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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
171/346

対人戦

 擂り終えた薬草と木の実を鍋に入れ、ウォーターボールを一つ入れる。

 ファイヤーボールで薪に火をつけ、フィアに火加減調整をして貰う。

 お玉はリノとフィサリスの2人で一緒に回している。ほのぼのしてますなぁ。

 穂乃香と神奈の戦いは現在穂乃香の全勝。あいつマジで勝ち越すかもしれないなコレ。

 ほのぼのした光景を眺めながら観戦するのも悪くないと……思った矢先、そうもいかなくなった。

 あー……俺のミスだ、くそったれ!

 

「フィサリス! この場はお前に任せる!」

「え? どうしたのご主人様?」

「『サモン』」

「わっ!?」「なっ!?」


 水奈とラミウムは呼び出せた。

 問題は無いだろうが一応向かうか。

 

「『テレポート』」




 目の前から突然水奈ちゃんとラミウム王女が居なくなった。

 恐らく氷河が召喚術で呼び出したんだろうが、あまりに唐突過ぎる。レベリングを切り上げるにもタイミングがまだ少し早いだろう。

 

「……なるほど、そういう事ですか」

「ロータスさん?」

「日坂様、囲まれています。賊です」


 ロータスさんの視線の先、遠くの方に冒険者らしき人影が見えた。

 

「賊ですか……? 冒険者に見えますが」

「格好はそうですが、こちらの様子を覗って距離を詰めてきています。同じような集団が後二箇所、三方向から来ますね」


 冒険者らしき集団は、4人から2人に減った事で異変を感じたのか速度を上げてこちらへと近づいて来る。

 ロータスさんの言った後2箇所の集団も確認できたところで、俺たちの目の前にフードを深く被った紫ローブの氷河が現れた。

 

「状況は理解してるな? 囲まれると面倒だ、俺が西、日坂が南東、ロータスが北北東を抑える」

「お待ち下さい月島様、日坂様をお一人で戦わせるおつもりですか?」

「俺の方が片付けば転移してフォローに入る。お前も終わってから駆け付けれるだろ?」


 ……俺の実力がロータスさんや氷河に届いてないのは自覚してるが、こうも戦力的に足りてないと扱われるのは辛いな……

 

「大丈夫ですよロータスさん、少しなら持ちこたえて見せます」

「……作戦は変わらずだ。良いなロータス」

「…………かしこまりました」

「『テレポート』」


 氷河の姿が消えたと同時にロータスさんが勢いよく跳び出して行った。

 俺も賊を迎え撃つため南西へと向かった。

 

 

 

 本当は、無理に盗賊達と戦う必要は無い。

 俺が到着した時点で、日坂とロータスを拾って戻ればいいだけの話ではある。

 そうしなかった理由は2つ。1つは穂乃香たちの居る森からこの草原が近い事。ここら辺をうろちょろされては今日は良くても明日や違う日に遭遇しかねない事を懸念した為だ。

 もう1つは日坂がどこまで対人相手に戦えるのかを見る為だ。その結果によってクーデター時の作戦……主に人員配置に影響してくる。……クーデター後にもな。

 だから今はとりあえず――

 

「テメェ空間魔法使いか! さっきの女共を逃がしたのもテメェだな!」

「何処に逃がしやがった!」

「『ダークブレード』『ダークブレード』」


 ――コイツら全員叩き切る。

 戦いながらでも他の事に意識を割けるのは並列思考の良い所だな。

 

「『サンダーブレード』『ウインドブレード』」


 ロータスの方は問題なさそうだな。まあステータスが圧倒的だからな。

 あいつは必要以上に殺さない主義だから死なない程度に抑えてはあるものの、全て一撃で倒している。

 

「『サンドブレード』『ウォーターブレード』」


 本人が馬鹿みたいな速度してる事もあって、殲滅に掛かる時間は俺より短い。

 問題はやはり日坂か。あいつは盗賊達に比べて圧倒的にステータスが高いわけじゃ無い。

 

「『アイスブレード』『ファイヤーブレード』」


 だが、俺の様に相手を殺している訳でも無い。ロータスと同じく殺さずに倒そうとしている。

 それが悪いとは言わない。だが今の戦いは多対一だ。

 

「『ライトブレード』『ホーリーブレード』」


 ステータスが圧倒的でないのに一撃で死なない程度に抑えるなんて簡単に出来る事じゃない。殺さない様に急所を外せば外す分だけ一人当たりの戦闘時間が伸びる。

 そして1人に時間が掛かれば当然囲まれる。……ロータスのカバーは間に合いそうにないな。

 

「『ダークブレード』」


 こっちは全て片付け終わったし、俺がフォローに行くか。

 

「『テレポート』」

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