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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
141/346

生きる術

プチアラレちゃん状態ですが頑張ります。

 風呂上がり。水奈の部屋に向かった。

 いつも通りにノックしたら、ノックせず普通に入って来ていいと言われた。

 もう完全に相部屋。此処は俺の第2の部屋だ!

 そもそも第1が無かったわ。いやあるけど、客室だけど。

 今日はリノがフィサリスと寝る為水奈と2人。リノはフィサリスの部屋のぬいぐるみ達と戯れ中。なお、フィサリスも一緒に戯れてる模様。

 お姉さんと呼ばれたい21歳。そんな事してるからお姉さんと呼ばれないのよ。

 ベットの上に腰を掛け、首を傾けて水奈が微笑んでいる。

 くすんだ心が浄化される様な気分……くすんでたのね、俺の心。

 

「お兄ちゃん、この後穂乃香は来たりする?」

「いや、今日は我慢するらしい。朝は起こしに来ると思うけどな」

「そっか……じゃあ、朝までは二人っきりだね!」


 俺と2人と分かりとても嬉しそうである。

 そんな言い方したら穂乃香が悲しむぞ。

 穂乃香は3人でも、水奈と2人でも喜ぶのに。

 いつの間にそんな独占欲が強くなったのやら。

 だが俺は知っている。鑑定様は何でも知っている。

 穂乃香が神奈と空中で戯れてたのを知って、水奈が神奈に少し嫉妬した事を。

 水奈ってばやきもち焼きやすいのね。

 水奈の右隣に座る。水奈が肩を寄せ、手を繋いでくる。

 

「そう言えば今日、固有スキルが増えたんだけど」

「ああ、『回復率上昇』だな」



 月島 水奈

 固有スキル『治癒回復』『回復率上昇』

 

 

 今日のレベリングでレベル20になった水奈と神奈は新たな固有スキルを取得した。

 水奈のスキルは『回復率上昇』。

 一回で回復するHPが増え、状態異常の回復が早くなる。

 水奈は元々MPが多いほうだが、回復に加え精霊魔法を使って戦うためMPの消費は激しい。

 回復を使う回数が減らせるのならばその分戦闘に回せるからな。

 

「水奈はヒーラーの役割も担ってるからな。常に味方を回復できるだけのMPを残した上で戦うのが望ましい。瞬時に多くのHPを回復できるってのも戦闘時に使えるから良いな」


 同じMP削減であっても、使用MPが半減で通常効果と、MPは変わらず効果2倍とでは全然違う。

 消費MPと回復量は一緒だが、回数が一回であるか二回であるか。

 これは数秒、もっと言えばゼロコンマの隙が命取りになる戦いにおいて、大きく変わって来る。

 戦闘中の回復とはヒーラーと回復を施されている者の二名が無防備……とまで言わなくとも動きにくくなる。

 周りはそれをカバーしなければならないため、この時間は短ければ短い方が良い。

 まあ、これはあくまで戦闘時ならの話だ。

 通常時や、戦闘終了後あらば使用MP減少の方が無駄が少なく済むため良い。

 一長一短である。

 

「でも最近はそもそも回復事態使う事少ないんだよね。お師匠様やロータスさんが居るし」


 ダメージを喰らう事自体が少なくなってるもんな。

 もちろん水奈達が強くなってるのもある。

 だが、あいつらが瞬殺していくから戦闘で苦戦する事がまず無い。

 ちゃんとした経験を積みにくいよなぁ……まあそのためのスキルアップなんだけど。

 本当ならレベルを上げると同時に経験を積んでいくのが良い。

 が、そんなチンタラしている時間は無い。とりあえずレベルを上げて死ににくくする。

 経験はその後でも良い。

 俺がこいつらに教えておくべきは自己防衛手段とこの世界での自立方法だ。

 戦う術じゃない、殺されず、死なない術……生きる術を教えるんだ。

 ステータスさえ上がっていれば無謀な事をしない限り死ぬことは無い。

 無謀な事しそうな予兆は今の所誰からもない。みんな自分の実力をちゃんと弁えてるからな。

 俺? 俺はほら、むしろ経験にステータスが追いついてない人間だから。

 俺はいいんだよ俺は。

 

「ヒーラーとしての出番が少ないってのは安全に戦えてるって事だ。悪い事じゃない」

「そうだね」


 水奈が俺の肩に頭を乗せる。君それ好きだね。

 でも寝に来たわけだし、ベットで寝ましょう?

 電気を消してベットに横になる。

 水奈が俺の左腕を抱き締めるが、何かご不満の様。

 

(……もうちょっとくっつきたい)


 腕を抱き締めてしまうと、体の接し面積が少なくなる。

 だが俺の脇下に入り直接抱き締めると、手を繋げなくなる上、少し恥ずかしい。

 手に触れれて、且つもう少しくっつける体勢は無いか四苦八苦している模様。

 なにその可愛い悩み。

 ならば打開策を授けるとしよう。

 

「水奈、こっちに背を向けてくれ」

「え? うん」


 水奈が俺に背を向ける。

 水奈の首に腕を回し、包み込むように水奈を抱き締める。

 水奈が腕を曲げると俺の手と重なる。

 

「これで良いか?」

「うん、ありがと」


 水奈は満足したようで、左手と俺の右手を絡ませる。

 角度的に結びやすいのは下方の為、手が水奈の足の付け根付近に来る。ちょっと危ない。

 空いた右手は俺の左手に添えられ、水奈の心臓部に押さえつけられる。こっちはアウトです。

 なんでも心臓部に俺の手が当たってるのを感じると安心するんだとか。

 そういわれてもこっちはただでさえ水奈を抱き枕にして柔らかいと思ってたのに、指先や手の平がそれ以上に柔らかい事になってるんですけどこれ。

 その辺気にしたりは……あ、しないんですね。分かりましたー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 別に文脈から読み取れはしますが、ベッドがベット表記されてるとやっぱりちょっともやもやしますね
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