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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
151/346

反省

 屋敷へ戻った風呂上り。

 リバイアサンと戦わなくて良かった~、っとフィサリスが思ったせいでラミウムに即バレ。

 現在二人揃って正座中。

 しかも俺だけリノと言う重し付き。いや、そこまで重くないけど。

 長時間になればなるほど辛くなるでしょコレ。

 

「何か不満がおありですか?」


 いいえ、ありません。

 因みに、最初から反対しており直前で俺を止めたフィアは御咎めなし。

 ラミウムから話は伝わって、水奈は涙目で怒っており、神奈は呆れ顔、穂乃香は仕方ないなぁと微笑み、フィサリスへは嫉妬。

 穂乃香はあまり心配していない様。というか、うん。相変わらず信頼が重い。

 

「お兄ちゃんはどうして無茶ばっかりするの!?」


 涙目の妹に怒られる兄。

 泣かれるのには弱いんだよなぁ。どうして、か……

 大元を辿れば、クーデターを起こそうとしてるリコリスのせいであり、そもそも俺たちをこの世界に召喚した国王のせいであり、そのきっかけとなった魔王のせいなんだけど。

 外的要因ではなく内的要因があるとすればそれは――

 

「――俺がお前の兄であり、男であり、月島氷河であるが所以だな」


 結局のところそこに行き着く。何故かと言われれば、俺が『俺』であるからだ。

 俺の解答を聞いた水奈は目を大きく見開き――

 

「――お兄ちゃんの馬鹿!」


 滅多に出さないほど大きな声で怒鳴り、リビングから出て行ってしまった。

 残り三名からの視線が痛い。特に神奈からの視線が痛い。

 

「……お兄さん、馬鹿ですね」


 うん。そうだね。俺もそう思う。

 

「あんな言い方したら、無茶してるのはお前のせいだって水奈からは聞こえますよ」


 ん? え? なんで?

 ……あ。

 

『俺がお前の兄であり――』


 俺が無茶するのは兄だから……逆を返せば妹がいるせい、水奈のせいってか?

 俺が無茶するのは俺が馬鹿だからであって、水奈のせいじゃないんだが……水奈にはそう聞こえたのか……

 

「氷君、水奈を泣かせたままじゃ駄目だからね」

「ああ、分かってるよ」


 早めに誤解を解いて、謝っておきたいところ。

 という訳でラミウム様、この正座を解いてもよろしいでしょうか?

 

「水奈様はまだ、感情の整理が付いていないご様子。もう少し落ち着いてからの方が良ろしいでしょう。それまで氷河様はそのまま反省なさって下さい」


 いや、心配かけたのは悪いなぁと思ってるんです。

 でもですね。リコリスやマグオートと戦う事になるならば、レベルアップはどこかでしておく必要があると思うんですよ。

 

(それがデスラインへと向かい、リバイアサンとも戦おうとする理由ですか?)


 ……流石にやり過ぎたなぁとは思ってます。

 

(……もう少し反省なさって下さい)


 いや、もうだいぶ足が痺れてきたというか……ちょっ! リノちゃん! 突かないで!

 

 

 

 夕食前、ようやく正座を解いて良いとの許可が出た。

 フィサリスと2人で足の痺れに悶絶していた。

 

「ご主人様のせいで酷い目にあった……」

「……バレたのはお前の不注意だろ」

「私は止めておいた方が良いって言ってたじゃん……」

「お前ノリノリでケルベロス倒してただろうが……」

 

 フィサリスと互いにグチグチ言い合った。

 帰ってきた日坂とロータスに奇妙な物を見る目を向けられた。

 あいつらにああいう目されるのなんかムカつく。

 夕食時、水奈は一度も俺と顔を合せなかった。

 仕方ないとはいえ、俺的にダメージ大。

 だが、俺以上に傷付いてるのは水奈だ。夕食後、しっかり話さねばなるまい。

 

 

 

 話そうと思ったが、水奈は夕食後すぐに風呂へ行ってしまった。

 俺は既に風呂に入ってるため、水奈の部屋で待つことにした。

 しばらくして部屋の扉が開いた。

 そこには風呂上がりでパジャマを着た水奈が立っていた。

 

「……何してるのお兄ちゃん」


 いつもより少し低めの声に心をチクリとしつつ、俺は椅子から立ち上がった。

 

「少し話をしよう……水奈」

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