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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
158/346

寸止め

 空間転移からの攻撃を始めてすぐ、今日の訓練は中止となった。

 水奈が動けなくなってしまったからだ。

 拳の寸止めや蹴りの寸止めと、剣の寸止めでは全く違う。

 防ぎきれなかった先の未来、明確な死を感じた水奈は恐怖で動けなくなってしまった。

 必要な事ではある……が、本物の武器で行うのはまだ早すぎたか……

 次回は木剣や木製の杖を用意しようと決めて、腰の抜けた水奈をお姫様だっこで抱き上げる。

 

「…………お兄ちゃん……私……わたし……!」

「……今日の訓練はここまでだ」

「――っ!」


 水奈は今日俺との訓練という事もあり気合が入っていた。

 その事もあってか激しく落ち込んでいる。

 思考がネガティブな方向に進んでしまい、やっぱり足手まといなのかとか、俺に厭きれられたとか思い込んでいる。

 そんな訳がない。だがそれを口にしたところで気を遣わせてると余計に落ち込ませるだけだ。

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 90

 

 

 こんな状態で訓練を続ける訳にもいかない。

 適当な物を探したが良い物が見つからなかったため、錬金術で椅子を作り水奈を座らせる。

 水奈は椅子にちょこんと座ると同時に俯いてしまった。

 俺は地面に膝立ちになり、やや体勢が厳しいが気にする事無く水奈を抱き締めた。

 

「……え、お、お兄ちゃん……?」


 うーん……後ろからの方が良かったかな? でも抱き締めるならやっぱり正面からの方が良いよなぁ。

 

「アホ。俺がお前に厭きる訳ないだろ」

「で、でも……」

「ちゃんと上達してる、やる気もある。水奈の頑張りはきちんと伝わってる。頑張ったな」


 水奈の頭を撫でる。

 水奈からも俺を抱き締める。

 落ち込んでる時の水奈って保護欲が刺激されるんだよなぁ。

 ……同時に嗜虐心も少し……

 ……右手で水奈の頭を撫でながら、左手を背中に回している。その左手の指を少し立て、背中をさする感覚でつーっと指を添わせる。

 

「ひゃ……」


 水奈の小さな悲鳴が上がった。

 だが声を漏らさない様に我慢している。今は撫でられてる最中だからな。

 我慢してる水奈が可愛い。もう少し続けてみる。

 水奈の顔が火照り始めた頃に右手を太腿に添わせてつーっと動かす。

 

「~~~~~! お、お兄ちゃん!?」


 水奈が悶えてる。悲鳴も小声。

 そんな可愛い事ばっかりされるともっとしたくなってしまう。

 水奈のうなじを舌先でつーっと。

 

「ぁん、~~~!」


 耳元で喘がれてしまうと俺も我慢が――

 

「――氷河? 昼間のこんな野外でいったい何をしようとしてるのかな~?」


 …………リノを抱えたフィアに注意されてしまった。

 俺はまだ問題ないが、お預けをくらった水奈はちょっと残念そう。

 水奈の耳元に顔を寄せる。

 

「……続きは今日の夜な」

「~~~! ……ばか」


 顔を真っ赤にさせて小さく呟いた水奈だが、まんざらでもない様子。

 

 

 月島 水奈

 恐怖度 10 発情度 40

 

 

 恐怖は無事に下がった様だ。

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