを時折飲む必要があったが、それでも楽しかった。

 モンスターの居ない花畑の園では子供の様に無邪気にはしゃぐ穂乃香が見れたし、洞窟を抜けた先にある水晶の丘では、光が差し込み幻想的に輝く光景に言葉を失うほどに見惚れていた。

 他人に興味を持たなくなり、これといった趣味を持たず、物事に感動する事の少なくなっていた穂乃香が、純粋に景色に心動かされるのを見ると無性に嬉しくなるんだよな。

 穂乃香の心は穂乃香自身が思っているほど冷え切ってなんかいない。もっと世界を見渡せばたくさんの感動がある、お前は暖かい光の世界に居るべきだ。

 

 

 まあ、デートらしいデートはこの辺までだったな。

 この後だ、昼食代わりに商店街のカフェに行った後からだ、雲行きがおかしくなって来たのは。

 裁縫に使う道具が買いたいと穂乃香が言いだし、俺も等身大リノ人形を作るための材料を買おうと思っていたので行く事にした。

 道具、材料を買い終わった後、見本が見たいと言い出し、服屋に行く事になった。この時点でもう嫌な予感しかしなかった。だって穂乃香の頭に着せ替えさせられる俺の姿しか浮かんでないんだもん。

 服屋に着き次第色んな服を着せられた。全部男物で安心した。いや、普通なんだけど。

 途中軍服や燕尾服が混ざっていたが気にしない事にした。白衣のコートってどの辺が良いのよ……

 俺を着せ替え人形に出来て満足そうな穂乃香だったが、頭の中では同じ服を着た水奈の姿もあった。水奈にも着せるのか男物。

 幾つか俺のサイズの服を買った後、女物の服のゾーンに入り顔を引き攣りそうになったが、服を着るのは穂乃香だけだった。いや、普通なんだけど。

 穂乃香はカジュアルな服、清楚系、可愛い系、コスチュームと色々な服を着て見せてくれた。眼福である、来て良かった。

 ただ、穂乃香の頭の中には水奈に着せてる姿、神奈に着せてる姿、俺に着せてる姿があった。何故ソコニ俺ガ有ル。

 水奈サイズの服と穂乃香サイズの服、そして明らかに少し大き目の服が買われるのを見て、目が虚ろになり始めた俺を、穂乃香が引き摺って次にやって来たのはランジェリーショップ。

 これどうかなと聞かれたが、反応に困るから止めて下さい。似合ってます。

 自分が着る分と水奈に着せる分を買って行く穂乃香だが、幾つか明らかに布面積が少ないというか……いやこの際布面積が少ないのはまだ良いとして、水奈に着せる用の下着に、明らかに不必要な所は守れてるのに必要な所が守れてない物があるけど、それ水奈に着せるのん? 守れていてもちょっと透けてるどころか透明なのもあるけどそれも着せるのん?

 ……穂乃香って普通にサドじゃない? いや、確かに虐められるのも好きな所はあるけどサドじゃない?

 遠くない未来に着せられるであろう水奈に合掌しつつ、その後は普通に買い物を楽しんだ。

 

 

 買い物後は家に帰り夕食を食べた。朝食の二の舞にしないため俺と穂乃香の分だけ別に作った。夕食を作る予定だった神奈に話したら、イチャイチャされると堪ったもんじゃないから好きにしてくれ、との事だった。なので穂乃香の部屋で食べる事にしたのだが、そしたら人の目が無くなった事で……うん、口移しになったよね。

 その後穂乃香と一緒に風呂に入り、上がった後が地獄の着せ替えタイムとなった。

 男物は良いよ、まだ。誰だこの世界に巫女服を伝えた勇者は、ちょっと出てこい。

 色んな買った服を着せられて、色んな買った服を来た穂乃香と弄り合った。

 そうして日付を跨ごうとした辺りで、穂乃香が唐突に言い出した。

 

「ねぇ、氷君。水奈は今何してる?」

「……水奈か? 隣の部屋で聞き耳立ててるぞ」

「うん、じゃあ水奈も呼ぼっか!」


 と言う事で召喚される水奈。

 そこからは水奈も着せ替えられて混ざる事になった。

 遠くない未来と言うかその日だった。いや、日付跨いだから翌日か。

 そうして日が上った所で穂乃香はようやく眠りについた。

 きっかり朝まで眠らず24時間を満喫しきった穂乃香は、とても幸せそうな顔して寝やがった。

 肉体的にも精神的にも色んな意味で凄く疲れたが、あんなに幸せな顔されたんじゃなんも言えねぇよな。

 朝日が照る中、俺も眠りについた。

 

 

 そして昼過ぎ、今に至る。

 今日ブルーゼムの拠点に向かって明日が当日か……

 ……なんだこの緊張感の無さ。とりあえず水奈と穂乃香を起こすか。

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