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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
153/346

シャツ

「――、―――」


 疲れ…………

 

「―君、朝――」


 ああ、そんな時間か。

 

「氷君、おはよう」


 穂乃香の満面の笑み。まるで太陽の様。

 でも格好は俺のシャツ一枚。下着を着なさい下着を。

 当然の様に俺のシャツを着ている穂乃香だが、俺が着ていた服は現在眠っている水奈が抱きしめている。

 つまり穂乃香が所持している俺のシャツだ。既に色々とおかしい。

 まず俺の部屋に服は置いていない。何故なら全て空間収納に入ってるからだ。

 なら何故穂乃香は俺のシャツを持っているのか。

 それは俺のシャツが二日遅れで手元に戻って来ることに関係している。

 

 シャツが四色あったとしよう、赤、青、黄色、緑の四色。

 【1日目】俺が最初に赤を着たとする。その日の夜に青を着て赤を洗濯に出す。

 普通ならこの次の日の夜には、赤が俺の手元に帰って来る筈なのだが、赤は穂乃香に回収される。

 【2日目】赤が帰って来なかった俺は仕方なく黄色を着て、青を洗濯に出す。

 しかし青も穂乃香に回収されてしまう。

 【3日目】青も帰って来なかった俺は緑を着て黄色を洗濯に出す。同時に青が手に入った穂乃香は赤を洗濯に出す。

 洗濯された赤と黄色の内、黄色は穂乃香に回収されてしまう。そして俺の手元に戻って来るのは穂乃香使用済みの赤なのである。

 【4日目】赤を着て俺は緑を洗濯に出す。穂乃香は黄色を着て青を洗濯に出す。洗濯される青と緑で穂乃香が回収していくのは緑、よって俺の手元に戻って来るのは青となる。

 

 驚きの服シェア。俺の手元に戻って来るのは二日遅れで全て穂乃香使用済みである。

 この事実を知っているのは俺と穂乃香、洗濯物係の水奈だけである。

 俺から言える事は一つ、自分の服着なさいよ。

 

「穂乃香は服を着なさい、水奈は服を返して服を着なさい」


 できれば穂乃香も服を返しなさい。水奈はまず起きなさい。

 こいつらの未来がちょっとどころじゃなく心配だ。

 穂乃香にディープキスで起こされる水奈を見ながらそう思った。

 

 

 

「今日からまたメンバーを入れ替えようと思う」


 神奈と一緒に作った朝食後。

 訓練時のメンバー変更の有無を伝える。

 前回は穂乃香と神奈を入れ替えて連携強化を行った。

 

「今日のスキルアップ組は俺と穂乃香、神奈とフィサリス、レベルアップ組は日坂、水奈、ラミウム、ロータスだ。穂乃香と神奈は俺が同時に見る」


 というか穂乃香と神奈を戦わせてアドバイスを入れて行く形にする。

 

「はい、ご主人様~。私は何すればいいの?」


 フィサリスが手を上げて質問してきた。

 よくぞ聞いてくれました。


「リノと戯れてなさい」

「え~!」


 フィサリスは見学です。

 

「お兄ちゃん、私は明日どうするの?」


 水奈が首を傾げて聞いて来た。可愛いなそれ。

 明日のスキルアップメンバーは俺、日坂、水奈、ロータス。

 となれば必然的に――

 

「――水奈には俺が指導する。内容は『盾術』。接近戦時のスキルだ」


 後衛である水奈が前線に立つことはまず無いとは思う。

 だが、後衛であるからこそ接近戦が弱点となる。

 距離を取るまでの防衛手段を自身で持っておいた方が良いだろう。

 

「お兄ちゃんと……!」


 俺と一緒に訓練と聞き嬉しそうな水奈。もうなんなのこの子。抱き締めるわよ?

 

「変更は以上だ。準備ができ次第向かうぞ」


 全員の準備が終わったところで移動を始めた。

 レベリング組は今日は岩山。変な所ではない普通な所を選びました。

 スキルアップ組は安定の森。さて始めますか。

 

「穂乃香と神奈にはこれから手合わせをして貰う」


 勝った方には褒美――だと穂乃香が圧倒的有利だな。実力差が大きいからな。

 ハンデを付けるか。

 

「穂乃香が神奈の二倍以上の本数取れれば穂乃香の勝ち、3回分の甘える権利をやる。神奈が穂乃香の取った本数の半分以上取れれば神奈の勝ち、シュークリームを作ってやる上に日坂の好み料理第二弾を教えてやる」

「「――!」」


 おお、二人ともやる気に満ち溢れている。現金な奴らだ。

 さて、どうなるかね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 氷の奴TSし無ェかなァ······
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