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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
178/346

気を抜けない

 水奈が木製の武器に対しては問題なく逸らせる様になって来たため、次は実際の金属武器を使って行く。

 大丈夫だ、水奈の反応速度、盾術のスキルは上がっている。その上、俺の筋肉動作の精密度、動体視力も上がっている。これで攻撃が当たるなんてことはあり得ない。

 水奈の訓練をしながら確実に俺も強くなって来ている……一石二鳥と言う奴だね、うん。

 今日でクーデター前の訓練は最後だから、ここで仕上げておかなければならない。

 鉄の槍を構える。甘くしてやりたいところだが、時間が無い。ここからは……殺す気で攻撃を行う。

 もちろん当たる事はないが、ギリギリまで殺気を込めたまま維持して戦う。

 水奈、お兄ちゃんはこれから心を鬼にする。だからお前は何としても防ぎきれ!

 地面を蹴って最短距離を全速で詰めに掛かる。

 

「わぁっ!?」

 

 一直線に放たれた突きは、速度に驚きはしていたものの水奈の盾に防がれてしまった。

 距離を取って再び最短距離で詰めに掛かる。

 だが2回目のこれはブラフ、詰め寄る途中で転移して水奈の真後ろに現れる。

 横薙ぎに槍を振るう。

 

「ほう……」


 水奈はその攻撃をしゃがむ事で躱した。

 目の前から消えた事で死角からの攻撃と読んだのか。

 盾で後頭部を守ってもいるから振り下ろされても致命傷は避けれるか。

 

「『ウォーターボール』!」


 目の前に水の玉が大量に現れる。

 これは追撃封じの牽制攻撃だ。同時にウォーターボールを背に置く事で死角からの攻撃を防ぐ事が出来る。

 ウォーターボールの壁は空間転移で通り抜けられる。だがそうなると俺が攻撃する場合、当然正面に回らないといけない。

 それは水奈も理解している。だから当然――

 

「ハッ!」

「やあ!」


 ――攻撃を弾かれた。今回はタイミングもドンピシャ。

 奇襲に対する反応がだいぶ良くなった。空間転移にも反応出来る様になって来てるからね。

 相当な実力者じゃないと、初手で水奈に攻撃を当てるのは難しいんじゃないだろうかってレベル。あくまで初手はの話だが。

 じゃあ難易度を更に上げようか。武器を鉄の短剣に持ち帰る、扱うスキルは暗殺術。

 気配を消し、殺気を潜め、水奈の死角に潜り込む。

 

「……え?」

「……まだまだ先は長いぞ、水奈」


 今度は全く反応出来ていなかった。

 

 

 

「……お兄ちゃん、流石に気配を消された上で転移なんて反応出来ないよ……」

 

 互いに集中の切れた頃、時間もちょうどいい時間になっていたので訓練を終わりにしていた。

 

「実戦でそこまでできる奴は少ないと思うが、全く無いわけでも無い。でも大概の奴に対しては反応出来る様になったと思うぞ」


 心配があるとすれば、警戒状態に限りってとこだな。

 

「普段から常に警戒して置けとまでは言わないが、少なくても敵が出ないと判断できる安全な場所以外では気を抜かない事。いいな?」

「はーい!」


 うむ、良い返事。

 日坂たちと合流して穂乃香たちを拾って屋敷へと戻るか。

 かなり集中力を持っていかれたが、この後リノと一緒に解体もする予定だからな……

 解体は解体で集中しないとミスして売値が下がるし、最悪リノに怪我させるなんて事になりかねない。

 ……まだ気を抜く事は出来ないな……

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