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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
163/346

勢力

 約2週間ぶりにブルーゼムの城へとやって来た。10日前にチラッと通ったが千里眼でしか確認してなかったからな。

 依然と変わりなく指名手配犯として扱われている。いい迷惑である。

 変わったのは勇者……水奈のクラスメイト達だな。

 以前に比べて男女間の対立は緩和されている。まあ主な原因は俺だったからな。

 ただ新たに別の対立が出来ている。現副騎士団長や宮廷魔術師筆頭……つまり参謀のリコリス派と反リコリス派だ。

 手先二人はクーデター実行に向けてクラスメイト達に『王族の黒い噂』を積極的に流している。もちろん嘘な訳だが、戦闘術の指導者である上、国内情報の裏話をしてる様に見せかけて露骨な味方アピールをしている。

 手先二人は信頼を得るためにクラスメイト達の相談等も受けてるため、『王族の黒い噂』を信じ込んでいる生徒は多い。

 だが反リコリス派も一部だが居る。勘の鋭い奴や露骨な態度に疑問を持つ奴、胡散臭さを感じる奴なんかが疑ってかかっている。

 手先二人は手駒にしたいが為に信頼を得ようとしてる訳だから下心ありきだ。その下心に気付く奴がいてもおかしくは無い。

 偽りの行動は突発的なアクシデントが起これば不自然さが現れるし、言動に矛盾が起こりもする。気を抜けば素が出たりするしな。

 それに気付ける反リコリス派の生徒とは、戦わず味方に引き込みたいところだ。

 日坂に頼もう。俺じゃ無理、撫でられ隊の子なら大丈夫かもしれないけど、その子達含めて女子も男子も日坂に任せた方が楽で早い。

 ここで大事なのは反リコリス派と王族派はイコールでは無い事だ。

 反リコリス派の生徒は疑ってかかっているものの、王族派の味方という訳でも無い。

 王族に対して……というか国に対しても疑いを持っている奴も居るし、何より生徒達と王族間の交流が少ない。

 本来は関係が悪化しそうな場合は真っ先にスキルで気付き、フォローに入って王族と生徒間での関係を良くするのがラミウムの役割だった。

 そのラミウムは俺達に付いて来た為不在、次期王の弟と王は国務のため、時折王妃が話をする程度。なので王族に対し肩入れをしている生徒は居ない。

 

(………………)


 別にお前を責めてる訳でも、お前が悪い訳でもねぇよ。

 クーデターさえ止め終われば、その後でいくらでも関係改善の余地はある。

 というか全員日坂の奴隷にしちゃえば問題ないだろ。

 リコリス派に騙されてる兵士だって、デマだった事を公表すればちゃんと戻って来るだろ。そんな不安そうな顔するな。

 

(…………はい)


 勢力は王族派、リコリス派、第3勢力の俺らと、反リコリス派の4つ。

 一番戦力の低い反リコリス派は日坂が取り込んでくれると信じてる。まあ反リコリス派はあまり気にする必要は無い。

 数で言えばリコリス派が圧倒的だが、王族派には騎士団長マグオートが居る。あの怪物だけは相手したくない。

 俺らはどっちかと言うと王族派寄りだが王族派では無い。指名手配されてるし。

 だが、リコリス派と敵対しクーデターを止めるという意味では王族派に協力する事になる。

 今日の訪問で関係がマシに……は成らなくてもいいや。せめてマグオートの動きを制限できれば御の字だな。

 という訳でラミウム、そろそろ行くけど大丈夫か?

 

(……はい、行きましょう)


 俺はラミウムと2人で空間魔法阻害エリア、王室へと入って行った。

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