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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
146/346

貴方にとって

 夕食を終えて風呂へと入る。

 膝の上にリノ、右肩に水奈である。

 肩に頭乗せてるだけだよ。ちっちゃくなった訳じゃ無いよ!

 そんな水奈の身長は150センチ。撫でたくなるよねこのサイズ。

 

「お兄ちゃん、今日はやけに美鈴に協力的だったね」


 水奈が目を瞑り、俺に体重をかけてリラックスした状態のままそんな事を言う。

 訓練の時はボロクソ文句言われたけど、朝の召喚術の時や夕食の味付けに関しては感謝されたもんな。

 

「便宜を図るって約束だったからな。まあ世話焼かなくても、あいつらなら勝手にくっつくだろけど」


 だが神奈はここぞでヘタレるからな。んでもって日坂は自己評価が低いから、きちんと伝えさせないと、俺なんかじゃ……とか言い出す。

 総じて言うと、あいつらめんどくさい。

 まあ、神奈は日坂ラブだし、日坂も脈ありだから時間を掛ければ問題ない。

 問題はその時間があるかどうかだ。

 日坂が人を斬れないと抜かすなら、此処に置いて行くから時間はある。

 だが人を殺せて、付いて来る気があるなら時間は無くなる。

 全て終わらせて戻ってくればまた時間は作れるが、それが何時になるかは分からない。

 間隔が開き過ぎて自然消滅なんて事にしないためにも、ある程度近づかせておく。

 ……なんで俺がこんな事をせねばならぬ。

 まあ、頑張ってはいるが一本は取れない弟子へのご褒美だな。

 

「パパ」


 膝の上に座っていたリノが立ち上がった。

 どうしたの急に。座ってる俺の前に立つと可愛いお尻が丸見えよ?

 ――ハッ!

 

「『サークル』」

「おしっこ」

「『テレポート』」




 トイレへ緊急転移したため、事なきを得た。

 しかしトイレ後、リノは再び体を洗い直し。

 体を拭いてなかった為、床等々がびしょびしょになったトイレも掃除となった。

 互いに一糸纏わぬ裸体の状態で、トイレに籠るびしょ濡れの女児五才と男子高校生の図。

 問題しかねぇわ。

 今後は風呂の前にトイレに行かせよう。寝る前もだな。

 シレっと聖魔法使えるようになってたからすげぇなと思ってたが、そういう所は五才児だな。

 一騒動……というか一苦労終えて現在は風呂上り。服着て水奈の部屋にたどり着きベットに横になる。リノの尿意、問題なし。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃんにとって美鈴ってどんな存在?」


 俺の右手を繋ぎ腕に頭を乗せた水奈が質問してきたので、簡潔に答える。


「後輩兼弟子」

「短っ!」


 それ以外に何があるのよ。同じ水奈教の信者?

 というかどうしたの。

 

「なんかさぁ、お兄ちゃんと美鈴の会話してるとことか、一緒に料理してるとこ見るとまるで兄妹みたいだなぁって思って……」


 フィアもそんな事言ってたなぁ。別にそんな事ないと思うけど。

 でも妹的にお兄ちゃん取られた様に感じて、やきもち焼いて訳ね。可愛い奴。

 

「水奈は俺の妹でありたい? 彼女でありたい?」

「え!? か、彼女!? う、う~ん…………………………私はやっぱり、お兄ちゃんの妹でありたいかな」


 妹でありたいか……まあ、そうだよな。

 

「俺もお前の兄である事を選ぶ」


 だから……だからこそ、俺たちは歪である。

 男女の仲でありながら兄妹でありたいと望んでいる。

 

「パパ、リノは?」

「養子」

「でもリノ、パパのおよめさん」


 それまだ言うか。可愛らしい夢だが大人になれば変わるよきっと。

 そもそもだ。

 

「リノが成人するまで後10年はあるぞ? リノが15歳になる頃には俺はもう27だ」

「だいじょうぶ」

「大丈夫な訳あるか」


 ピチピチの15歳が、アラサーのお嫁になりたいなんて言うんじゃありません。

 パパが悲しむわよ。本物の。

 里親と結婚しましたなんて報告受けたくないだろ。また化けて出るぞ。

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