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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
162/346

夢心地

 ふと目が覚めた。

 視界に眠る穂乃香とその奥に水奈が見えた。

 今日は珍しく俺が最初に起きたようだ。いつもは穂乃香の方が早いからな。

 しかし……真ん中で寝るのは穂乃香なんだよな。

 穂乃香の両脇に俺と水奈が居て、穂乃香に抱き着くように寝ている。

 普通さ、俺が真ん中じゃない? いや、そもそもが普通じゃないけどさ。

 この構図だと『水奈も穂乃香も俺の物』っていうより『俺も水奈も穂乃香の物』みたいじゃん。

 結局はそんなに変わらないかもしれないけど、これは譲ってはいけない気がするんだ。男としても年上としても。

 眠る穂乃香の寝顔を見る。穂乃香の方がいつも早く起きてるから新鮮である。

 幸せそうな顔しやがって。ここ最近穂乃香は、俺が起きるまでのボディタッチに自重が無くなって来てるからな。ちょっと仕返ししてやろう。

 

 頬を突いてみる。指が沈む度周りが膨らむ。他人の頬ってどうして柔らかく感じるんだろうな。水奈やリノの頬も柔らかい。

 唇に触れてみる。艶やかでプルンとしている。顔のパーツが整ってるよなぁ。

 水奈は幼さ残る可愛い系だが、穂乃香は少し大人な色気を含んだ綺麗系だ。幼さの残る水奈の唇に触れると背徳感があるが、穂乃香の唇に触れるとこう……色気が増して見えると言うか。

 まぁ中身はまだまだ子供だけどな。……それも穂乃香の良さだな。

 穂乃香がやたら触りたがる鎖骨に触れてみる。……何がそんなに刺激されるのだろうか。

 穂乃香の鎖骨が嫌いな訳じゃ無い、むしろ大好きだ。でも鎖骨に限定でさわさわしていたいとは思わない。触れたい部分の一つって所だな。触れたくない所は無い。つまり全部大好きだな。

 鎖骨の下側には毛布で隠れているが、仰向けになってもなお存在を主張する大きな御山がある。仕返しを始めてからずっと俺の胸板に潰されてふにゅんとなっている、俺と水奈の共有財産である。仲良く1つずつ。

 ハッ! 『俺と水奈は穂乃香の物』では無く、『穂乃香は俺と水奈の物』とすれば良いのでは?

 ……やはり穂乃香に負けてる気がする。何故だろう。

 生意気だなぁ……ほっぺを抓ってやろう。両手で頬を掴み引っ張る。ぐにぐに。

 

「ほぁ……はれ?」


 あ、穂乃香が起きた。

 俺にほっぺを抓られてる状況に理解が及んでいない模様。

 倍返しにされるのもアレだし、理解される前にうやむやにしてしまおう。

 穂乃香に唇を重ねる。今回は重ねるだけ、プルンとした柔らかさを指では無く唇で味わう。

 呼吸が苦しくなり始めた所で唇を放す。あんまり続けると穂乃香にスイッチが入ってしまうので自重する。

 

「えへへ……氷君とおはようのキス……」


 穂乃香は夢心地のようだ。ホント幸せそうに笑うなこいつは。

 

 

 

 今日は休日、と言ってもする事は決まっている。

 クーデターまで後5日。ラミウムとの約束で里帰りに付き合う事になっている。

 まあ、里帰りと言っても王と話して、拠点の洞窟を掃除するぐらいだけどね。

 城下町の風景も見せてあげたいところだけど、俺ブルーゼムだと指名手配犯だから。

 しかも王女誘拐という重罪扱いの。半敵国のイエンロードでは今のところ問題ないけどやってくれる。

 

(お父様がご迷惑お掛けして、申し訳ありません)


 ラミウムが謝る事じゃない……というかコレに関しては謝られても仕方ない。

 とりあえず行って直接文句言おう。

 

(はい)


「という訳だから、俺とラミウムはブルーゼムに行って城の様子を確かめて来る。お前ら3人はフィサリスの同行が無い場合はモンスター発生地帯には近づかない様に」

「「はーい」」


 盗賊が出ると再三伝えているので、穂乃香と神奈はちゃんと返事をした。

 返事をしなかったのは他の事に思考が持っていかれてる水奈だけだ。

 

「お兄ちゃん……その……」

「ああ、ちゃんとクラスメイト達の様子も確かめて来るから心配すんな」

「うん……ありがと」


 まったく、水奈は良い子なんだから。

 学級委員だった事があってか未だに責任を感じている。律儀な奴。

 ……早めに解放してやらねばならない。

 とりあえず今は今出来る事をするとしますか。

 水奈の頭を撫でてやる。よしよし。

 

「さて、それじゃあ行くか」

「はい」


 撫で終わりの合図として水奈の頭をポンポンとし、ラミウムと共にブルーゼムへと向かった。

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