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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
173/346

ノルマ

 水奈達と合流してからが慌ただしかった。

 頃合いを見て作る予定だったMPポーションを入れる瓶を、アクシデントにより作れなかったため、急いで作って中身を入れていく。

 作る作業と入れる作業を分担して、フィサリスと協力して行いながら、

 突如召喚されて説明もなく放置された水奈とラミウムが、詳細を求めて来たため、内容を一部ぼかして説明しつつ、

 穂乃香から神奈に全勝したという報告も受けた。

 この間、大活躍した並列思考。

 あいつマジで全部勝ちやがった……全敗した神奈は落ち込んでいたが、それ以上に気を落としている日坂を見て、今日の夕食に日坂の好物を作ると意気込んでいた。

 健気というか良妻というか、あいつ良い奴だな。

 日坂の事は神奈に任せてれば大丈夫だろう。俺からできる事なんて何もない。

 MPポーションを全て瓶に移し終わった後、道具を回収し屋敷へと戻った。

 

 

 

 夕食前。石英を取り出して、瓶を作っていく。

 先ほどは急いでいたため、面白みがない普通のフラスコの様な形に作ったが、折角ならばポーションらしく香水瓶の様な凝った作りにしたい。

 試作品も含めて大量に作っていると、ガラス細工に興味を持ったリノが現れ、不用意に触れて割らないようリノをフィサリスが抱き上げた。

 

「ご主人様は器用な上に凝り性だね~」


 ……まあ拘りはするな、割と。

 

「フィサリス、空間収納に空きはあるか?」

「え? あるけどどうし――」


 鍋、お玉、すり鉢、すりこぎ、薬草と木の実を空間収納から全て取り出す。

 それを見たフィサリスが固まってしまった。

 

「これ全部渡しておくから、暇な時に調合を頼む」

「…………癒しのハーブとオーブの実、多すぎじゃない? あんな短時間に狩り尽してきたの?」

「植物として繁栄に必要な分は最低限きちんと残してきた」


 フィサリスは驚きを通り越して呆れた様子。

 解せぬ。全部見えてるんだからな、俺だって傷付くんだぞ。別に良いけど。

 フィサリスが大量の素材を次々と空間収納に入れて行く。

 

「そこにある瓶も全部頼む」

「……こんなに作るの~? ご主人様、私を働かせ過ぎじゃない?」

「今まで全く家事をしてなかったんだから、このぐらい働け」


 フィサリスは不満を垂らしながらも瓶を回収して行った。

 

「じゃあご主人様? 働くからには私もご褒美が欲しいなっ!」

「働いてから言え」

「え~、今日作ったじゃん」

「一ノルマ100個で、達成する毎に等身大リノ人形を作ってやろう」

「多いし、それ自分で作った方が早いじゃん……」


 うん。確かに。

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