表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
136/346

肩書と役目

 オークの群れも無事に倒し終えたが、水奈と神奈はお疲れである。

 まあ、群れの相手って連戦だしな。

 相手も一撃で倒れる程雑魚じゃないから時間も掛かる。

 そんな中、接近戦も魔法戦も行い、且つ今もピンピンとしている穂乃香はやはり強かだ。

 司令塔も同時にこなしてるのに……不思議だ。

 エリートゴブリンにオークの群れを倒した事もあって、水奈たちはそれぞれ1ずつレベルが上がった。

 水奈と神奈はレベル18、穂乃香はレベル20になった。

 レベル20を迎えた穂乃香は新たな固有スキルを取得する。

 そのスキルがこちら。

 

 

 如月 穂乃香

 固有スキル『属性魔導』『無詠唱』

 

 

 無詠唱。俺が欲しかった奴。

 いいなぁ……俺もレベル40になったら貰えないかなぁ。

 でも鑑定関連のスキルだから無理だろうな……残念。

 穂乃香が更に強くなったところで最終目的地へと移動する。

 最終目的地……そこは――

 

 

 

「はい。如月様、月島様、神奈様の3名、冒険者登録完了致しました」


 冒険者ギルド。

 3人の冒険者カードを作りに来ました。

 

「これでお前らも素材を売れるようになる。あと身分証明書にもなるから失くさない様に」

「なんで今更冒険者に?」

「その方が色々と便利なんだよ」


 こいつら3人はブルーゼムから指名手配されてないしな。あの王め。

 それに俺が居なくなった後の事を考えると、金銭が稼げるところはあった方が良い。

 一応多めに貯金を残して行くつもりだけど。

 ワイバーンが相当高値で売れた。

 

 所持金 4,035,943G

 

 いやーお金持ちー。

 いよいよランクBじゃ無くてランクAを目指さないかとまで言われた。

 ランクを飛ばすんじゃない。ランクCで十分です。

 

「多めに金銭も手に入ったし、今日頑張った褒美だ。なんか好きな物でも食い物でも買ってやる」

「おお~! お兄さん太っ腹~!」

「私、氷君が欲しい!」


 ブレねぇなお前。

 戦闘中のカッコいい司令塔はどこ行った。

 

「穂乃香、ダメ!」


 水奈が俺の腕に抱き着く。おや、大胆。

 

「はぁ……日坂先輩に会いたい……」


 うん……なんかごめんね。

 

「お兄さん! 言ったからにはしっかりと買って貰いますからね!」

「あーもちろんだ」


 それから水奈、穂乃香、神奈の3人の要望をそれぞれ聞いてやった。

 この世界に来てほぼ毎日戦ってばっかりだもんな。

 たまにはこうやって、好きに買い物させてハメを外すのも悪くは無いだろう。

 こいつらは望んで戦ってる訳じゃ無い。

 戦う事を望まれてこの世界に呼ばれたんだ。

 この世界で生きていくために仕方なく戦っている。

 元々は平穏に暮らしていた普通の高校生だったんだ。

 可愛い服見つけて、アクセサリーに見とれて、食べたいものを食べる。

 そんな高校生らしい時間を過ごしたっていいじゃないか。

 勇者なんて肩書はこちらの世界の都合でしかない。

 お前らにとって、本当は関係の無い事なのだから。

 ならお前らはこうやって笑いながら暮らしてて良いんだ。

 後の面倒くさい肩書と役目は――俺が何とかしてやる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ