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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
144/346

刃物

 屋敷へと戻りさっそくモンスターの解体を始める。

 昨日と今日は洞窟とジャングル。戦闘環境こそ特殊だが変なのは居ない筈。

 倒されたモンスターのラインナップを見る。

 ん~……ミノタウロス? ……アルラウネ?

 ……うん。変なのは居なかった、居なかったな!

 

(……すみません)


 いや、良いんだけどさ。

 運が良すぎるって一周回って不運じゃない? ロータスやフィサリスが居ない時に遭遇するには厳しい相手でしょコレ。

 

(……どうせ私は、普通の人生など歩めぬのです……)


 あ、地雷踏んだ。

 ラミウムって普段ポジティブだけど、ちょいちょい地雷があるよね。

 大丈夫だって、生まれは確かに王族だけどラミウムは普通の女の子。良くいる17歳の女の子だよ!

 

(……本当にそう思われますか……?)


 うん、思う。

 

(…………では水奈様や美鈴様が私に抱く、『お母さんみたい』についてどう思われますか……?)


 ……それはほら! 大人っぽいって事だよ! フィサリスはお姉さんぶるけど、あいつ大きな子供みたいなものじゃん? だから一番冷静で落ち着いているラミウムが大人びて見えるんだよ。

 

(私は子供らしくないと言う事なんでしょうか……)


 いやいやいや、子供らしさもあるよ? でもほら……そう、包容力! ラミウムには包容力が有るんだよ。料理を作ってくれて、みんなが美味しそうに食べるのを見守る感じとか、休みの日出かけるのを見送る感じとか。理想の若奥さんって感じ。

 

(理想……氷河様から見て、私は理想的に見えますか?)


 うん。ラミウム良い女。

 

(…………ありがとうございます……)


 ……うん。よし、解体をはじめまーす。

 リノ~おいで~。

 水奈に遊んで貰っていたリノに手招きをすると、こちらへやって来た。

 

「ん」


 リノ、当たり前の様に俺の膝の上に座ってるけど違うよ?

 これから行うのは解体だよ、解体。

 ほら、降りて。ナイフ握って。

 膝から降りたリノにナイフを握らせて、その上から俺の手を添える。

 説明を挿みながら、リノと一緒にモンスターの解体を進めていく。

 

「リノちゃんに刃物使わせて大丈夫なのか?」


 日坂が解体をするリノを見て、心配性の父親みたいな事言いやがった。

 

「大丈夫に決まってんだろ。それにこれはリノが興味を示した事でもある。モンスターテイマーになって命を扱って行くであろうリノに、命の勉強をさせてるだけだよ」

「……見学させて貰っていいか?」

「好きにしろ」


 日坂見学の下、黙々とリノと一緒に解体を進めていく。

 

「神奈の料理にリノちゃんの解体……氷河は生活スキルの指導にも力を入れ始めたのか?」

「まあ、そんな所だ。なんならお前にも教えてやろうか? 裁縫や調合とかあるぞ」

「……そのチョイス、わざとだな……」


 日坂がやりそうに無いラインナップ。フィサリス先生お得意の二つでもある。

 

「しかし氷河は本当に色々出来るんだな」

「ああ、なんならバトラーの真似事でもできるぞ」

「「バトラー!?」」


 水奈と穂乃香がバトラーに反応した。

 何、俺にバトラーの格好して欲しいの?

 執事姿の俺から、お嬢様として奉仕されてみたい水奈と攻められたい穂乃香。

 とりあえず穂乃香、自重。着せておいて下剋上希望ってどういう事だよ。

 

「生活スキルか……鍛冶かな」

「自分の装備や武器は強化したいもんだよな、男のロマンだ。あ、リノそこは慎重に」

「ロマンか……まあ分からなくもないが」


 日坂はその辺の理解度薄いよなぁ。恐らくここの住人の中でロマンについて一番語れるのは神奈なんだよな、あいつ心は少年だから。

 

「まあ、鍛冶はロータスも覚えて――」


 あ。

 

「……ロータス、お前解体スキル持ってるだろ。手伝え」

「私ですか? 私は月島様程鮮やかには出来ませんので、売値が下がってしまいますが」

「金銭には余裕があるし、リノに教えながらだから時間も掛かる。この数解体するのは無理だ、手伝ってくれ」

「かしこまりました」


 よし、労働力確保。ロータスに予備の解体用ナイフを渡す。

 この後神奈との夕食作りもあるからな。今日、刃物使ってばっかりだな。

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